中国アニメ超大作『ナタ 魔童の大暴れ』をアメリカ劇場公開へ──ミシェル・ヨーが英語吹替版の主演に

インディペンデント系映画を多く手がけてきたA24が、中国の国営配給会社であるCMC PICTURESと異例のタッグを組み、アジアで記録的ヒットを飛ばしたアニメーション映画『ナタ 魔童の大暴れ』を、今年8月に北米のスクリーンへと送り出す。
世界最高興収のアニメ映画がついに北米上陸
本作は、中国アニメ史上最高の興行収入を誇る『ナタ〜魔童降臨〜』(2019年)の続編であり、今作でもスピード感あふれるアクションと神話的世界観が炸裂する。その英語吹替版では、アカデミー賞の受賞経歴を持つ俳優ミシェル・ヨーが主演を務めるという豪華な編成となっている。
上映はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで8月22日から始まり、IMAXや3Dなどのプレミアム大画面フォーマットでも楽しめる予定だ。
この公開は、個性的な監督主導の作品、たとえば『アンカット・ダイヤモンド』(2019年)『aftersun/アフターサン』(2022年)『パスト ライブス/再会』(2023年)などで知られるA24にとっては異色の試みである。一方、CMC PICTURESは中国映画の世界展開を担う国営系大手であり、両者のコラボレーションはまさに「東洋と西洋の文化的合流点」とも言えるだろう。
『ナタ 魔童の大暴れ』世界歴代アニメ映画の興行収入トップに
中国の旧正月に合わせて今年初めに公開された『ナタ 魔童の大暴れ』が、全世界のアニメーション映画史上最高の興行収入を記録した。その額は驚異の22億ドル(約3,400億円)に達し、ピクサーの大ヒット作『インサイド・ヘッド2』(2024年)の17億ドルを超えて、堂々の1位に躍り出た。(公式発表に基づく)
さらに『ナタ 魔童の大暴れ』は、全ジャンルを含めた世界歴代興行収入ランキングでも第5位にランクインしており、その収益のほとんどが中国本土からのものである点も注目に値する。
中国神話の現代的リメイク
前作『ナタ~魔童降臨~』(2019年)を手がけた、餃子(ジャオズ)監督が本作も担当。前作は中国神話のヒーロー・哪吒(ナタ)を大胆に再解釈した作品として文化的現象を巻き起こし、中国アニメの新時代を告げる象徴的な作品となった。『ナタ 魔童の大暴れ』はその続編として、より壮大な物語と、さらに進化した映像表現で観客を魅了する。
英語吹替版で主役の声を演じるミシェル・ヨーは、次のようにコメントしている。
「『ナタ 魔童の大暴れ』という中国アニメの金字塔に関われることを誇りに思います。この作品は、私たちの物語がどれほど普遍的であるかを強く思い出させてくれます。英語でこの感動を届けられるのは本当に嬉しいことであり、皆さんがこの映画の驚きと感動、壮大なアート、そして魔法のような世界観を大スクリーンで体験するのが楽しみでなりません。」
反逆の半神ナタ、再び世界を揺るがす――神話と運命をめぐる壮大なバトルへ
本シリーズは、天に恐れられながらも人間の両親のもとに生まれた若き半神・哪吒(ナタ)が、巨大な力と「人類を滅ぼそうとする古代の邪悪な存在」との宿命に立ち向かう姿を描く、壮大な神話ファンタジーである。
彼の戦いは、自己との葛藤、宿命の克服、そして世界の希望を背負ったヒーローとしての覚醒を意味している。
中国語版オリジナルの段階ですでに世界中のファンの心をつかんでおり、『ナタ 魔童の大暴れ』はRotten Tomatoesでも今年最高評価のアニメ作品として話題を集めている。さらに、映画ファンのレビューサイト「Letterboxd」でも2025年のトップ評価作品の1つとして名を連ねている。
※Rotten Tomatoes(ロッテントマト)とは、映画のレビューを集計・公開するアメリカのウェブサイト
今回のA24とCMC PICTURESの共同配給は、アメリカ市場における「中国のストーリーテリング」の受容度を測るリトマス試験紙となる。さらに、「才能×スケール×文化の融合」を武器に、クロスオーバーアニメーションがどこまで国際市場で通用するかという、極めて戦略的な実験でもある。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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