ジョージ・ルーカス美術館の内容とは?『スター・ウォーズ』のお宝と絵画が同居、規格外の展示に潜入
米ロサンゼルスのエクスポジション・パークに、映画監督ジョージ・ルーカスが私財を投じた巨大な城が姿を現した。現地時間9月22日開館の美術館「ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート」だ。
総工費10億ドル(約1,560億円)規模、敷地面積は約2万8000平方メートルにも及ぶ。今年82歳を迎えたルーカス自らが、クリエイティブ・コントロールを掌握し、事実上のトップ学芸員に君臨している。
▼悲願の完成!ジョージ・ルーカス美術館、その内容とは

メインギャラリーに一歩入れば、R2-D2やダース・ベイダーのスーツ、ポッドレーサーの大群といった『スター・ウォーズ』の超お宝が待ち構える。だが本当の見どころはその先だ。フリーダ・カーロの絵画と『ガーフィールド』の漫画コマが同じ空間で肩を並べ、既存美術館の常識をあざ笑うかのような展示構成が広がっている。
さらに攻めた演出もある。心温まる警官と少年を描いたノーマン・ロックウェルの名作『家出少年』(1958)の隣に、黒人少年を威圧する重装備警官を描いたリチャード・ウィリアムズの社会批判作『警察機構の軍隊化』(2014)を配置。優しさと痛烈さを意図的に衝突させる、ルーカス流のキュレーションが随所に光る。
▼不可能に挑み続ける巨匠が語る、物語芸術という挑発

ルーカスはこの美術館を「ハイカルチャー」と「ローカルチャー」の垣根を壊すための装置と位置づける。現地時間9月2日の記者会見では自身の性分をこう語った。「人が『できる』と思うようなことには興味がない。『無理だ』と言われることにこそ惹かれる」17年に及んだ計画についても「今回ばかりは心が折れそうになった」と本音を漏らしている。
もっとも、この挑発的な姿勢には批判もつきまとう。2017年のロサンゼルス進出発表時、『ロサンゼルス・タイムズ』紙の批評家は過剰な感傷に頼った展示だと切り捨てた。それでも今年5月の『ヴォーグ』誌の取材で、ルーカスは美術館作りを映画製作になぞらえ「やっていることは何ひとつ変わらない」と言い切っている。
▼“金ぴか時代”の富豪たちに連なる系譜
この総合芸術的な野心は、19世紀末の「驚異の部屋」を愛した独学の富豪たち、フリックやハンティントン、バーナムの系譜を思わせる。創設者の哲学がそのまま展示に息づくバーンズ財団やガードナー美術館とも重なる部分が多く、パトロン自らが理想の美術館像を貫く伝統の延長線上にあると言えるだろう。
【画像】美術館を共同設立したジョージ・ルーカスと妻メロディ・ホブソン
屋外彫刻庭園の一等地には、特注のブロンズ像『ジャバ・ザ・ハットから自らを解放するレイア姫』が鎮座する。かつて物議を醸した「奴隷レイア」の衣装について、ルーカスの妻メロディ・ホブソンは「夫はあのビキニを後悔しておらず、今なら全く同じものを作るはず」と明言。この美術館は、まさにルーカスその人を映し出す分身といえるだろう。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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