喜劇王チャップリンの知られざるルーツに迫る!映画『チャップリン』ジョニー・デップ登場の本編映像&監督コメント解禁
喜劇王チャーリー・チャップリンのルーツに、これまでにない角度から迫るドキュメンタリー映画『チャップリン』が、2025年12月19日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国で順次公開される。このたび、俳優のジョニー・デップが登場する本編映像、チャップリンの息子と本作の監督を務めた孫のカルメンのコメントが到着した。
チャップリンに関する作品は数多く制作されてきたが、本作はチャップリン家が全面協力し公認した唯一のドキュメンタリー。製作を担当し、劇中で父の足跡を辿るのは、息子マイケル・チャップリン。監督を務めるのは孫のカルメン・チャップリンという、まさに家族が紡ぐチャップリンの物語となっている。

▼チャップリンが誇りに思っていたロマのアイデンティティ

本作で初めて明かされるのは、チャップリンがロマの血を8分の1引き、そのことを誇りに思っていたという事実。ドタバタ喜劇に庶民の哀愁や社会風刺を巧みに組み込んだチャップリンの作品世界には、笑いの中にさみしさや孤独を抱え、社会で弱い立場の人に寄り添う心優しさが常に存在してきた。そんな放浪紳士のキャラクターに垣間見えるのが、ロマのアイデンティティなのである。
極貧の少年時代からアメリカを追放されスイスで過ごした晩年まで、映画の神様チャップリンの人生を、ロマのルーツという新たな視点から描き出す本作。『ドクトル・ジバゴ』などで知られる娘ジェラルディン・チャップリンも出演し、家族ならではの視点でチャップリンの真の姿に迫っていく。
▼ジョニー・デップが語るチャップリンとロマの深いつながり
解禁された本編映像では、チャップリンを敬愛する俳優ジョニー・デップがチャップリンのルーツであるロマについて語るシーンが公開された。デップは以前、チャップリンの作品について「放浪紳士は心が優しく、根っこから純粋でありながら、ワルな一面も持っています」と魅力を語っている。
デップ自身も『妹の恋人』でチャップリンが『黄金狂時代』で披露する「パンのダンス」をオマージュしたほか、『ショコラ』と『耳に残るのは君の歌声』でロマの青年を演じるなど、チャップリンとロマの両方にゆかりのある人物である。映像では、ロマの人々がかつて生活していたトレーラーハウスを所有するデップが「このトレーラーハウスに来ると、心が落ち着きます」と微笑みながら話す様子が映し出される。また、チャップリンの息子マイケルがその場所を訪れ、2人はロマのルーツを辿りながら語り合っていく。
▼息子マイケルが明かす父との葛藤と和解の物語

さらに、チャップリンの息子マイケルと監督を務めた孫のカルメンからコメントが届いた。
本作で父の足跡を辿るマイケルは、世界的大スターを父に持つ苦悩を率直に語る。「どうしても父と自分を切り離して考えられませんでした。私は結局父の名声のおかげ。そんな思いから必死に逃れようとしました」と明かした上で、「私が父の陰から抜け出すことができたのは、ロマのおかげだと確信しています」と、ロマが父子にとっていかに重要な意味を持つかを語った。
監督を務める孫のカルメンは、ルーマニアで目にしたロマの子どもたちの姿が祖父の映画『キッド』と重なったと振り返る。「祖父の伝説的なキャラクター“放浪紳士”は、暗い世の中を照らす希望の光でした。祖父は様々な階級や職業の人々を魅了し、自分の子どもたちにも情熱と創造的自由を体現するインスピレーションを与えました」とコメントを寄せた。

映画『チャップリン』は、2025年12月19日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国で順次公開。
コメントの全文は下記の通り。
■マイケル・チャップリン(チャップリンの息子):
「私は若いころずっと父から逃げていました。父は私には巨大すぎる存在でいつも及び腰になっていたのです。自分では認めたくなかったので、虚勢を張って気の弱さを隠していました。自分をごまかしていたのです。しかし、私が本当に逃げていたのはどこに行ってもついて回る父の名声です。どうしても父と自分を切り離して考えられませんでした。私は結局父の名声のおかげ。そんな思いから必死に逃れようとしました。 父はとっくの昔に亡くなりましたが、私が父の陰から抜け出すことができたのは、ロマのおかげだと確信しています。父のロマとしてのルーツを示す手がかりや父がスクリーンの中で演じてきたキャラクター“放浪紳士”を深く追求しました。そして、父が心の中に秘め、時には自慢さえしていたロマの人々の足跡を辿ろうと思ったのです」
■カルメン・チャップリン(監督/チャップリンの孫):
「数年前、映画の撮影でルーマニアのブカレストに行った時、人々に無視され、警察に迫害されているロマの子どもたちを見かけました。食べ物を探し、警察から怯えながら逃げ惑う孤児たちの姿に衝撃を受けました。それはまるで祖父チャーリー・チャップリンの映画『キッド』から飛び出してきたかのようだったのです。 祖父の母ハンナは、ロマのルーツを老年まで隠していましたが、亡くなる3年前、祖父が36歳の時に、そのことを打ち明けました。彼の祖先のルーツを辿るこの事実は、祖父にとって新しい発見であり、大きな意味を持っていました。祖父は異端者であり、ロマの伝統を大切にしていた開拓者でした。彼にとってこのルーツは、貧困に苦しんだ自身の幼少期に尊厳を与え、母と弟と共に耐え忍んだ過酷な苦しみに夢と魔法をもたらしたのです。 祖父の伝説的なキャラクター“放浪紳士”は、暗い世の中を照らす希望の光でした。祖父は様々な階級や職業の人々を魅了し、自分の子どもたちにも情熱と創造的自由を体現するインスピレーションを与えました。本作では、チャーリーの息子で私の父マイケル・チャップリンによる歩みを通して、あまり知られていない私たち家族のロマのルーツを明るみにし、その文化によって祖父がどのように芸術家一家を生み出したのかに迫ります。チャップリンの物語はこれまで何度も語られてきましたが、共同脚本に参加するなかで、私は父マイケルの視点から個人的なアプローチをしたいと考えたのです」
<映画『チャップリン』作品情報>
- 出演:マイケル・チャップリン、ジェラルディン・チャップリン、ジョニー・デップ、トニー・ガトリフ、エミール・クストリッツァ、ストーケロ・ローゼンバーグ、リタ・カベルト、ファルキート
- 監督:カルメン・チャップリン
- 音楽:ナサニエル・メカリー
- 撮影:ケネス・オリベ
- 編集:フーリア・フアニス
- 2024年/90 分/スペイン・ベネルクス・イギリス・フランス/原題:CHAPLIN SPIRIT OF THE TRAMP
- カラー&モノクロ/5.1ch/1.85:1/日本語字幕:渡邉一治
- 配給:アンプラグド unpfilm.com/chaplin X:@chaplindoc2025 #映画チャップリン
©The Caravan Trail, A.I.E, Kwanon Films Limited, and Submarine Sublime 2024
Charlie ChaplinTM © Bubbles Incorporated S
記事/和田 萌

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