ホーム » MOVIES » 巨大クジラの胃袋へ!映画『クジラに落ちた男』監督が語る、壮絶舞台裏

2026年最大級の衝撃作!映画『クジラに落ちた男』監督が語る、前代未聞の極限サバイバルへの挑戦「人生で一度の過酷な経験」

/
オースティン・エイブラムス、『クジラに落ちた男』より 写真:Jennifer Clasen/20th Century Studios
スポンサーリンク

全長18メートル、体重45トンの巨大クジラに、生きたまま飲み込まれた男──。

20世紀スタジオが放つ新作『クジラに落ちた男』が10月16日(金)に劇場公開される。クジラの胃袋という極限の閉鎖空間を舞台にした、前代未聞のサバイバル・スリラーだ。残された酸素はわずか1時間。生存率0%の絶望のなか、主人公ジェイは父から授かった知識だけを頼りに命がけの脱出に挑む。

映画『クジラに落ちた男』特報|10月16日劇場公開

海外での特報解禁時には、その圧倒的なスケールとリアルな恐怖で瞬く間に世界中のメディアを震撼させ、「2026年にもっとも期待すべき映画」へと躍り出た。

「スタッフ全員が『これまでで一番キツい仕事だった』と口をそろえた」と語るブライアン・ダッフィールド監督。過酷すぎる撮影の舞台裏、そして主演オースティン・エイブラムスによる熱心な役作り――10月16日(金)の劇場公開を前に、その規格外の全貌を明かす貴重なインタビューをお届けする。

▼映画『クジラに落ちた男』ブライアン・ダッフィールド監督インタビュー

ブライアン・ダッフィールド監督
ブライアン・ダッフィールド監督 写真:Michael Buckner/ PMC Getty Images

──今回の特報は、映画の見せ場に観客をいきなり放り込むような、すばらしい手法ですね。

ブライアン・ダッフィールド監督(以下、ダッフィールド):ディズニー側もこのアイデアを面白がってくれました。実は、クジラに飲み込まれるシーンは映画の最初の15分以内に起こるんです。特報のほぼすべてが、その冒頭だけの映像で構成されています。

普通ならクライマックスになる展開ですが、この作品では「ここからあと1時間以上あるぞ」という宣言なんです。あれは物語のほんの始まりに過ぎません。(主人公の)ジェイがクジラの喉に吸い込まれた後も、映画はまだまだたっぷり続きますよ。

■「本物の危険」に満ちていた?“クジラの体内”の過酷な撮影

──海での撮影に対して、巨匠スティーヴン・スピルバーグは「絶対にやめろ」と助言することで有名ですが、その理由はわかりましたか?

ダッフィールド: 面白いことに、ボートを使って実際の海で撮ったパートは、今回の撮影のなかでぶっちぎりで「一番楽な部分」だったんですよ(笑)。ロサンゼルスで撮影したこともあり、世界最高のスタッフが集まってくれました。船のシーンはCGを使用せず、すべて本物の水の上で撮っています。

本当に地獄だったのは、クジラの「体内」のシーンです。スタッフ全員が「これまでのキャリアで間違いなく一番キツい仕事だった」と言っていました。『ジョーズ』の撮影より大変だったとは言いませんが、クジラの胃袋の内部を再現して撮影するというのは、信じられないほど奇妙で過酷な課題の連続でした。もう二度とやりたくありませんが、人生で一度経験できて良かったです。

オースティン・エイブラムス、『クジラに落ちた男』より 写真:20th Century Studios
オースティン・エイブラムス、『クジラに落ちた男』より 写真:20th Century Studios

──主演のオースティン・エイブラムスはかなりの苦行を強いられたように見えますが、スタントはどこまで本人が?

ダッフィールド: オースティンは、本当にすばらしいガッツの持ち主でした。特報のカットも、本編の6分間のシークエンスも、クジラの体内のシーンも、映っているのはすべてオースティン本人です。もちろん、スタントパフォーマーのすばらしい技術やCGも駆使していますが、劇中のスタントの95%以上はオースティン自身が演じています。

クジラの体内は極限の狭い空間で、身を隠す場所なんてありません。彼がクジラの胃袋のなかでじっと座っているだけのシーンでさえ、実は一種のスタントなんです。セットが回転台の上に組まれていて、胃の壁を表現するために機械駆動パーツが四方八方から動いているからです。常に本物の危険と隣り合わせでしたが、彼が一度も怪我をしなかったのは、スタントコーディネーターのすばらしい手腕のおかげですね。

オースティン・エイブラムス
オースティン・エイブラムス 写真:Cindy Ord/Getty Images

オースティンは、数週間前に行ったアフレコのセッションでも、常に100万%の力を出し切っていました。スタジオ中を走り回り、叫び、テイクを最高のものにするために全力を尽くすんです。「もっとうまくできる」と言って何度もリテイクを志願してくる、本当に底知れないパワーを持った役者ですよ。

