『ウィキッド 永遠の約束』アカデミー賞戦略:シンシア・エリヴォは主演、アリアナ・グランデは助演でオスカーに挑む
『ウィキッド 永遠の約束』のアカデミー賞戦略
ユニバーサル・ピクチャーズが製作するミュージカル映画『ウィキッド 永遠の約束(原題:Wicked: For Good)』で、主要キャストのシンシア・エリヴォとアリアナ・グランデが、それぞれ異なるアカデミー賞カテゴリーでキャンペーンを展開することが明らかになった。
関係者が米『ハリウッド・リポーター』に語ったところによれば、前作『ウィキッド ふたりの魔女』(2024年)と同様に、シンシア・エリヴォ(エルファバ役)は主演女優賞、アリアナ・グランデ(グリンダ役)は助演女優賞としてアワードシーズンに挑むという。
前作で主要映画賞を総なめにした2人
前作『ウィキッド ふたりの魔女』では、両者ともにクリティクス・チョイス・アワード、SAG賞、ゴールデングローブ賞、BAFTA賞、アカデミー賞の各主要部門にノミネートされている。
続編『ウィキッド 永遠の約束』でも、2人の登場シーンのバランスは前作とほぼ変わらないと判断され、同様のカテゴリー振り分けが継続された。
映画はジョン・M・チュウ監督が続投し、11月21日に全米公開を迎え、日本公開は2026年3月と予定されている。
ブロードウェイ版とは異なる戦略
この決定は、20年前のブロードウェイ版『ウィキッド』のアワード戦略とは対照的だ。
当時、トニー賞の審査委員会は『アナと雪の女王』エルサ役で知られるイディナ・メンゼル(エルファバ役)とクリスティン・チェノウェス(グリンダ役)の両名を「主演女優賞」カテゴリーにエントリーした。結果、両者ともノミネートされ、メンゼルが受賞を果たした。
しかし、映画のアカデミー賞において、同一作品から複数の主演女優が同時ノミネートされるケースは非常に稀である。
『イヴの総て』(1950年)、『去年の夏 突然に』(1959年)、『愛の嵐』(1977年)、『愛と追憶の日々』(1983年)、『テルマ&ルイーズ』(1991年)など、史上わずか5作品のみが達成している。
そのため、主演と助演での戦略的な住み分けは、現実的かつ効果的な判断といえるだろう。
シンシア・エリヴォは“EGOT”達成の可能性も
2026年度アカデミー賞のノミネートが実現すれば、シンシア・エリヴォにとって4度目のアカデミー賞ノミネーションとなる。
彼女は2019年の『ハリエット』で主演女優賞と歌曲賞(“Stand Up”)にノミネートされており、もし今回の『ウィキッド 永遠の約束』でアカデミー賞を受賞すれば、エミー賞、『カラーパープル』でのグラミー賞、トニー賞に続く“EGOT”完全制覇を果たすことになる。
一方、アリアナ・グランデにとっては、これがアカデミー賞2度目のノミネートにつながる可能性を秘めた挑戦である。歌手としてだけでなく、俳優としても確かな実績を積み重ねてきた彼女の演技に、再び大きな注目が集まっている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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