『ザ・ディプロマット』制作者がシーズン3の展開を語る!「常に政治情勢を気にしている」政治ドラマならではのやりがいと複雑さ【インタビュー】

米国外交官で駐英大使のケイト・ワイラー(演:ケリー・ラッセル)と、その夫で元大使のハル(演:ルーファス・シーウェル)を軸に、外交の舞台裏を描くNetflixオリジナルシリーズ『ザ・ディプロマット』。2025年の第77回エミー賞では、ドラマシリーズ部門で作品賞と主演女優賞(ラッセル)にノミネートされ、ますます注目が集まっている。
同シリーズのクリエイター兼ショーランナーであるデボラ・カーンは米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに応じ、シーズン2の衝撃的な結末とシーズン3の展開、そしてドラマで政治を描くことの意義を語った。
――シーズン2の終盤では、グレース・ペン副大統領(演:アリソン・ジャネイ)がシリーズ冒頭の海軍攻撃の黒幕だったことが明らかになりました。そのグレースが大統領となり、ケイトとの関係がどうなるのかなど、多くの伏線が残されています。シーズン3はどのような展開になりますか?
シーズン3はまさにその直後のエピソードから幕を開けます。こんな(緊迫感のある)ドラマはこれまで作ったことがありません。シーズン2終盤の勢いを維持したいと思っています。
――現時点で、他になにか明らかにできる情報はありますか?
ジャネイの出番はさらに増え、ブラッドリー・ウィットフォードがその夫役で登場します。
――その2人とはドラマ『ザ・ホワイトハウス』(1999年~2006年)で共に仕事をしましたよね。彼らのためにまた脚本を書くにあたり、どう感じましたか?
まるで20年前に戻ったような感覚で、2人が新しいキャラクターを作り上げていくのを見るのが本当に楽しいです。CJとジョシュ(『ザ・ホワイトハウス』でジャネイとウィットフォードが演じた役)のような感じになるのではと心配していましたが、そんなことはありませんでした。2人は(『ザ・ディプロマット』の中で)すばらしい夫婦関係を演じ、役としても俳優としても互いに切磋琢磨しています。
――配信事業者は、シーズンの間隔は短い方がいいとする傾向があります。『ザ・ディプロマット』も早々にシーズン4の制作が決定しました。スタッフにとっても、勢いを維持できることはやはりメリットでしょうか。
その通りです。なにより嬉しいのは、また視聴者が観てくれるということでしょう。(シリーズの続編を作るときは)同じスタッフとキャストを揃えることが重要です。シーズンの間隔が短ければ、スタッフとキャストも引き続き参加しやすくなります。
――現在の政治情勢は、『ザ・ディプロマット』の配信が始まった頃とは大きく異なります。現実の政治情勢はドラマ制作のアプローチに影響しますか?
まず、この業界の人たちは政府のために馬車馬のように働き、数千人規模で解雇されるケースもあります。このような人々を描く機会を得られたことに心から感謝しています。彼らの仕事に敬意を表することはとても大切です。実際にドラマを観てくれた外交官と話をすると、「このドラマが放送されて嬉しい。外交官の仕事を両親が理解してくれるようになった」と言ってくれました。「外交官の仕事がいかに重要か、認めて伝えてくれてありがとう」というメッセージも届きます。そう言ってもらえると、本当に感動します。
それと同時に、責任も感じています。政治を描く際には、常に最新の政治情勢を念頭に置かなければなりません。とはいえ、現実で起こっていることに直接言及したり、実際の人たち(外交官や政治家)について語ったりしたいわけではありません。むしろ理想や、理想通りに政治が機能していくための方法を伝えたいのです。なぜなら(ドラマの中では)政治がうまく機能している様子だけでなく、崩壊していく様子も描くからです。ドラマは独自のシステムを築き、現実の政治には巻き込まれないようにしたいと思っています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
【関連記事】
- Netflix『ザ・ディプロマット』、シーズン2配信前にシーズン3決定
- 第77回エミー賞(2025)ノミネート一覧:Apple TV+『セヴェランス』が最多27部門で独走!『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』ほか話題作が大激戦
- 【最新】Netflixで一気見!おすすめドラマ特集|話題の韓国ドラマ『おつかれさま』ほか、2025年の新作から隠れた傑作まで必見の20本を厳選
- 『007』歴代ジェームズ・ボンド6人まとめ|新ボンド役候補の最新情報も紹介
- 【2025年8月最新】Amazonプライムビデオ新作おすすめ映画5選|アカデミー受賞作から感動の話題作まで