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AI映画版『オデュッセイア』が波紋――監督が語る真意とは?「ノーランに対抗するつもりはない」

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AI映画版『オデュッセイア』が波紋――監督が語る真意とは
AI映画『オデュッセウス:ザ・フォール』より 写真:FOUNTAIN 0
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7月17日(金)に全米公開されたクリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』が世界的ヒットを記録する中、同じ題材で制作された「AI映画」が注目を集めている。

その作品は『オデュッセウス:ザ・フォール(原題:Odysseus: The Fall)』。原作であるホメロスの叙事詩『オデュッセイア』はパブリックドメインであるため、誰でも映像化できる。しかし、ノーラン版『オデュッセイア』の公開と同時期に発表されたため、本作は大きな波紋を呼んでいる。

監督を務めるのは、イラン生まれでイギリス育ちのエンジニア、アッシュ・クーシャ。俳優を起用せず、数千ドルという低予算で長編映画を制作していることから、彼に対して「なぜノーラン作品と同じ題材を選んだのか」といった批判や疑問が相次いだ。

こうした議論が巻き起こる中、米『ハリウッド・リポーター』はクーシャと共同制作者で弟のプーヤ・クーシャ、そしてAI映画レーベル「Fountain 0」の共同設立者でプロデューサーのトム・ロジャーズにインタビューを実施。3人は「AI時代の映画制作」について独自のビジョンを語った。

賛否両論のAI映画版『オデュッセイア』監督が説明「ノーランに対抗するわけではない」

『オデュッセウス:ザ・フォール』は、イランの民主化運動を題材にしたAI映画『ドリームズ・オブ・ヴァイオレット(原題:Dreams of Violet)』を手がけた制作チームの新作としても注目されている。

前作は、実写撮影が困難な状況でAIを活用したことが高く評価された。一方で『オデュッセウス:ザ・フォール』は、「必ずしもAIである必要はないにもかかわらず、話題作と同じ題材を扱っている」という指摘も多い。

しかしクーシャ監督は、両作品は同じ“問い”の延長線上にあると説明する。ニュースと同じスピードで物語を作ることはできるのか。壮大な物語を描くことは、クリストファー・ノーランのような大物監督だけの特権なのか――。今回のAI映画は、そうした映画業界全体への問いかけでもあるという。

一方で、本作の制作チームは、ノーラン版『オデュッセイア』と競合するつもりはないと強調する。クーシャ監督は、「私たちはクリストファー・ノーランに対抗しているわけではない。彼は、従来の映画制作の世界ですばらしい仕事をしている。ただ、新しい映画表現にも居場所があるはずだ」と語っている。

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マット・デイモン、クリストファー・ノーラン版『オデュッセイア』より 写真:Melinda Sue Gordon/Universal Pictures

監督は、自身が幼少期からホメロスの『オデュッセイア』に夢中だったと明かす。そのため、「同じ映画を作りたいわけではなく、AIという新しいツールを使って、自分なりの『オデュッセイア』を表現したかった」と制作意図を説明した。

プロデューサーのロジャーズは、「ノーラン版の方が優れた作品になることは、誰もが理解している。私たちも、多くの人にあの映画を観てほしい」とコメント。そのうえで、「ノーランが実写映画制作の頂点を目指すなら、私たちはAI映画制作の可能性を追求したい」と語った。

AI時代の映画の未来とは――「誰もが映画を作れる時代になった」

AIの登場によって個人でも映画制作が可能になったことを受け、クーシャ監督は「劇場公開される映画と共存できる、もう一つの映画制作」と持論を展開した。

クーシャ監督は、「以前なら、自分の解釈を文章で発信するしかなかった。しかし今では、AIによって誰もが映画を制作し、多くの人に届けられる」と語り、AIによって映画制作の参入障壁が大きく下がったと説明している。

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AI生成映画『オデュッセウス:ザ・フォール(原題:Odysseus: The Fall)』より 写真:FOUNTAIN 0

また、「AI映画が普及すれば俳優の仕事が失われるのではないか」という懸念について、ロジャーズは否定的だ。「むしろ、実写映画や舞台における俳優の価値はさらに高まるだろう。人々は本物の俳優による演技を、これまで以上に求めるようになる」との見方を示している。

クーシャ監督も、「ノーランのような映画制作者によってすばらしい作品が生まれる一方で、AIを使っても美しい映画は作れる。その両方が共存する未来を目指している」と語る。彼らは、AI映画を既存の映画に取って代わるものではなく、「新たな表現手段の一つ」として位置付けている。

『オデュッセウス:ザ・フォール』の公開は、ノーラン版との混同を避けるため、今秋以降に予定されている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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