『わたくしどもは。』公開記念舞台挨拶、小松菜奈「解釈を楽しむ時間も楽しんで」

『わたくしどもは。』公開記念舞台挨拶
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俳優の小松菜奈と松田龍平が共演する映画『わたくしどもは。』の公開記念舞台挨拶が1日、東京・新宿シネマカリテで行われた。

新潟・佐渡島の金山跡地を舞台に生と死、現世と来世の狭間でさまよう名前も記憶もない男女の魂の揺れを描く。同地にある「無宿人の墓」からインスピレーションを得た富名哲也監督によるオリジナルストーリーで、昨年の第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出された。

撮影は約2年前で、小松は「個人的に佐渡島が気になって調べている時のこのお話をいただいて、呼ばれているかなという運命的なものを感じた」という。「最初に脚本を読んだ時は混乱する感じもあったけれど、そこから人間っぽさが削ぎ落されていって感情を抑えたAIのような芝居になるなかなとも思った。分かりにくい分、どう映像に落とし込むのかが楽しみになった」と振り返った。

一方の松田は「余白があって言葉が多い脚本ではないので、佐渡島に行って着地できればいいと思った」と説明。現地入りした後、「昼は気持ち良く、夜はエキゾティックな雰囲気で映画にピッタリ。そこから想像して、自分の中に取り込んでいった。金山をはじめとしたロケ地も地続きになっていて、妙につながっているのが面白かった」と明かした。

同作はヴェネチア国際映画祭が実施する新鋭監督の支援プロジェクト「ビエンナーレ・カレッジ・シネマ」などの協力で制作され、富名監督は「やっとスタートが切れた。うれしいです」と感慨深げ。撮影直前に物語を変更したが、「2人がキャラクターを演じるのではなく、2人を撮って画面に映ったら何かがあると自分に命題を課す賭けでしたが、2人は通して素晴らしかった」と感謝した。

小松は「見る人に解釈をゆだねる作品ですが、その時間も楽しんでほしい」と笑顔。松田も「分かりやすく作られた作品が多い中、このような作品は珍しいと思うが、こうやって自分で考える作品がもっと増えたらいい」と期待した。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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