『湖の女たち』で福士蒼汰に支配される松本まりかが暴露「怖かった、嫌いでした」
俳優の福士蒼汰と松本まりかがダブル主演する映画『湖の女たち』の完成報告会が16日、都内のホールで行われた。
原作の吉田修一氏と大森立嗣監督が、2013年『さよなら渓谷』以来10年ぶりにタッグを組んだヒューマンミステリーだ。
琵琶湖畔の介護施設で起きた不審死事件を追う刑事(福士)と、容疑をかけられた介護士(松本)の不条理な関係を軸に、人間の存在意義があぶり出されていく。
大森監督は、小説の刊行時に書評を依頼され「衝撃的で考えさせられる内容にけっこう驚いた。映画化は頭の片隅にはあったけれど、難しそうだしプロデューサーに提案しても嫌がられるだろうと思っていた」と話す。
だが、「吉田さんからお礼の手紙を頂き、『僕に映画を作ってもらえたら』と書かれていたので、光栄で、ちゃんと考え出した」と明かした。
福士は、オファーを受け「原作と大森監督という座組だけでやりがいを感じ、二つ返事くらいで『やりたい』となった」と快諾。
「だが、徐々に支配欲を強め狂気を見せていく難役で「撮影に入って3日目くらいまでは、全てにNGを出されていた気がする」
「意図せずに声を出したり、状況を説明してしまっていて、それはリアリティを求める上で必要ない」
「ヒューマンドラマを演じる上での役者の在り方を学んだ」と振り返った。
一方、支配される側となる松本は「頭で理解しようとしても無理なのでやめました」
「置かれた状況、極限状態で抱いた体感を大事にすれば役を共有できると思った」と説明。
「一見、支配する側とされる側だが、もしかしたら逆転しているのではと思えるような関係性が面白い。言語化しようのない愛の形だった」と意味深な笑みを浮かべた。
物語の性質上、2人は撮影中あえて距離を置き、福士は「一切話さないと面白いかもと思い、セリフ以外は会話をせず笑顔も向けなかった」と告白。
対する松本は、「さわやかな好青年というイメージからは想像がつかない、初日からビックリするくらい恐ろしくて変な色気もあって怖かった。撮影中は彼が嫌いでした」と正直に話し、福士を慌てさせた。
これを受け、大森監督は「人はこれから生きていってもいいのかということを、2人が肉体を持って何を感じて体現するかを試した。そういう見方で楽しんでもらいたい」と自信の笑顔。
福士も「見た方がそれぞれに思った画(え)、言葉がメッセージ。自分にとってのそれは堆積。湖は川や海と違って流れていかないし、歴史も積み重ねてこその今がある。そういうそれぞれが感じたことをシェアして話し合ってほしい」と訴えた。
『湖の女たち』は、5月17日に全国で公開される。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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