『大いなる不在』日本凱旋上映、藤竜也「魂揺さぶられる作品」

左より、藤竜也、原日出子、森山未來、真木よう子、近浦啓監督
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今年4月の米サンフランシスコ国際映画祭で、最高賞に当たるグローバルビジョンアワードを受賞した近浦啓監督の『大いなる不在』の完成披露試写会が25日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。

近浦監督は出演の森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子とともに上映前に舞台挨拶。「劇場の大きなスクリーンで見てもらいたかったからこそ、35ミリフィルムで撮った。良質のエンタテインメントを撮りたいつもりで作った」とアピールした。

近浦啓監督

幼い頃に捨てられた父親と久しぶりに再会した息子が、認知症になっていた父親の人生の足跡をたどるヒューマンミステリー。近浦監督は「2020年にコロナのパンデミックで社会が変容し、自分の父親も認知症になった。この2つの出来事から出てきたキーワードが不在。その輪郭をなぞっていけば何かをつかめるのでは」と、オリジナルで脚本を執筆した意慾作だ。

主演の森山はオファーを受け、「脚本がとても魅力的だったが、奇妙なシチュエーションの物語の中で自分がどういるべきか、この映画、キャラクターを知りたいと思い、撮影に入る前に監督といろいろな話をした」と述懐。その打ち合わせは1日6時間に及ぶこともあったそうで、「ヒューマンミステリーなので、どう進行するのかという見え方をすると思いますが、その先には人間の根源にふれる慟哭(どうこく)、叫びが待っています」と手応えを口にした。

森山未來

既に海外9カ国の映画祭で上映されての日本凱旋。藤はスペインのサン・セバスティアン国際映画祭で、日本人初の最優秀男優賞を受賞。「スタンディングオベーションは何度か経験があって一つの儀式だと思っていたが、スペインの観客は笑顔が迫ってくるようでどこか違うなと感じた。ミステリアスに魂を揺さぶられる作品です」と自信のほどを語った。

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藤竜也

『大いなる不在』は7月12日に全国で公開される。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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