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実写版『リロ&スティッチ』が大ヒット!スティッチの世界的人気の理由を徹底分析|ディズニーならではのビジネスモデルとは

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スティッチの世界的人気の理由を徹底分析、実写版『リロ&スティッチ』より
スティッチ、実写版『リロ&スティッチ』より 写真:Walt Disney Studios Motion Pictures/Courtesy Everett Collection
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ディズニーの実写映画『リロ&スティッチ』の全世界興行収入は10億4,000万ドル(約1,627.4億円)を突破し、2025年の全世界興収ランキング第3位に立った。9月にディズニープラスで配信が開始されると5日間で視聴数1,430万回(実写映画として歴代2位)を突破した。同作は続編の制作も決定している。

本作はアニメーション映画『リロ&スティッチ』シリーズ(2002年~)の実写版リメイクだ。アニメ版を観て育った多くのミレニアル世代が、その子どもたちに新たなスティッチの魅力を伝えたことになる。ディズニーによれば、同アニメシリーズのディズニープラスにおける視聴時間は、6億4,000万時間超を記録している。

誕生から20年以上も経つ人気キャラクターのスティッチは、なぜここまで人気が爆発したのだろうか。本記事ではその理由を探っていく。

リロ&スティッチが人気の理由――映画・テーマパーク・グッズが連動

アニメーション映画『リロ&スティッチ』(2002年)
アニメーション映画『リロ&スティッチ』(2002年) 写真:Walt Disney/Courtesy Everett Collection

スティッチの人気爆発には、ディズニーならではの要因が関係している。テーマパークの運営、テレビ放送、音楽やグッズの発売などの形で作品を展開させ、あらゆる面からファンがアクセスできる手法が確立されている。スティッチはその最たる成功例の一つだ。

2002年にアニメ映画『リロ&スティッチ』がヒットした直後、ディズニーはフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにアトラクション「スティッチのグレート・エスケープ!」をオープンした。

スティッチのグッズは映画初登場時から販売されているが、実写版リメイクによってさらに人気が高まっている。ディズニーによると、スティッチグッズの2025年度売上高は40億ドル(約6,259億円)を突破した。

さまざまなスティッチのぬいぐるみ
さまざまなスティッチのぬいぐるみが発売されている 写真:Disney

ウォルト・ディズニー・カンパニーのチーフ・ブランド・オフィサーであるアサド・アヤズは、米『ハリウッド・リポーター』に以下のように語った。

「長く愛されているディズニーキャラクターたちに共通するのは、『面白くて少しやんちゃだが、最後には正しい行動を取る』ということです。スティッチはまさにそのようなキャラクターでした。彼はいたずら好きで、明らかな短所もありますが、いつも最善を尽くそうとします。そのリアルさと親近感こそ、世代を超えて共感を集めた理由でしょう」

アヤズによれば、アトラクションやグッズなどのタッチポイントは全て「スティッチとファンの結びつきを強化するもの」だ。「実写映画の成功により、原作のアニメシリーズをディズニープラスで観る家族が増えています。贈り物を通じて絆を深めてくれるのがグッズ、その愛情を永遠の思い出へと変えてくれるのが、テーマパークでの体験です」

実写版『リロ&スティッチ』のワールドプレミアに登場したスティッチとアサド・アヤズ。2025年5月17日
実写版『リロ&スティッチ』のワールドプレミアに登場したスティッチとアサド・アヤズ。2025年5月17日 写真:Alberto E. Rodriguez/Getty Images for Disney

ディズニーのCEOであるボブ・アイガーは11月、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙のアナリストに対し、「スティッチの世界的ブームが示すものは、同シリーズの根強い人気と、注目のシリーズやキャラクターを中心に投資する戦略が成功したということです」と説明した。

つまり、映画は一種の「イベント」、テーマパークのアトラクションは「体験」、そしてストリーミングサービスや新グッズの発売は1年を通じて「ファンへのエンゲージメント」を提供するものだ。さまざまなエンターテインメント企業が肩を並べる中、現在のところ、このビジネスモデルが真に機能しているのはディズニーだけである。Netflixパラマウントワーナー・ブラザースを欲しているのも、このビジネスモデルを構築するためだろう。

スティッチが世代と国を超えて愛される理由とは?

多くの映画やアニメ、そしてキャラクターが溢れる現在、スティッチほど強力なIP(知的財産)は希少だ。スティッチは今や、ミッキーマウスに匹敵する人気を誇っている。

ディズニーは毎年、支援を必要とする人々のために世界中を巡って寄付を募る「ホリデー・マジック・ツアー」を開催している。昨年はミッキーマウスがこのツアーを率いたが、今年はスティッチがその役を務めた。スティッチは全米20以上の都市を巡り、子どもたちにさまざまなサプライズを届けた。

このツアーの一環として現地時間12月10日(水)、スティッチはブロードウェイミュージカル『アラジン』のステージに登場した。ジーニー役のケイレブ・バーネットは、魔法のランプを手にしてステージ前方へ進むと、「たった今、スティッチがブロードウェイで目撃されたという報告を受けました。落ち着いてください」と観客に語りかけた。

ブロードウェイミュージカル『アラジン』の舞台に登場したスティッチ
ブロードウェイミュージカル『アラジン』の舞台に登場したスティッチ 写真:Disney/Rebecca J. Michelson

するとスティッチがステージ上の箱から飛び出し、「観客の皆さん、こんにちは!」と言った。スティッチは大量の紙吹雪を降らせて「ホール・ニュー・ワールド」を歌い、観客におもちゃの寄付を呼びかけた。

アヤズは「ディズニーは社会に貢献してきた長い歴史があります。スティッチに社会貢献してもらうことは自然な流れでした」と説明する。

最後にアヤズは、スティッチというキャラクターの魅力を改めて語った。

「スティッチは愉快で不完全だからこそ、人々の心を掴むのです。私たちは試行錯誤してつまずきながらも、必ず『オハナ(家族)』へと帰っていくでしょう。遊び心あふれる彼のいたずらは、私たちがこの世界で生きる方法を反映しています。そのリアルさが、スティッチが共感を呼ぶ理由です。スティッチがどんな文化圏や言語圏でも受け入れられているのは、人々がスティッチを家族の一員のように感じているからです」

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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