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エド・シーラン、マックルモア降板を謝罪「ガザで起きていることは壊滅的」――騒動後の“孤立”も告白

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エド・シーラン、マックルモア降板を謝罪
エド・シーラン 写真:Bryan Bedder/Getty Images
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現地時間9月19日(土)、エド・シーランがフィラデルフィアのリンカーン・フィナンシャル・フィールドで行った公演で、ラッパーのマックルモアのツアー降板をめぐる一連の騒動について言及した。マックルモアがパレスチナ支持を表明したことから降板して以降、シーランは公の場で初めてこの問題について詳細に語った。

シーランは、「自分は間違いを犯した。本当に申し訳ないと思っている」とし、この戦争について「ガザで起きていることは壊滅的」と語った。

エド・シーランのツアー、“マックルモア降板騒動”の経緯

事の始まりは現地時間9月4日(金)と5日(土)、ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われたシーランの公演だった。この公演でマックルモアはガザの映像を流し、パレスチナを支持する発言をした。その後シーラン側は、ワールドツアーの北米公演のメンバーからマックルモアを外した。

しかし、アーロン・ロウ、フィニアス、ルーカス・グラハム、そしてシーランのバックバンドを務めるビオガなど、このツアーに参加予定だったミュージシャンたちがマックルモアの降板に抗議し、相次いで離脱を表明した。ロウとグラハムは、マックルモアとともにフィラデルフィア公演でオープニングアクトを務める予定だった。

そのため、フィラデルフィア公演ではオープニングアクトなしで公演が行われた。オープニングアクトが全員降板したことから、同公演の開演時間は、当初の午後5時30分から午後8時へ変更された。また、チケット購入者からは払い戻しの請求が相次いだ。米『ハリウッド・リポーター』の取材によれば、チケット販売会社は「払い戻しの方針はイベント主催者が決める」と説明している。さらに、チケットの平均価格は前週と比べて半額ほどまで下落した。

一方で、シーランはInstagramの投稿で「マックルモアがツアーから外れたのはプロモーターの決定であり、自分の決定ではない」と釈明している。ニュージャージー公演では、ユダヤ系オーナーが所有する会場側などから「マックルモアが出演を続けるなら公演を中止する」と通告され、最終的にマックルモアの降板が決定したという。

一方で、マックルモアもInstagramを更新し、「決定の一因はシーランとの話し合いだった」と説明。「シーランは、『フリー・パレスチナ』という言葉とパレスチナ国旗の映像が、彼が話をした多くの人(プロモーター側)にとって傷つくものだと僕に言った」と記した。

「僕は彼に、『この言葉が、イスラエルによって何万人ものパレスチナの子どもたちが殺されていることより不快だというのなら、そうした人々と僕との間には根本的な隔たりがある』と伝えた。だが、彼は『どちら側にも立たない』という姿勢を崩さなかった」

マックルモア
マックルモア 写真:Getty Images

マサチューセッツ公演の会場オーナーは、米『ハリウッド・リポーター』の取材に対し、「マックルモアの最近の行動、ニュージャージー公演でのパフォーマンス、そして反ユダヤ的な言説やイメージなど、より幅広い経緯」に基づいて、マックルモアの降板が決定したと説明した。

その後、マックルモアは「今回のシーランのツアーで得た純収益のうち100万ドル(約1億5,700万円)を、パレスチナの人々を直接支援する6つの団体に寄付した」と明かし、前述の会場オーナーにも同額の寄付を求めた。

これに対してオーナー側は、自身とシーランがそれぞれ200万ドル(約3億1,400万円)を「この地域の人道危機に対する支援のために寄付すること」で合意したと明らかにした。

エド・シーラン、騒動について公演中に説明「僕は間違いを犯した」

19日の公演で冒頭の数曲を披露したシーランは、オープニングアクトやバックバンドのビオガがいないことに言及。「自分がここに立てるかどうかも分からなかった。今夜のサポート・パフォーマーはすばらしい人たちだった」と語った。

さらに、「これが『ループ・ツアー』だ。ループとは、僕の足元にある機材『ループステーション』のこと。今夜聴こえる音はすべて僕がその場で作り、足で操作している。バックトラックは一切ない」と説明した。

また、ツアーを続行した理由について、「僕のコンサートは常に誰もが安心できる場所で、それは僕にとって非常に大切なことだ。ファンとの約束を守ることも、絶対に欠かせない。だから今夜、僕は1人でここに立ち、ツアーを続けている」と説明した。

そして、「普段ならこんな始め方はしないが、歌う前に、この1週間のことについて少し話をさせてほしい」と切り出した。「自分の音楽が批判されることには慣れている。でも今週受けた批判は、それよりはるかに重要なことだった。僕は難しい決断を迫られ、間違いを犯した。本当に申し訳ないと思っている」

続けて、シーランは「ファンをがっかりさせたくないし、活動家のようになりたいと思ったこともない。でも今回、言論の自由と“世界で最も複雑な政治問題”をめぐる、重要な議論の中枢に立たされることになった」と語った。

またシーランは、エンターテインメント業界のあり方についても言及した。「会場側が上演内容を事前に承認するというやり方を憂慮している。世界中の会場で同じようなことが起きているが、自由な世界においては決してあってはならない」

そして、イスラエルとパレスチナをめぐる自身の立場について、次のように説明した。

「僕はこれまで、どんな形であれ政治的なコメンテーターにならないよう努めてきた。音楽やライブは分断ではなく団結するためのもので、僕は政治ではなく人間性をテーマにしたいからだ。だが今回のことは人道的な問題で、もう自分の意見を伏せておくことはできない。

