コッポラ新作『メガロポリス』に賛否?気になるキャストやハリウッドの反応
フランシス・フォード・コッポラ監督が40年もの長い年月をかけて制作した最新作『メガロポリス』が、5月17日(現地時間)にいよいよカンヌ国際映画祭で初披露。
いまだ配給会社が決まっていない本作。
ハリウッド内から聞こえてくる評判や知っておくべき情報をまとめました。
1億2000万ドルもの自費で制作
まず最初に言及しておくべき『メガロポリス』の凄さは、コッポラ監督自身が1億2000万ドル(約186億円)もの私財をかけて完成させた自費製作映画だということ。
コッポラは所有しているワイナリーの大部分を売却して製作費に充てており、本作にかける想いがどれほどかが伝わってきます。
さらに1983年に脚本を書き始め、紆余曲折を経て2023年にようやく全撮影が終了。
映画が完成するまでに40年もの歳月がかかっており、コッポラの生涯をかけた傑作と言っても過言ではありません。
ですが本人の覚悟とは裏腹に、映画業界内から聞こえてくる評判は芳しいものではありません。
いまだ配給会社が決まらず
3月28日にユニバーサル・シティウォークのIMAXシアターで、『メガロポリス』を映画業界の重鎮にお披露目する試写会が開催。
NBCユニバーサルのチーフコンテンツオフィサー、ドナ・ラングリー、ソニーのトップ、トム・ロスマン、ディズニーの実写部門責任者デビッド・グリーンバウム、Netflixのテッド・サランドスほか映画業界の大物が参加しますが、試写会から2ヵ月近く経ったいまも配給パートナーは決まっていません。
試写会に参加した関係者が米『ハリウッド・リポーター』に語った感想は、「この映画の位置づけが全くわからない」「みんなコッポラを応援してるし、懐かしい気持ちに浸っている」「でも映画はビジネスだからね」「面白くないし見ていてとても悲しくなった。興行的に成功しないだろう。コッポラが監督人生を終える作品ではない」と、作品の評価は低いものでした。
コッポラ監督は70年代に『ゴッドファーザー』シリーズで世界を代表する映画監督の地位を確立しますが、80年代以降は『ワン・フロム・ザ・ハート』の失敗で自身のスタジオは倒産。その後も幾度の破産を経験しています。
巨匠というイメージが強いですが実は波乱万丈な人生。
しかし世間の評価を覆すこともあるのがコッポラの凄いところ。
興行的に成功しないと言われていた『地獄の黙示録』は、様々なトラブルのため未完成でカンヌ国際映画祭に出品しますが、最高賞となるパルムドールを受賞。結果的に世界でヒットし大成功を収めます。
最新作『メガロポリス』も評判はイマイチで配給スタジオはまだ未定ですが、第77回カンヌ国際映画祭・コンペティション部門での上映が決定するという嬉しいニュースが。
カンヌでの初公開を機に、ここから潮目が変わっていくのか注目が集まります。
ハリウッドの一流スターが集結
『メガロポリス』は天才建築士シーザー・カティリーナが、災害に見舞われたニューヨークを理想的な街に再建していくストーリー。
主演のシーザー役にはアダム・ドライバー、シーザーと対立する市長役にジャンカルロ・エスポジート、市長の娘役にナタリー・エマニュエル、さらに『ブラックパンサー』のフォレスト・ウィテカー、『トゥームレイダー』のジョン・ヴォイト、『マトリックス』シリーズのローレンス・フィッシュバーン、ダスティン・ホフマンらが出演しています。
コッポラファミリーからは、妹である『ゴッドファーザー』のタリア・シャイアとその息子で『アステロイド・シティ』のジェイソン・シュワルツマンが参加。
作品の全貌はまだ明らかにされておらず、キャスト陣がどのように交差していくのか謎に包まれています。
業界内からの評判はいまひとつですが、私財186億円投入、構想40年、そして豪華なキャスト陣。コッポラの夢がつまった超大作だけにどうしても期待が膨らみます。
いよいよ5月17日にはカンヌ国際映画祭でコッポラ渾身の『メガロポリス』が初公開。
作品の評判や配給スタジオの動向など最新ニュースに注目です。
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