想定通りの展開はNG?『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に仕掛けられたサプライズの裏側

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のジョン・ワッツ監督が、制作当時の舞台裏を語った。
2022年に公開された同作では、歴代スパイダーマン俳優であるトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドがサプライズ登場し、大きな話題を呼んだ。だが、当初2人の登場シーンは、現在の形とは異なる演出が予定されていたという。
イタリアで開催された映画祭「メディテラネ映画祭」でのインタビューにて、ワッツ監督は次のように語っている。
「撮影中にはすでに、トビーとアンドリューが出演するという噂が広まっていた。当初は、ピーター・パーカーがメイおばさんを亡くし、悲しみに暮れている場面で、屋上にポータルが開き、2人のスパイダーマンが登場するという展開を想定していた」
しかしその後、米インターネット掲示板、Redditでファンが投稿した予想イラストを見て、ワッツ監督は驚くことになる。そのイラストは、まさに自身が考えていた演出と“ほぼ同じ”内容であったという。
「悲しみの中、屋上でポータルが開き、2人のスパイダーマンが姿を現す──まさにそのままのイラストが投稿されていた。── それを見て、“これはもうできない。予想通りの展開では意味がない”と判断した」
こうした経緯から、監督は急きょ演出を変更。誰も予想しないような登場方法を検討した結果、「ネッドの祖母の家で突然現れる」という意外なシーンが誕生した。
「誰もそんなシーンを想像していないはずだったし、物語としても違和感がなかった。何より、ピーターの視点から一度離れる初めての場面としても機能していた」
また、マグワイアとガーフィールドの2人は、単に登場するだけでなく、それぞれのスパイダーマン像や物語における役割について積極的に提案を行っていた。脚本を手がけたクリス・マッケナとエリック・サマーズによれば、クライマックスでピーターが重大な決断を下す場面には、2人の意見が大きく反映されているという。
現在、トム・ホランド主演によるスパイダーマンシリーズ第4作の制作も進行中である。タイトルは『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』。脚本は前作に引き続きマッケナとサマーズが担当し、監督には『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のデスティン・ダニエル・クレットンが起用されている。全米での公開は2026年7月31日を予定している。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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