(2023年)10月7日にイスラエルのノヴァ音楽祭で起きたこと(イスラム組織ハマスによる襲撃事件)は恐ろしい出来事であり、ユダヤ人たちが何世紀も抱えてきた苦しみを増幅させるものだった。ガザで起きていることは壊滅的であり、正当化できず、不均衡だ。民間人、特に子どもたちの命が失われ、甚大な被害が出ていることに、胸が張り裂けそうになる。西岸地区で進行している組織的な不正義も、見過ごすことはできない。

僕はすでに、さまざまな立場の人と話をして、悲惨な状況にある犠牲者を助けるために、自分に何ができるかを探っている。自分にはまだ知識が足りないので、耳を傾け、学ぼうとしている」

騒動のショックを赤裸々に告白「みんな僕を見捨てていくように感じた」

公演中には、シーランが自身の心境を赤裸々に告白する場面もあった。シーランは、サブステージを設けなかった理由を「観客の真ん中に立ったら、何が起きるか怖かったからだ」と説明した。

「いつもはこのあたりでサブステージに移動するんだけど、正直に言うと、今夜は観客からどんな反応が返ってくるか分からなかった。物を投げつけられるかもしれないし、怒っている人がいるかもしれないと思った」

さらに、「このツアーを続けられるかどうか、もう一度ステージに立てるのか、そもそも自分がアーティストでいたいのかどうかさえ、本当に分からなくなった」と明かした。

シーランは「多くの人が『ツアーを中止しなさい』と言ってきた。何年も付き合いのあった人たちも僕から離れていき、みんな遠ざかっていった。友人も家族も知り合いも、みんな僕を見捨てていくように感じた」と語ったうえで、「そして、僕を見捨てなかった5万人がここにいる」とファンに感謝を伝えた。

「この1週間、ずっと気分が沈んでいたけれど、ファンに元気づけられた」とシーランが語った時、観客たちはこの日一番の盛り上がりを見せた。

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エド・シーラン=2025年撮影 写真:Paras Griffin/Getty Images for iHeartRadio

さらに、バックバンドの降板について「いつもステージで一緒に演奏しているミュージシャンも今夜はいないが、今でも友人だ」としつつ、「『バンドがいない状態で、どうやってライブを成立させられるだろうか』『今では僕とステージに立ちたがる人は誰もいないのに、どうやってミュージシャンを集めようか』と考えた」と告白した。

最終的に、過去3年間のツアーに帯同したミュージシャンがシーランのオファーを受けた。新たなバックバンドのメンバーは、演奏する楽曲を3日間で覚えたという。

シーランは、「彼らは、僕と一緒にステージに立てば世間から憎まれるかもしれないと分かったうえで、引き受けてくれた。彼らがここに立ってくれたことに心から感謝している」と、バンドメンバーたちを紹介した。

エド・シーランからファンに感謝――「今夜はたくさんの愛を感じた」

「Camera」を演奏する前のMCでは、シーランは次のように語った。

「これほど多くの人が集まり、それぞれ違う意見を持ちながら、一晩のうちに一つになれる場所は、本当に少ない。それは本当にすばらしいことだと思う。こういう場所がなければ、世界は本当に暗い場所へ向かってしまうだろう。分断が進んだ時、僕たちは人間性を取り戻し、みんな同じ人間であること、そして互いを理解できることに気づかなければならない。この1週間は、まさにそういうことを学んだ1週間だった」

シーランは、観客に向けてさらに感謝を述べた。

「人々は好き勝手に言うだろうが、僕はあなたたちのために音楽をやっている。僕は、あらゆる背景、あらゆる人種、あらゆる宗教、あらゆる政治思想を持つ人々を一つにすることが好きだ。ここには意見の違う人がたくさんいるが、すばらしい夜を過ごすことができた。

皆さんも、今日ここに来ることは簡単な選択ではなかったと思う。何が起きるか分からない状況で、僕や皆さんの身の安全が脅かされるかもしれないし、物を投げつけられたり、ブーイングが起きたりするかもしれない。そういう中で、僕はやり遂げることができた。皆さんから本当にたくさんの愛を感じた。世界もアメリカも今、恐ろしい場所と化してしまった。でも、今夜のことは希望を与えてくれる」

さらに、「冒頭で音楽と直接関係のない話(騒動の謝罪)をしたことは謝りたい。特に子ども連れの皆さんは、そういう話を聞くためにチケットを買ったわけではないことも分かっている。でも、あれはどうしても言っておきたいことだった」と釈明した。

「今夜、子どもを連れてきてくれた親御さんたち、本当にありがとう。僕のショーのテーマは、団結や愛、家族、そして人々が一つになることなんだ」

公演前にパレスチナ支持の集会も――警察も警備のため出動

開演時間が変更されたにもかかわらず、この日は午後3時30分ごろからファンがスタジアムに集まり、テールゲートパーティーが開かれていた。また、午後4時30分ごろからは、パレスチナ支持の活動家による集会が行われた。この集会ではシーランのみならず、会場のオーナーらも抗議の対象となった。

開演前にファンの間で特に話題になっていたのは、チケット価格の下落と空席の多さだった。会場またはイベントのスタッフから「空いている下層階の席に移らないか」と声をかけられた観客もいたという。

ファンの中には、「彼は板挟みの状況だった。タイミングを考えると、どちらに転んでも損をする状況だった」と、シーランの難しい立場に理解を示す人も見られた。

コンサートと抗議活動に先立ち、会場には「来場者、従業員、近隣住民の安全確保」のためにフィラデルフィア市警察が出動し、警備にあたった。

※為替レートは2026年9月20日時点の数値で換算しています。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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