コッポラの新作映画『メガロポリス』、配給先が決まるまでの裏側

『メガロポリス』写真: AMERICAN ZOETROPE/MIHAI MALAIMARE
『メガロポリス』より 写真: AMERICAN ZOETROPE/MIHAI MALAIMARE
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6月17日、ライオンズゲートがフランシス・フォード・コッポラの1億2000万ドルの意欲作『メガロポリス / Megalopolis(原題)』を北米で劇場公開すると発表した際、多くの疑問が渦巻いた。

ハリウッドの関係者たちは、この契約でライオンズゲートが『メガロポリス』のマーケティング費用の一部を負担するかどうかを気にしていた。というのも、3月下旬のスタジオ幹部向け試写会で、他の配給先候補は見込まれるマーケティング費用に二の足を踏んでいたのだ。

宣伝費用はコッポラの自腹?

ライオンズゲートは、マーケティング費用を負担しないとみられ、コッポラ自身が費用を捻出すると予想されている。同社は1500以上の劇場で公開する予定だが、情報筋によると、これには1500~2000万ドルのマーケティング費用が必要だという。『メガロポリス』の宣伝活動にどれだけの費用がかかるかは不明だ。

『メガロポリス』はIMAXでも上映予定で、これはプロジェクトにとって潜在的な追い風となるだろう。本作は、コッポラが最も偉大な監督の1人であることを武器に、映画愛好家を引き付けることを狙っている。

決め手は長年のビジネス関係か

コッポラは、自身の映画の所有権を保持していることでも知られ、これまで『地獄の黙示録』などの名作の様々なバージョンをリリースしてきた。ライオンズゲートは、ホームエンタテインメントの販売でコッポラと長年の関係があり、そのラインナップにもう1本加えることのメリットを見出している。

結局のところ、コッポラにとっては、『メガロポリス』は利益以上に重要なものなのだ。コッポラはプロモツアーを通じて、より良い世界を作るためのプロジェクトに没頭する男を描いた本作のメッセージが、自身の死後も残ることを望んでいると主張し続けた。

※初出は、米『ハリウッド・リポーター』(6月18日号)。※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌

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