ビリー・アイリッシュ、ニッキー・ミナージュ、ケイティ・ペリーがAIに関する公開書簡に署名

ビリー・アイリッシュ、ニッキー・ミナージュ、ケイティ・ペリー、カミラ・カベロらを含む約200人の音楽アーティストを後ろ盾にした「アーティストの権利同盟」が、デジタル音楽開発者に対し「人工知能(AI)を使って人間のアーティストの権利を侵害し、価値を下げることをやめる」よう求める公開書簡を発表した。

この運動は、AIの開発者が許可なく楽曲を使用して「AI模倣」を生成したり、ロイヤリティ義務を薄めるために「AI音」を使用したりしていることに警鐘を鳴らしている。

公開書簡には、サム・スミス、HYBE、ジョン・ボン・ジョヴィ、ノラ・ジョーンズ、パール・ジャム、R.E.M.、チャック・D、ケイト・ハドソンらも署名している。

この動きは、米国がAIの適切な音楽利用とアーティストへの報酬確保のための保護策を検討している中で行われた。

ARAの執行ディレクター、ジェン・ジェイコブセンは「現在でも音楽ストリーミングの世界で働くミュージシャンは収入を確保するのに苦労している。さらにAI生成ノイズの洪水と競争しなければならない負担がかかっている。人間のアーティストを置き換えるための非倫理的な生成AI利用は、アーティストとファンの両方にとって音楽エコシステム全体の価値を下げてしまう」と声明で述べた。

AIの台頭により、開発者は人気アーティストのボーカルサンプルを使って、そのアーティストが知らずに許可も与えていない状態で、まるでそのアーティストが歌っているように聞こえる新曲を生成できるようになった。

「責任を持ってAIを使えば、人間の創造性を前進させる可能性は非常に大きく、音楽ファンのためにすばらしい新体験を生み出せます。しかし残念ながら、一部のプラットフォームや開発者は、創造性を妨げ、アーティスト、作詞家、ミュージシャン、権利保持者を損なうようにAIを使用しています」とアーティストの書簡には書かれている。

2023年10月、ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ、コンコード・ミュージック・グループ、ABKCOの3大音楽出版社は、インターネットからテキスト情報を収集してAIモデルを訓練し、その元で出力を生成するAI企業のAnthropicを訴えた。楽曲の歌詞著作権を侵害したと主張している。

「私たちは、専門のアーティストの声や肖像を盗み、著作者の権利を侵害し、音楽業界を破壊するような搾取的なAIの使用に対して保護する必要があります。あらゆるデジタル音楽プラットフォームと音楽ベースのサービスに対し、作詞家やアーティストの人間の芸術性を損なったり、私たちの公正な報酬を否定したりするAI音楽生成技術、コンテンツ、ツールを開発・展開しないことを誓ってもらいたい」と公開書簡は続けている。

この運動に賛同したアーティストの全リストと公開書簡は、アーティストの権利同盟のウェブサイトで確認できます。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。