西田敏行さん「お別れの会」に700人参列、米倉涼子涙浮かべ「大好きです」
虚血性心疾患のため昨年10月17日に亡くなった俳優の西田敏行さん(享年76)のお別れの会が18日、東京・港区の増上寺光摂殿で営まれた。50年来の友人たちによる「五人会」の柴俊夫、松崎しげる、田中健、「ドクターX」で共演して以降、公私で親交のあった米倉涼子ら関係者約700人が参列し、西田さんに最後の別れを告げた。
祭壇は、西田さんが好きだった故郷・福島の猪苗代湖から磐梯山を望む風景をシャクナゲや桜、菊など4000本の花で表現。その中央、山頂付近に山岸伸氏が約2年前に撮影したプロフィル用の笑顔の遺影が飾られた。
増上寺は、徳川家の菩提寺。西田さんは、NHK大河ドラマで徳川将軍を3度演じており、2000年「葵 徳川三代」では秀忠役で、「(正室の)お江の眠る増上寺に葬ってほしい」というセリフがあることから選ばれた。会場は西田さんが出演した映画やドラマのポスターで彩られ、「もしもピアノが弾けたなら」などの歌声が流れた。
柴と松崎は弔辞で、西田さんとの出会いからの数々のエピソードを披露。柴は「西やんは我々の誇り。お別れはいいません。また会いましょう」、松崎も「あなたは天国でも地獄でもない、楽園にいる。一緒に闘ってきた友として、その楽園でまた会いましょう」と再会を誓った。
米倉は遺影を見上げ、ため息を一つ漏らし「敏ちゃん」と親しみを込めて呼び掛けた。「ドクターX」での共演から、「西田さんから敏ちゃんになり、飲み仲間、カラオケ仲間になり、いつしか目標となっていた」と家族ぐるみで付き合ってきた。
突然の悲報には「心の準備がなく、電車の中で大声を上げて泣いたことをはっきりと覚えています」と回想。「惜しみない愛情のこもったたくさんのアドバイス、心からありがとうです。これからもずっと、天国から日本のエンターテインメント界を見守ってください。そして、気が向いたら私の体を使ってお芝居をしに来てくださいね。大好きだよ」と涙を浮かべながら感謝の言葉を送った。
2008年『ザ・マジックアワー』などで起用した三谷幸喜監督は、本人から聞いたというドラマ「西遊記」でのエピソードを披露。「富士の裾野にロケに行った時のこと、休憩中にどうしても我慢できなくなり草むらでそーっと脱ぷんされたということです。そこに自衛隊の一個小隊が通りかかり、ブタ(猪八戒)の姿で用を足している西田さんを見て、思わず全員で敬礼をしたということです」。お別れの会らしからぬ仰天話に、参列者からドッと笑いが起き会場を和ませていた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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