LE SSERAFIMが新アルバム『’PUREFLOW’ pt.1』を語る――葛藤と成長、そして5人の現在地「私たちも皆と同じ人間」
KIM CHAEWON、SAKURA、HUH YUNJIN、KAZUHA、HONG EUNCHAEからなる5人組ガールズグループLE SSERAFIM(ル・セラフィム)は、今やK-POPシーンを代表する存在となった。2022年、彼女たちは韓国エンターテインメント業界の大手HYBE傘下のSOURCE MUSICから、鮮烈なデビューを果たした。
グループ名の「LE SSERAFIM」は、「IM FEARLESS(恐れを知らない)」のアナグラム。その名の通り、競争が激しさを増すK-POPシーンの中でも彼女たちは恐れずに前進し、際立つ存在感を放ってきた。
SAKURAとCHAEWONは、韓国の人気オーディション番組から誕生した期間限定グループIZ*ONE(アイズワン)のメンバーとして、すでに高い人気を誇っていた。アメリカ生まれのYUNJINもこのオーディション番組に出場していた。さらにSAKURAは日本のアイドルグループ・HKT48のメンバーとして、13歳の頃から長年活動した経歴を持つ。
KAZUHAは、オランダ国立バレエアカデミーでプロのバレリーナを目指し、研鑽を積んでいた最中にスカウトを受けた。最年少で19歳のEUNCHAEは、15歳でLE SSERAFIMとしてデビューしている。
そんな彼女たちは今なお進化を続けており、先月には注目の最新アルバム『’PUREFLOW’ pt.1』をリリース。アルバムに先駆けて発表された先行シングル「CELEBRATION」は、その新たな心境を祝福する楽曲だ。一方、世界的ヒット曲「マカレナ」をサンプリングした実験的なタイトル曲「BOOMPALA」は、アルバムのメッセージそのものを体現した楽曲だという。
また6月12日(金)には、ILLIT(アイリット)、そしてグローバルガールズグループKATSEYE(キャッツアイ)とのコラボレーション楽曲「ICONIC BY MISTAKE」もリリースした。
最新アルバムについて、YUNJINは「私たちのアイデンティティを再発見し、その意味を改めて定義する過程こそ、このアルバムの核となるメッセージ。それは今のLE SSERAFIMのマインドそのものです」と語る。
米『ハリウッド・リポーター』はLE SSERAFIMへのZoom取材を行った。ステージでは華やかな衣装に身を包む彼女たちだが、この日はカジュアルな服装で登場。そこには、束の間の休息を楽しむ等身大の彼女たちの姿があった。
LE SSERAFIMのメンバーは、新作アルバムのコンセプトや、若くしてスターになることへのプレッシャー、そしてメンバー同士の絆について語った。
アルバム『’PUREFLOW’ pt.1』が映す“今のLE SSERAFIM”――「感情と正直に向き合った」
――これまでのキャリアでさまざまなジャンルに挑戦してきましたが、音楽面での「LE SSERAFIMらしさ」とは何だと思いますか?
YUNJIN:私たちは新しいことに挑戦するのが純粋に好きなので、音楽面でもいろいろなことに挑戦してきました。今回のアルバムでは音楽だけでなく、ビジュアル面でも多くの新しい試みを入れました。
「SPAGHETTI」では眉をブリーチしましたし、パフォーマンスでもタッティングやワッキング、ヒップホップなど、さまざまなジャンルのダンスに挑戦しています。「BOOMPALA」は言葉で説明するのが難しいくらい、私たちにとっても新鮮な体験でした。
私たちは「こういうグループです」と自らを枠にはめるのではなく、何を伝えたいのかというメッセージ性を大切にしています。そして、そのメッセージが「私たち自身の感情や経験に根ざしたもの」であることも重要です。
「LE SSERAFIMらしさ」とは、メンバー同士のチームワークであり、メッセージを通してリスナーとつながりたいという強い思いだと思います。

