是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』US版予告編が解禁――米配給はヒット作連発のNEON
是枝裕和監督の最新作『箱の中の羊(英題:Sheep in the Box)』のUS版予告編が解禁された。同作は先月の第79回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、現在全国で公開中。アメリカではNEONが配給を担当し、7月24日(金)にニューヨークとロサンゼルスで公開された後、全米へ拡大公開される。
本作は是枝監督の長編17作目にして初の本格SF映画だ。亡くなった息子をAI搭載ヒューマノイドとして再現し、家族として迎え入れる日本人夫婦を描いている。
US版予告編では、少年が両親と公園で遊び、庭に木を植える姿や、ベッドで『星の王子さま』を読みながら寄り添う姿が映し出される。どれも温かく自然な光景に見えるが、夜になると少年は布団に入る代わりに充電ステーションへ向かい、静かに電源を落とす。そして背中にある小さなボタンが、不気味な青い光を放ち始める。
物語の舞台は、近未来の日本。ドローンが荷物の配送を担い、車はすべて電気自動車となり、生成AIが生活全体に浸透している世界だ。
建築家の音々(おとね、演:綾瀬はるか)と、大工として働く夫・健介(演:大悟)は、幼い息子を亡くした悲しみを抱えて生きていた。そんな2人は、喪失を経験した家族向けのサービスを提供する新興ロボティクス企業から声をかけられる。
その企業は、故人の写真や映像、さまざまなデジタルデータをもとに、AI搭載ヒューマノイドを製作するサービスを提供している。やがて、亡き息子を再現したヒューマノイドが、大きな箱に入れられた状態で自宅へ届けられる。
こうした設定は、別の監督の手にかかれば『ブラック・ミラー』(2011年~)を思わせるディストピア的な物語になっていたかもしれない。しかし、予告編からも分かるように、本作には静謐で幻想的な雰囲気が満ちている。是枝監督は、AIが人間関係にもたらす可能性を、より穏やかで人間味あふれる視点から見つめているのだ。
是枝監督はカンヌ国際映画祭の開幕前に行われた米『ハリウッド・リポーター』誌のインタビューで、次のように語っている。
「AIやアンドロイドが進化するにつれて、彼らは人間性そのものを超えていくのではないかと思っています。やがて彼らは、もっと大きな何かとつながりたいと願うようになるはずです」
本作では、是枝監督が脚本・監督・編集を担当。撮影監督は、『万引き家族』(2018年)や『怪物』(2023年)でもタッグを組んだ近藤龍人が務めた。
製作はフジテレビ、ギャガ、東宝、AOI Pro.が担当。アメリカ配給を担うNEONは近年、カンヌ国際映画祭で注目を集めた作品を次々と手がけてきた。海外セールスはギャガとグッドフェローズが担当している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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