IMAGICA GROUP、第1弾オリジナル製作映画として『マリア』を選出―是枝裕和監督も審査に参加

IMAGICA GROUP 代表取締役社長・長瀬俊二郎、映画監督の是枝裕和(写真:Imagica)
IMAGICA GROUP 代表取締役社長・長瀬俊二郎、映画監督の是枝裕和(写真:Imagica)
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新たな映画支援プロジェクトが始動

IMAGICA GROUPが設立90周年を機に立ち上げた新映画支援プロジェクト「IMAGICA GROUP オリジナル映画製作プロジェクト」の第1作として、寺田ともか監督の長編デビュー作『マリア』が選ばれた。

このプロジェクトは、設立90周年を迎えた東京のポストプロダクション大手による新たな取り組みだ。そして、発表は17日にカンヌ映画祭で行われた。

社会問題を描く『マリア』の物語

『マリア』は衰退する工業港町を舞台とする作品だ。また、貧困や妊娠、さらに家族関係の断絶といった困難な状況の中で生きる18歳の介護士を描いている。寺田監督はソーシャルワーカーとしての経験を持つ。そのため、高齢化社会の中で取り残された若者たちの姿を鋭く切り取っている。なお、製作はOLM(株式会社オー・エル・エム)所属の土川はなが担当する。

是枝監督ら審査員からの高評価

審査には『万引き家族』でパルムドールを受賞した是枝裕和監督も参加した。そして、寺田の脚本を「リアリスティックで良く書かれている」と高く評価した。さらに、審査員全員が満場一致で本作を支持したという。

「ユーモアと明晰さに驚かされた。実際、デビュー作とは思えない」と是枝は語った。

Hirokazu Kore-eda
IMAGICA GROUP オリジナル映画製作プロジェクトで審査員を務めた是枝裕和監督
(写真:TOKYO INTERNATIONAL FILM FESTIVAL)

IMAGICA GROUPの支援体制と今後の展望

ポストプロダクション業界の中核企業である IMAGICA GROUP は、本作の製作に7000万円を投資する。また、追加の日本企業を共同出資者として募る予定だ。

この新プログラムは5年間続く予定だ。そして、毎年1作品を支援する。さらに、国際映画祭への出品も視野に入れている。他の審査員には東京国際映画祭の市山尚三プログラミングディレクターや川喜多記念映画文化財団の坂野優香氏が名を連ねた。

製作者からのコメント

カンヌでの記者会見では、土川プロデューサーが脚本の特徴を強調した。「『マリア』の印象的な点は、明るい物語ではないにも関わらず、温かみがあることだ。特に、登場人物たちの生き抜こうとする姿勢に誠実さを感じる」と述べた。

プロジェクトの応募状況

「IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト」は同社関連会社のプロデューサーが対象だ。ただし、外部の監督や脚本家との協業も可能である。今年の応募は88企画に達した。そして、『マリア』は二段階の審査を経て4月に最終選考が行われた。

監督の経歴と作品への思い

現在もソーシャルワーカーとして活動する寺田監督は、過去に是枝裕和の『怪物』や川和田恵真の『マイスモールランド』で助監督を務めた。録画メッセージの中で彼女は本作について語った。

「これらの登場人物は私が知っている実在の人々だ。つまり、創作ではない。私自身からではなく、身近に観察してきた世界から生まれた物語を書きたかった」

日本映画界への影響

本作はまだ開発段階にある。しかし、審査員たちはIMAGICA GROUPのイニシアチブの継続に期待を示した。さらに、将来的にはアジア全域の映画製作者支援への発展も視野に入れている。

「強いスタートを切ったと思う」と市山氏は述べた。「また、日本では公的支援が不足している。そのため、民間企業がどう関わるかという新しいモデルにもなる」

「このイニシアチブについて聞いたとき、ようやくと思った」と是枝監督も語った。「実は、日本の新進映画作家の発掘と支援には大きな隙間がある。だから、このようなシステムが続けば、その解決に役立つだろう」

本作は開発段階にあるが、IMAGICA GROUPによる映画支援の取り組みは、民間主導の新たなモデルとして注目されている。今後の展開次第では、日本映画界全体に大きな影響を与える可能性もある。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら

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