――これまでのディスコグラフィーの中で、「これこそがLE SSERAFIMだ」と象徴できる時代や作品はありますか?
EUNCHAE:1曲だけを挙げるのは難しいですが、『’PUREFLOW’ pt.1』というアルバム全体が、今の私たちのアイデンティティを最もよく表していると思います。
このアルバムでは、自分たちの感情や考え方とこれまで以上に正直に向き合いました。デビュー当時は「恐れ」をコンセプトに掲げていましたが、活動を続ける中でさまざまな感情を経験し、恐れに対する考え方も変化していきました。このアルバムでは、その変化の過程と、現在の私たちの姿を表現しています。
互いに学び成長する、LE SSERAFIMの絆
――作品づくりには多くの要素がありますが、その土台となるのはメンバー同士の関係性だと思います。これまで浮き沈みもあったと思いますが、皆さんはうまくバランスを保っているように見えます。その関係性はどのように変化してきましたか?
SAKURA:大きく変わったというより、昨年のワールドツアーを通じて、5人で過ごす時間が圧倒的に増えたことが大きいと思います。
ステージが終わるたびにメンバー同士でフィードバックを共有する時間を設けていて、真剣な話し合いを重ねました。チームの将来について考えていることも共有でき、お互いへの理解がより深まったと思います。そうした積み重ねがあったからこそ、今回のアルバムで新しいフェーズに進むことができたのだと思います。

――その過程で、メンバーから学んだことはありますか?
YUNJIN:私はいつもメンバー全員から学んでいます。もちろん自分の方が得意なこともありますが、多くの場面でメンバーたちは私に忍耐強さや積極性を教えてくれるんです。
私は感情の起伏が激しいタイプで、すごく元気な日もあれば、落ち込む日もあります。でもメンバーたちが自然にバランスを取ってくれるんです。私が少し元気をなくしていると、誰かがそれに気づいて、特別な言葉をかけなくても自然と場の空気を明るくしてくれます。
私はよく話すタイプですが、そうではない人もいます。すべてを言葉にする必要はありません。感じたことを行動で示すこともできます。何もかも言葉にしなくていいんだと、私はメンバーから学びました。それは大きな気づきでした。
“他人の評価”との向き合い方、そしてデビュー時からの変化
――有名人だからといって、普通の人と同じように感情を持っていることを忘れ、ネット上で好き勝手なことを言う人もいます。そうした環境の中で、どのように自分を保っていますか?
KAZUHA:おっしゃる通り、この仕事をしていると、私たちは多くの人から話題にされます。外から見える一部分だけで判断され、好き勝手なことを言われることもあります。正直、それをまったく気にしないことは難しいです。
でも私は、他人がどう思うかではなく、「自分自身に満足できているか、今の自分をどう感じているか」に意識を向けるようにしています。それが私たちが大切にしている考え方です。
――それは昔から持っていた考え方ですか?それとも経験を通じて身につけたものですか?
CHAEWON:デビュー当時と比べると、本当に大きく変わったと思います。当時はたとえつらいと感じても、強くあろうとするあまり、自分の感情を見ないようにしていました。
でもある時から、「その感情を受け入れ、自分自身をもっと深く理解しよう」と思うようになったんです。感情から逃げるのではなく、向き合うことを選びました。その経験から、改めて自分自身の新たな面に気づき、結果的により強く成長できたと思います。
LE SSERAFIMが一番伝えたいメッセージ――「私たちも同じ人間」
――CHAEWONさんは以前もグループ活動をしていましたが、このグループに加わった時、どのような責任を感じていましたか?
CHAEWON:前のグループでデビューした時の私はまだとても若く、ある意味、何も怖いものがありませんでした。しかし、活動を続ける中でさまざまな経験を積み、自分なりの考えも持つようになりました。
LE SSERAFIMで再デビューしてからは、年下のメンバーたちが「当時の私と同じような気持ちを抱えているかもしれない」と思うようになったんです。少しでも力になれたらいいなと思っていますし、いつでも“頼れる存在”でいられるよう心がけています。

――アイドルの影響力を活かして発信することを、どのように考えていますか?
YUNJIN:私たちがチームとしてずっと大切にしてきた目標の一つは、「私たちも皆さんと同じ人間ですよ」と伝えることです。
私たちも、皆さんと同じように感情があり、同じように苦しみます。でも、同じように立ち上がることもできる。回復することもできるし、恐れを抱えながらでも前に進み続けることができる。そういうものを発信することを大切にしています。
それはある意味、人間が持つ本能のようなものです。そして最終的に、“お互いを思いやること”が自分たちの責任だと思っています。
――皆さんが注目を集める一方で、メンバー同士で過ごす日常はあまり知られていません。一人ひとりの人間としても、アーティストとしても、もっと理解してもらうために伝えたいことはありますか?
EUNCHAE:私たちはただの有名人ではなく、皆さんと同じ人間だということを知ってほしいです。私たちはさまざまなことを考え、さまざまな感情を抱きます。そしてそれらを、音楽を通して表現しようとしているんです。
そのことを理解してもらえたらうれしいですし、実際に共感してくれる人に出会うと、本当に心強く感じます。そういう人たちの存在が、私たちを前進させる力の源になっています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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