ジェームズ・キャメロン、3D技術企業Outsydersを買収 AIを活用した映像制作をさらに強化
ジェームズ・キャメロン率いるライトストームビジョン(Lightstorm Vision)が、AIを活用した3Dポストプロダクション企業Outsydersを買収した。『アバター』シリーズなどで3D映像の可能性を追求してきたキャメロンが、3Dコンテンツの撮影・制作から処理、ポストプロダクション、納品までを一貫して手がける体制の構築を目指す。
ジェームズ・キャメロン、3D技術企業Outsydersを買収
映画監督のジェームズ・キャメロンが率いるライトストームビジョンが、3Dポストプロダクション企業Outsydersを買収した。契約の詳細は明らかにされていないが、Outsydersは今後、ライトストームビジョンの一部門として、3Dコンテンツの制作からポストプロダクションまでを一貫して担うことになる。
ポール・ベッカー、ジャレッド・サンドリュー、クリス・ハーヴェイによって設立されたOutsydersは、AIや機械学習を活用した3D変換など、イマーシブコンテンツの制作技術を手がけるクリエイティブ・テック企業。これまでにIMAX作品『ブルーエンジェルス(原題:Blue Angels)』やディズニーの『リロ&スティッチ』『モアナと伝説の海』などに携わってきたほか、キャメロンとはパラマウント・ピクチャーズによるビリー・アイリッシュのコンサート映画『ビリー・アイリッシュ – HIT ME HARD AND SOFT : THE TOUR (LIVE IN 3D)』で協業している。
ライトストームビジョンは、キャメロンが長年培ってきた3D技術を映画だけでなく、テレビ、スポーツ、コンサート、ドキュメンタリーなど幅広い映像分野へ展開することを目指している。同社の公式サイトでも、従来の2D制作と同じように3Dコンテンツを制作できる環境の実現を掲げている。
キャメロンは今回の買収について、「ライトストームではポール・ベッカーと彼のチームと約2年間にわたって仕事をしてきた。非常に楽しい協業だった」とコメント。「私は3Dに対して非常に厳しい目を持っていることで知られているが、彼らの仕事とAIツールは世界最高水準だと自信を持って言える」と評価している。
さらに、「コンバージョンによる3D化と、撮影段階から立体映像を捉えるネイティブ3Dという2つの領域を融合し、制作会社やスタジオに向けて、3D制作の最初から最後までをカバーするソリューションを提供する」と説明した。
3D制作の時間やコストを削減、過去作品の3D化にも期待
今回の統合によってライトストームビジョンが目指すのは、3Dコンテンツの撮影・制作にかかる時間やコスト、作業の複雑さを抑えることだ。
OutsydersのCEO兼共同創業者ポール・ベッカーも、「私たちは常にジム(キャメロン)の3Dに対するビジョンを共有してきた」とコメント。キャメロンとの協業を通じて、両社の技術を組み合わせることが3Dのさらなる発展につながると判断したとしている。
またライトストームビジョンが注目しているのが、すでに存在する映画やテレビ作品のライブラリーだ。膨大な過去作品を比較的低コストで3Dコンテンツへ変換できれば、新たな市場を開拓できると見込んでいる。
キャメロン率いるライトストームビジョンは2024年、Metaと複数年にわたる提携を発表し、Meta Quest向けの3Dエンターテインメントコンテンツの制作・展開を進めると発表した。今回の買収によって、スタジオが保有する映画やテレビ作品を3D化し、Meta Questをはじめとする没入型デバイス向けのコンテンツとして提供する可能性も広がる。
なお、ライトストームビジョンは2026年6月にも、3Dカメラ技術を手がけるドイツ企業Stereotecを買収している。Stereotecの技術を3D制作の撮影段階に組み込むことで、撮影から処理、納品までを一貫したワークフローに統合する狙いがある。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
【関連記事】
- 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』配信中!視聴方法・あらすじ・続編情報まとめ
- 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』VFXチームが撮影舞台裏を明かす│ジェームズ・キャメロンのこだわりから続編の展望まで
- 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』はこうして撮られた ジェームズ・キャメロンが明かす撮影方法と最新技術
- ビリー・アイリッシュ“世界最高峰ライブ”が3D映画化!ジェームズ・キャメロンと創る圧巻ステージ体験、2026年3月公開へ
- “ライブの中に入る”衝撃体験 ビリー・アイリッシュ3D映画が公開
