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『アバター』肖像無断使用でジェームズ・キャメロン監督を提訴「これは映画制作ではなく、窃盗」

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『アバター』肖像無断使用でジェームズ・キャメロン監督を提訴「これは映画制作ではなく、窃盗」
クオリアンカ・キルヒャー(左)、『アバター』シリーズのジェームズ・キャメロン監督(右)写真:Kevin Winter/Getty Images; Kate Green/Getty Images
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人気ドラマ『イエローストーン』への出演で知られる俳優のクオリアンカ・キルヒャーが、映画『アバター』において自身の肖像を無断で使用されたとして、ジェームズ・キャメロン監督と米ウォルト・ディズニー・カンパニーを相手取り訴訟を起こしたことが明らかになった。

米『ハリウッド・リポーター』が確認した訴状によると、クオリアンカ・キルヒャーはジェームズ・キャメロン監督が自身の顔の特徴を「抽出」し、ヒロインであるネイティリのキャラクター造形の基礎として利用したと主張している。

▼『アバター』ジェームズ・キャメロン監督の発言から発覚した「顔の抽出」

『アバター』より
『アバター』より 写真:Photofest

クオリアンカ・キルヒャー側が訴えの根拠として挙げているのは、2024年4月24日にYouTubeで公開された動画だ。その中でジェームズ・キャメロン監督は、パリで開催された自身の展覧会「Tech Noir」に触れ、『アバター』の制作過程を回想。ネイティリのデザインについて、テレンス・マリック監督の映画『ニュー・ワールド』(2005)に出演していた当時14歳のキルヒャーの容姿に触発されたことを認める発言をしていた。

動画内で監督は「(ネイティリの)顔の下半分は、実は彼女のものなんだ」と語り、数年前にキルヒャー本人へ「君がネイティリのインスピレーションの源だった」と伝えたエピソードも披露している。

▼「サプライズギフト」に隠された意図

(左から)ジェームズ・キャメロン監督、ウーナ・チャップリン、『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』の撮影現場より
(左から)ジェームズ・キャメロン監督、ウーナ・チャップリン、『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』の撮影現場より 写真:Mark Fellman/20th Century Studios

キルヒャーとキャメロン監督が初めて面会したのは、2009年の『アバター』公開直後に行われたチャリティイベントだった。監督はキルヒャーの活動家としての側面を称賛し、「君に渡したいサプライズギフトがある」と自身のオフィスへ招待したという。

後日、キルヒャーがオフィスを訪れると、監督のサインが入ったネイティリのスケッチと手書きの手紙が手渡された。そこには「君の美しさは、ネイティリを生み出す初期のインスピレーションになった。当時、君が別の映画を撮影していたのが残念だ。また次の機会に」と綴られていた。

キルヒャーは当時の心境について、「当時は個人的な厚意や、キャスティングの際の漠然としたイメージだと思っていました。しかし、信頼していた人物が私の知らないところで、私の顔を組織的にデザイン工程に組み込み、制作ラインに統合していたとは想像もしていませんでした。これは一線を越えています」と声明を発表している。

▼先住民アイデンティティの搾取を主張

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』より
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』より 写真:Courtesy of 20th Century Studios

訴状では、ハリウッドで絶大な権力を持つ監督が、先住民の少女のバイオメトリック(生体)データと文化的遺産を、適切な対価やクレジットなしに商業利用したことを厳しく非難。キルヒャー側の弁護士は、「これは映画制作ではなく、窃盗である」と断じている。

キルヒャー側は、肖像利用によって得られた利益の返還や損害賠償、および事実関係の公的な開示を求めている。本件に関し、キャメロン監督およびディズニー側からのコメントは、現時点で得られていない。

 ※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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