【訃報】映画『子鹿物語』で若き日の輝きを放った俳優、90歳で逝去
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映画『子鹿物語』(1946年)で孤児となった小鹿を引き取る少年を演じ、その感動的な演技でアカデミー特別少年賞を受賞した俳優クロード・ジャーマン・ジュニアが死去した。享年90。
妻ケイティが米ハリウッド・リポーターに明かしたところによると、1月7日、彼はカリフォルニア州ケントフィールドの自宅で自然死により永眠した。
少年俳優としての輝かしいキャリア
ジャーマンは1934年9月27日にテネシー州ナッシュビルで生まれた。
1945年のバレンタインデーの日、当時10歳の彼は、監督クラレンス・ブラウンによる映画『子鹿物語』のキャスティングのために学校を訪問された際に見いだされた。「3日後に『1週間後にはハリウッドに行く準備をしなさい』と言われた」とジャーマンは2016年のインタビューで語っている。
映画『子鹿物語』では、グレゴリー・ペックとジェーン・ワイマンが演じた両親のもとで孤独に生きる少年ジョディ・バクスター役を演じた。この作品は、マージョリー・キナン・ローリングスによる1939年のピュリッツァー賞受賞作を原作としており、フロリダでの撮影は2年近くにわたった。
1947年のアカデミー賞授賞式では、シャーリー・テンプルから少年アカデミー賞(ミニチュア・オスカー像)が贈られた。その後、アカデミーから通常サイズのオスカー像も贈られ、両方を自宅に誇らしげに飾っていた。
アカデミー特別少年賞は毎年授与されるものではなく、格別な演技をした子役に贈られる賞で、1935年のシャーリー・テンプルが初受賞者。1961年を最後にこの特別賞は廃止され、その後は通常の演技部門で子役も評価されるようになった。
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映画出演とその後の活動
ジャーマンはその後も、『渓谷の銃声(原題:Roughshod)』(1949年)、ウィリアム・フォークナー原作の『墓地への侵入者(原題:Intruder in the Dust)』(1949年)、ジョン・ウェインと共演したジョン・フォード監督の『リオ・グランデの砦』(1950年)など、多数の作品に出演した。
1950年にナッシュビルに戻り高校を卒業した後、1956年にヴァンダービルト大学を卒業。その後はアメリカ軍の広報担当者として映画制作に携わり、サンフランシスコに移住してジョン・ハンコック保険会社に勤務した。
1965年から1980年にかけては、サンフランシスコ国際映画祭のディレクターを務め、映画芸術の振興に尽力した。
2019年には、同映画祭から「ジョージ・ガンド3世シネマクラフト賞」を授与されている。
2018年には自伝『My Life and the Final Days of Hollywood』を出版。映画界への功績とハリウッドの黄金時代を振り返った内容が高く評価された。
遺族と追悼イベントの予定
ジャーマンは3人目の妻ケイティをはじめ、7人の子供(クロード三世、マレー、エリザベス、ヴァネッサ、ナタリー、サラ、シャーロット)と8人の孫に恵まれている。彼の遺体はナッシュビルに埋葬される予定で、サンフランシスコで追悼イベントが計画されている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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