是枝裕和が支援、日本のイマジカが映画資金支援プログラムをカンヌで発表
ポストプロダクションおよび映像効果で日本を代表するイマジカ・グループが、創業90年の歴史で初めてオリジナル映画のファイナンス事業に乗り出す。
同社は今後5年間で、日本の新進気鋭の監督による作家性の強い長編映画5本に共同出資することを約束している。
パルムドール受賞監督である是枝裕和(『万引き家族』)がこのプロジェクトを全面的に支援しており、支援対象となる作品の選定にも関与している。
最初の出資作品は、5月14日にカンヌ国際映画祭で行われる記者会見にて発表される予定で、是枝監督とイマジカ・グループ代表の長瀬俊二郎氏が、プロデューサー、監督、作品概要を公開する。
このプログラムについて、関係者たちは「日本の映画業界において、新たなクリエイティブな声を育て、作家性の強い映画づくりを支援する必要性が高まっているという認識が広がりつつある」と語っている。現在の国内市場は依然として原作もの(IP作品)への依存度が高い状況にある。イマジカ・グループの長瀬俊二郎社長はこう述べている。
「ヨーロッパをはじめとする海外の映画祭では、社会的テーマや独自の芸術表現を描いた作品が高く評価されているが、日本ではそのような作品をつくるには依然として高いハードルがある。だからこそ、このプラットフォームを立ち上げたいと思った。才能ある若いクリエイターたちに、映画文化の多様化と、日本映画の国際的魅力を高めるための機会を提供したいと考えている。」
イマジカは、各作品に対して7000万円(50万ドル超)を出資し、さらに日本企業2〜3社を追加の出資パートナーとして招く予定である。是枝裕和はこう語っている。
「この金額は決して多いとは言えないかもしれないが、日本では映画制作に対する公的支援が非常に乏しい。そうした中で、イマジカのような企業が自発的に若手を支援しようと動いてくれたことは、非常に珍しく、意味のあることだ。
この話を聞いたとき、何かできることがあるなら喜んで協力したいと思った。」
これは、是枝にとって日本の映画・テレビ業界の構造改革に向けて進めている取り組みの一環に過ぎない。日本の映像業界における搾取的な労働環境や厳しい上下関係の制作文化に対して、以前から公然と批判を続けてきた。
是枝は、労働環境の改善、映画業界における労働組合の設立、若手クリエイターへの適正な報酬の実現を訴え続けている。また自身の運営する制作会社「分福(Bunbuku, Inc.)」を通じて、若い映画監督や脚本家の育成とメンタリングにも力を注いでいる。
カンヌを前に東京でTHRの取材に応じた是枝裕和は、こう語っている。
「少し前までは、カンヌやヴェネチアで見かける日本人監督といえば、いつも決まって“4K”──つまり、北野武、河瀬直美、黒沢清、そして自分だった。」
「しかし今は、新しい世代が台頭し始めている。濱口竜介は『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞を受賞し、今年のカンヌでは、早川千絵(『ルノワール』)がコンペ部門に、石川慶(『丘の上の遠い影』)がある視点部門に、川村元気(『Exit Eight』)ら若手監督たちも他のセクションに選出されている。」
「こうした流れは、次の世代へのバトンが着実に渡されつつあることを感じさせてくれる励ましになる。とはいえ、日本の業界を改革するには、まだまだ多くの課題が残っている。今回のイマジカの取り組みは、その意味でも非常に価値ある一歩だ。」
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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