■科学的なリアリティと、極限状態で響き合う父子のドラマ

ブライアン・ダッフィールド監督(左)、原作者・脚本のダニエル・クラウス 写真:@briancduffield / Instagram
ブライアン・ダッフィールド監督(左)、原作者・脚本のダニエル・クラウス 写真:@briancduffield / Instagram

──本作の科学的設定はかなり正確だそうですね。原作者のダニエル・クラウスは徹底的にリサーチを行い、マッコウクジラが獲物を噛まずに丸呑みし、複数の胃で時間をかけて消化する点も反映しているといいます。

ダッフィールド: そうなんです。人間がマッコウクジラに呑み込まれる可能性は実際にあります。面白いことに、観客が「これはフィクションの嘘だろう」と思うような部分ほど、実は科学的に正しい事実だったりするんですよ。

もちろん映画としての脚色はありますが、多くのクジラの専門家と協力して、正確に描写するよう努めました。マッコウクジラの内視鏡検査なんて誰もやったことがありませんが、可能な限りの科学的知見をつめ込んでいます。

ただ、映画ではあえてそれを説明的なセリフにはしていません。原作小説のようにジェイがモノローグで状況を解説するわけではないので、観客の皆さんには、映像やジェイが時折発する短い言葉から状況を察してもらうことになります。科学的なリアルさを追求した結果、観客を本気で怖がらせることになってしまったら申し訳ないですね(笑)。

ジョシュ・ブローリン、『クジラに落ちた男』より 写真:20th Century Studios
ジョシュ・ブローリン、『クジラに落ちた男』より 写真:20th Century Studios

──物語は、クジラの体内でのサバイバルと、回想される父子の複雑な関係という2つの軸で描かれるのでしょうか?

ダッフィールド: ええ。最初は切り離された2本の線ですが、やがて1つの太い線へと収束していきます。これは人間が経験しうる究極の「生か死か」の状況です。ジェイが残された時間を肉体的にカウントダウンしていく展開は、名作『グリーンマイル』のような要素もあります。

クジラの胃袋のなかには、格好をつける相手もいませんし、感情を隠す必要もありません。誰も見ていない空間だからこそ、そこで湧き上がる感情はすべて本物です。ジェイは「どう生き延びるか」という肉体的試練に直面しながら、心の傷とも向き合うことになります。クジラに呑み込まれた瞬間、彼はある意味、自分自身の「死に床」にいるようなもの。死を前にして、過去の確執や人生に思いを馳せるのです。

肉体的な戦いと精神的な葛藤が織り交ざり、映画の後半では文字通り1つの要素になります。このエモーショナルな旅路を劇場で見届けてもらうのが、今から楽しみでなりません。この映画の核心は「失った大切な人とどう和解し、心の平和を取り戻すか」であり、主演のオースティンと父親役のジョシュ・ブローリンは、本当に美しく演じきってくれました。

■「映画館でしか味わえない最高の体験」監督が劇場公開にこだわった理由

──監督にとって、本作は満を持しての初の劇場大規模公開作品となりますね

ダッフィールド: ええ。ようやく、映画館でがっつりと味わってもらえる作品を届けられます。

オースティン・エイブラムス、『クジラに落ちた男』より 写真:20th Century Studios
オースティン・エイブラムス、『クジラに落ちた男』より 写真:20th Century Studios

──前作『誰も助けてくれない』は配信限定でしたが、今回は映画館という空間にこだわったのですね。

ダッフィールド: 20世紀スタジオの製作トップであるスティーヴ・アスベルとは大親友になり、いつも「映画館でしか味わえない最高の体験」について熱く語り合っています。最近ヒットしている作品の多くは、まさにそうしたこだわりから生まれていますよね。

僕自身、この『クジラに落ちた男』のような映画は一度も観たことがありません。圧倒的なスペクタクルや閉塞感だけでなく、原作の持つドラマの深みと果敢な挑戦があるからです。

観客の皆さんが、この狂気に満ちた刺激的な旅に僕らと一緒に飛び込んでくれることを願っています。何より、このような映画を作らせてくれたことに心から感謝しています。

映画『クジラに落ちた男』は、10月16日(金)より劇場公開。

<『クジラに落ちた男』作品情報>

■原題:Whalefall ■原作:ダニエル・クラウス『クジラに落ちた男』(東京創元社)
■監督:ブライアン・ダッフィールド 
■脚本:ブライアン・ダッフィールド、ダニエル・クラウス
■キャスト:オースティン・エイブラムス、ジョシュ・ブローリン、エリザベス・シュー
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
■公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/whalefall

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

ザ・ハリウッド・リポーター・ジャパンで最新ニュースをゲット

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