伝説の画家デヴィッド・ホックニーが死去、88歳 現代美術の巨匠
20世紀から21世紀の現代美術界を牽引し続けた英国の伝説的芸術家、デヴィッド・ホックニーが死去した。88歳だった。広報担当者がBBCニュースに出した声明によると、ホックニーは現地時間6月11日、89歳の誕生日の1か月前に自宅で安らかに息を引き取ったという。死因は明かされていない。
▼現代美術の巨匠デヴィッド・ホックニーの功績とLAでの躍進
デヴィッド・ホックニーは、絵画のみならず写真やリトグラフなど、多岐にわたる技法で作品を生み出し、美術界に多大な影響を与えてきた。
1960年代から70年代にかけて台頭したホックニーは、自身の代名詞とも言える「プール」を描いたポートレート作品で脚光を浴びる。1964年に自宅を構えた米ロサンゼルスの地で、瞬く間にポップアートのスーパースターとしての地位を確立した。また、時代の変化や新しいメディアを恐れることなく作品に取り入れる先駆的な姿勢でも知られ、近年ではiPadを駆使したデジタルアートでも新たな才能を発揮し、若い世代からも注目を集めていた。
▼存命アーティストの最高落札額を記録した名作
ホックニーの市場における評価は極めて高く、2018年にはオークション史に残る快挙を成し遂げている。鮮やかなグリーンとブルーのコントラストが目を引く1972年の名作『芸術家の肖像画(2人の人物のいるプール)』が、ニューヨークで開催されたオークションにて約100億円で落札された。これは当時の存命中アーティストの作品としては史上最高額を記録し、世界的なニュースとなった。
英ヨークシャーのブラッドフォードで育ったホックニーは、地元のウェリントン・プライマリー・スクールを経て、名門ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(王立美術院)に進学し、その才能を磨いた。在学中に出展した展覧会「ニュー・コンテンポラリーズ」は、英国におけるポップアートの幕開けを告げる象徴的なイベントとなり、初期に見せた表現主義的なスタイルは、20世紀を代表する巨匠フランシス・ベーコンとも比較されるなど、早くから非凡な才能を現していた。
近年は精力的に活動を続ける一方、2018年公開のドキュメンタリー映画『大英博物館プレゼンツ 北斎』にも出演。葛飾北斎の芸術的遺産について語るなど、日本文化への関心も示していた。時代やジャンルの垣根を越えながら創作を続けたホックニーの功績は、今後も世界中のアーティストやクリエイターに影響を与え続けるだろう。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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