米『ハリウッド・リポーター』の批評家が選ぶ2023年のTVシリーズベスト10を大発表！

2023年は、テレビにとって変化の年だった。

「ピークTV」時代は異例の脚本家・俳優組合同時ストと交わり、終わりを迎えた。結果的に新作ドラマのリリースは停滞気味となったが、今まで以上に台本なしの作品やグローバルなコンテンツが存在感を放っていた。

さらに今年、これまで高い評価を得てきたドラマ『メディア王〜華麗なる一族〜』、『バリー』、『テッド・ラッソ: 破天荒コーチがゆく』が一斉に幕を閉じることとなった。

2024～25年のテレビ界の様相は、「今までとは違った」ものになるだろう。というのも、『ベター・コール・ソウル』や『アトランタ』といった数多くの傑作が終了した現在もなお、非常に良質な作品は誕生しているのだ。

しかしながら、今年のトップ10と選外佳作を合わせた20作品は、上位3作品+その後に続く17作品といった具合になった。厳密に言えば、2位と3位の間にも差がある。2023年はこれまで以上に良い作品が登場したが、ここ数年ほどの傑作はみられなかったかもしれない。（ダニエル・フィーンバーグ）

ダニエル・フィーンバーグのトップ10

1.『Reservation Dogs』 (FX/Hulu)
2.『メディア王〜華麗なる一族〜』(HBO)
3.『BEEF/ビーフ』(Netflix)
4.『レスラーという生き方』(Netflix)
5.『僕は乙女座』(Amazon)
6.『Dark Winds』(AMC)
7.『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』(Netflix)
8.『一流シェフのファミリーレストラン』(FX/Hulu)
9.『パドマと出会うアメリカの味』(Hulu)
10.『THE LAST OF US』(HBO)

選外佳作: 『Bupkis』(Peacock)、『カンク・オン・アース〜フィロミナ・カンクとお勉強』(Netflix)、『デイブ』(FXX)、『戦慄の絆』(Amazon)、『デッドロック～女刑事の事件簿～』(Amazon)、『FARGO/ファーゴ』(FX)、『ハッピー・バレー』(AMC+, Acorn TV, BBC America)、『ニューヨーカーの暮らし方/HOW TO WITH JOHN WILSON』(HBO)、『Telemarketers』(HBO)、『ようこそレクサムへ』(FX)

―

今年は、同時ストが夏・秋の公開スケジュールに混乱をもたらした。もし「ピークTV」時代が本当に過ぎ去ったなら、今後もスケジュールが正常化することはないだろう。

2023年のラインナップは、まるで1つの章の終わりのようだ。私が選出した20作品のうち、5作品はファイナルシーズンを迎えた。その他の作品も、どうやら更新されそうにない。でも、それはきっと新たな1ページを意味するはずだ。

時には、今までに観たことがないような新しいビジョンに畏怖の念を感じることもあった。テレビ業界がそのような驚きを生み出せるうちは、本当の意味で「ひどい」テレビの年なんてないと思う。（アンジー・ハン）

アンジー・ハンのトップ10

1.『Reservation Dogs』 (FX/Hulu)
2.『メディア王〜華麗なる一族〜』(HBO)
3.『BEEF/ビーフ』(Netflix)
4.『The Other Two』 (Max)
5.『Mrs. Davis』(Peacock)
6.『Last Call』 (HBO)
7.『一流シェフのファミリーレストラン』(FX/Hulu)
8.『Scavengers Reign』(Max)
9.『Killing It』(Peacock)
10.『サムバディ・サムウェア』(HBO)

選外佳作: 『バリー』(HBO)、『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』(Netflix)、『The Curse』 (Showtime)、『Dreaming Whilst Black』(Showtime)、『ニューヨーカーの暮らし方/HOW TO WITH JOHN WILSON』(HBO)、『僕は乙女座』 (Amazon)、『THE LAST OF US』(HBO)、『舞妓さんちのまかないさん』 (Netflix)、『Poker Face』(Peacock)、『Slip』(The Roku Channel)

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。翻訳／和田萌