ハリウッドでLGBTQ表現が激減?カナダ発クィア映画の監督が語る「政治に負けない表現の自由」
カナダで新作トランスジェンダー映画『Rocket Fuel(原題)』の撮影が進むなか、メガホンを取るジェシー・ポスチュマス監督は、米国でLGBTQ+表現が激減している現状へ強い危機感をあらわにした。
▼多様性を重んじるカナダの映画界と、後退する米国のLGBTQ+表現

米国のLGBTQ+権利擁護団体「GLAAD」の最新調査によると、長編映画におけるクィアキャラクターの数は3年連続で減少しており、ハリウッドにおける多様性の衰退が浮き彫りとなっている。ポスチュマス監督は「憎悪に満ちた政治的レトリックのせいで、コミュニティを支持し保護するという点において私たちは後退しています。ですが、だからといって私たちが存在しなくなったわけではありません」と、厳しい現状に警鐘を鳴らす。
こうした米国の動きとは対照的に、カナダの映画界はクィア表現への支援を崩していない。ポスチュマス監督は「カナダの助成金システムは、何よりも個人的な視点を重視してくれるため、私たちは幸運です。今まさに政治的な対立点になっているからという理由だけで、こうした視点が後回しにされることはないのです」と語り、表現の自由が守られている自国の環境を称賛した。
▼瑞々しいクィアの子ども時代を描く『Rocket Fuel』の物語
映画『Rocket Fuel(原題)』は、自身もクィアであるポスチュマス監督が2022年に発表した同名の短編映画をベースにした成長物語。舞台は2005年の夏、オンタリオ州の小さな町。13歳の主人公ノーラが、初めての仕事をこなしながら、幼い弟と妹の面倒を見る責任と向き合う姿を瑞々しく描き出す。
【画像】短編映画『Rocket Fuel(原題)』ポスター
クィアの子ども時代という繊細なテーマに光を当てる本作について、監督は、自身が手がけるインディーズ映画こそが「クィアの若者たちを守り、コミュニティに存在する喜びのすべてを世に示すための鍵である」と言い添えた。
▼『シッツ・クリーク』に続く、カナダ発クィア作品の新たな系譜

本作は、世界的な大ヒットを記録したコメディドラマ『シッツ・クリーク』や、トランスジェンダーを題材にしたシットコム『Sort Of(原題)』など、物語の中心にクィアキャラクターを据えたカナダ発の大ヒット作の系譜に連なる作品として期待を集めている。
さらに制作陣は、新人育成プログラム「ザ・トランス・フィルム・メンターシップ(TFM)」とパートナーシップを締結。2020年のジョージ・フロイド殺害事件を機にカナダ映画界が掲げた「人種やジェンダーを超えた多様な声を育てる」という約束を体現する、新世代のアートハウス映画として名乗りを上げている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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