Z世代の“映画館人気”が継続中!「多様性」や「希望」のある物語が好まれる――最新調査で判明
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の「Center for Scholars & Storytellers(CSS)」が発表した最新の報告書で、Z世代の若者たちのメディア全般に対する意識が明らかになった。この調査では、「映画館」の人気が高まっていることや、AIに対する年齢ごとの感じ方の違いが示された。
この報告書「Teens and Screens」は、10〜24歳の若者1,500人以上を対象に、映画やテレビ番組、AI、SNS、多様性の描写などに関する意識を調査したものだ。この調査は、YouTubeやワーナー・ブラザース・ディスカバリー、ニールセン財団などの支援を受けて実施された。
Z世代の外出先で「映画館」が3年連続で人気1位!ライブやゲームを上回る
Z世代の週末の外出先として最も人気が高かったのは「映画館」だ。「新作映画を映画館で観ること」は、3年連続で最も人気の選択肢となった。この結果は、ハリウッドにとって朗報と言える。今年のハリウッドは、コロナ禍以降で最高の興行収入を達成する見通しだ。
そのほかの選択肢には、「新作ビデオゲームで遊ぶ」「音楽ライブへ行く」「映画を配信視聴する」「新作ドラマを一気見する」「ライブスポーツを観戦する」といったものがあったが、いずれも映画館には及ばなかった。
また、好まれるコンテンツの種類では、実写作品がアニメ作品を7.4ポイント上回った。
若者は多様性を望む傾向――特性のあるキャラクターを「もっと見たい」
テレビ番組や映画の主演にふさわしい新しいキャスティングについては、「新人俳優」を望む回答が39.8%に上り、「知名度のある俳優」を望む回答の38.2%をわずかに上回った。
また、この好みは年齢層によっても異なる。10〜13歳では、新人俳優(34.5%)よりも知名度のある俳優(47.1%)を好む傾向が強かった。一方、19〜24歳では、新人俳優(42.9%)を望む人が、知名度のある俳優(33.4%)を望む人を上回っている。
一方、「インフルエンサー」の起用を望む回答は16.8%にとどまった。Z世代はクリエイターやインフルエンサーが発信するコンテンツに親しんで育ってきたが、映画やテレビ番組へのインフルエンサーの起用は、望まれていないことがうかがえる。
さらに注目すべき結果として、回答者の55%が「発達障害などの神経多様性(ニューロダイバーシティ)を持つ登場人物をもっと見たい」と答えた。一方で、現在のメディアにおける神経多様性の描写が「現実に忠実だ」と考える人は22.7%にとどまっている。
Z世代は、より多様性のある物語を求めていると言える。単に登場人物を増やすだけでなく、登場人物一人ひとりの特性や経験を丁寧に描き、ステレオタイプにとらわれない物語を届けることが求められている。若者の声を反映した、よりリアルで多様なキャラクター表現が、クリエイターたちの今後の課題となりそうだ。
テレビや映画の「古臭い」要素とは?メディアではYouTubeが首位
テレビ番組や映画に古臭さを感じさせる要素として、最も多く挙げられたのは「スラングの使用」(43.4%)だった。
次いで、「ファッションや髪型」(36.3%)、「古い技術」(35.9%)、「視覚効果」(34.0%)、「ポップカルチャーへの言及」(30.4%)、「音楽」(29.4%)、「ソーシャルメディアのトレンドや言及」(25.5%)と続く。スラングやファッション、音楽など、若者が日常的に触れている要素ほど、時代の変化が作品の印象に影響しやすいことがうかがえる。
また、「物語を伝える媒体としてどれが優れているか」という質問では、「YouTube」が72.9%で最も高い割合を記録した。続いて、「テレビ番組」が70.3%、「映画」が70.2%、「ビデオゲーム」が68.5%となった。若者にとって、物語を楽しむ場は従来の映画館やテレビにとどまらず、より身近で多様なプラットフォームへと広がっているようだ。

AIが登場する物語に過半数が「魅力を感じる」――年齢が上がるにつれ悲観的に
「AIが登場する物語を観たときにどのような感情を抱くか」という項目で、最も多かったのは「魅了される」(28.2%)で、次いで「ワクワクする」(25.6%)、「絶望的に感じる」(22%)、「怖い」(10.1%)と続いた。
ただし、AIに対する意識は、若い年齢層の方が「期待」が大きく、年齢が上がるにつれて「悲観的」に変化していくことが分かった。

また、AIに対して前向きな回答をした割合は、男性が34.6%、女性が23.6%で、男性のほうがAIに肯定的な傾向を示した。
Z世代が求めるのは「希望や共感」を感じられる物語
こうした調査結果の背景には、重苦しいニュースが日々流れていることや、ガソリンから食料品に至るまで物価上昇が続いていることがあるのかもしれない。調査では、「希望に満ちた、心温まる物語」や「共感できる物語」を若者が好む傾向も明らかになった。
映画館やテレビ、スマートフォンなど、さまざまなスクリーンで「観たい物語の種類」を尋ねたところ、「困難を乗り越える人々」「友情や仲間たち」「自分と似た生活を送る人々」といった、前向きで共感しやすいテーマが挙がった。
一方で、「スーパーヒーローもの」は、これらを下回っている。特に、「飲酒・薬物を伴うパーティーが描かれる物語」は、最も人気の低いジャンルとなった。
CSSの創設者兼CEOであり、UCLA心理学部の非常勤教授も務めるヤルダ・T・ウールス氏は、調査結果について次のように説明した。
「コンテンツを選ぶ主導権を握る人々は変わりました。今では若者自身が、どんな物語を観たいのか、どんなコンテンツを観たいのかを決めています。業界のリーダーは、若者の声に耳を傾けると同時に、彼らの健全な成長と幸福を促進している専門家の意見にも耳を傾けるべきです」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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