ヴェネツィア国際映画祭2026、是枝裕和監督『ルックバック』&塚本晋也監督作がコンペ選出
第83回ヴェネツィア国際映画祭(9月2~12日)のラインナップが7月23日に発表され、金獅子賞(最高賞)を競うコンペティション部門に日本から是枝裕和監督の『ルックバック』、塚本晋也監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が選出された。
是枝裕和監督『ルックバック』がヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門へ
映画『ルックバック』ポスター ©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社
映画『ルックバック』ポスター ©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社
『ルックバック』は、「チェンソーマン」などで知られる藤本タツキの同名漫画を実写映画化。漫画への愛で導かれた藤野と京本が、一緒に漫画を描いてかけがえのない時間を積み重ねる中で、日常を揺るがす大きな出来事に見舞われる姿を描く。出口夏希が藤野役、蒔田愛珠が京本役でダブル主演する。
脚本・編集も兼ねた是枝監督にとってヴェネツィアは、1995年の劇映画デビュー作『幻の光』で金のオゼッラ賞を受賞した思い出の地。コンペは2017年『三度目の殺人』、2019年『真実』に続き4度目の出品で「31年前、僕のデビュー作を上映してくれたヴェネツィア国際映画祭でこの作品を再びお披露目できることに特別な感慨を抱いている」と喜びをかみしめた。
今年5月のカンヌ国際映画祭では『箱の中の羊』がコンペ入りしており、同一年の世界3大映画祭で2作品がコンペティション部門に選出される快挙となった。是枝監督は、「コロナ禍で不要不急にカテゴライズされた職業に従事していた人間は、自分が心血を注いできた対象への愛や時間を否定されたような気がして暫し立ち止まり、悩んだのではないか?自分のしてきたことはその程度のものなのか、と。まさに僕自身がそうだった。そんな丸まった自分の背中を優しく抱いて背筋を伸ばし、もう一度前を向いて歩かせてくれたのが藤本タツキさんの『ルックバック』だった。感謝しかない」と話している。

主演の2人は共にヴェネツィア初参加で、出口は「特別な場所に是枝監督と一緒に行けると聞いてすごくうれしいですし、とてもワクワクしています。『ルックバック』は、時間をかけて積み重ねてきた大切な作品なので、この作品に関わる方の思いも含めて日本だけではなく、さまざまな国の方に知ってもらえることや見てくださる皆さんにどう感じていただけるか、すごく楽しみです」とコメント。蒔田も、「いつか是枝監督と海外の映画祭に行くことが夢だったので、とてもうれしいです。 撮影している時から、この作品は絶対にたくさんの人の心を揺さぶるものになるはずだと思っていたので、より多くの方に見ていただけること、日本だけではなく、いろんな国の方の感想が聞けることが、今から楽しみです」と期待している。
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、反戦をテーマに掲げてきた塚本監督が、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンさんのノンフィクションを基に、初めて加害者の視点から戦争の恐ろしさを描いた作品。ネルソン役をロドニー・ヒックス、帰還後に治療に当たった精神科医をジェフリー・ラッシュが演じている。

また、歌舞伎俳優の市川團十郎白猿の襲名を追った三池崇史監督のドキュメンタリー『襲名』は、アウト・オブ・コンペティション部門に選ばれた。
『ルックバック』と『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は2026年9月11日、『襲名』は9月25日に日本公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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