ヴィム・ヴェンダース監督、物議の初期映画を流通停止 13歳少女の出演シーンめぐり
ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督の財団は、1975年公開の映画『まわり道』の流通停止を発表した。
▼ヴィム・ヴェンダース監督、物議を醸した映画の流通を停止

『パリ、テキサス』『PERFECT DAYS』で知られるヴィム・ヴェンダース監督の初期作『まわり道』について、同財団は配信プラットフォームやテレビ局に対し、一般公開の停止を要請した。
流通停止の理由は、当時13歳だった俳優のナスターシャ・キンスキーのヌードシーンだ。下着姿のキンスキーに30代の共演者が覆いかぶさる描写があり、キンスキーは独紙のインタビューで「当時は『これは間違っている』と感じていた」と告白している。
▼ドイツ映画賞でのヴェンダース監督のスピーチ

ヴェンダース監督は、現地時間5月29日開催のドイツ映画賞の生涯功労賞授賞式で「今ならあのシーンは撮らない」と述べ、キンスキーへの敬意と彼女の苦痛に対する理解を示した。
しかし、シーンの削除は約束しなかった。監督は「映画史を書き換える権利が自分にあるのか」と疑問を呈し、スティーヴン・スピルバーグ監督が『E.T.』の銃をトランシーバーへデジタル修正した後に「間違いだった」と認めた例を指摘。「50年前の自分を責めることはできない。時代精神を捉えようとしていた」と語り、若い映画人に議論を呼びかけた。
▼批判の噴出と法的措置への発展

このスピーチに対し、キンスキーの代理人弁護士は「個人的責任を回避する試みだ」と猛批判し、削除されない場合は提訴する意向を表明した。
ドイツメディアも厳しく批判している。独紙『南ドイツ新聞』は、監督のスピーチが「キンスキーが芸術の自由を脅かしている」かのように聞こえたと指摘。別紙『ヴェルト』も、「象徴的な意味でも削除すべきだ」と論じた。表現の自由の枠組みを超えた本問題について、監督側は再編集版の制作を明言していない。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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