ノーベル賞作家マリオ・バルガス=リョサ氏死去、89歳

ラテンアメリカ文学界の巨匠であり、ノーベル文学賞受賞者のペルー人作家マリオ・バルガス=リョサ氏が日曜日、リマの自宅で家族に囲まれて亡くなった。享年89歳だった。訃報は息子のアルバロ氏がSNSで発表した。
偉大な文学的遺産
バルガス=リョサ氏は『都会と犬ども』や『チボの狂宴』など高く評価された小説で知られる多作な作家だった。2010年にノーベル文学賞を受賞。1963年のデビュー作『都会と犬ども』はペルーの軍事学校での自身の経験に基づいた作品で、軍部の怒りを買い、1000部が焼却される事態となった。
彼はガブリエル・ガルシア・マルケスやカルロス・フエンテスと共に1960〜70年代の「ラテンアメリカ文学ブーム」を牽引した重要な作家の1人だった。
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政治的変遷と論争
バルガス=リョサ氏は若い頃は左派的思想を持っていたが、徐々に個人的・経済的自由の擁護者となり、自由市場保守主義へと政治的立場を移行させた。当初はフィデル・カストロ率いるキューバ革命の支持者だったが、後に批判に転じた。
1976年には同じくノーベル賞作家のガルシア・マルケスと有名な喧嘩をし、1990年にはペルーの大統領選に立候補するも、アルベルト・フジモリに敗れた。
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波乱に満ちた人生
1936年3月28日、ペルー南部のアレキパで生まれたバルガス=リョサ氏は、「いくぶんトラウマ的」と自ら表現する複雑な幼少期を過ごした。10歳になるまで父親の存在を知らず、厳格な父親との関係は彼の創作活動にも影響を与えた。
サンマルコス大学で文学と法学を学んだ後、マドリッドで博士号を取得。祖国ペルーから多くのインスピレーションを得たが、マドリッド、ニューヨーク、パリなど海外で多くの時間を過ごした。
彼の子どもたちによると、遺体は火葬され、公の式典は行われない予定だという。遺族は「彼が長く、冒険に満ち、実り多い人生を楽しみ、自分より長く残る作品群を遺した」ことに慰めを見出してほしいと述べている。
バルガス=リョサ氏の死は、世界中の文学愛好者に深い悲しみをもたらしたが、彼の作品は今後も読み継がれていくだろう。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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