ジョディ・フォスター、『F1®︎/エフワン』を「AIが作ったよう」と表現 「批判ではない」と真意語る
アカデミー賞受賞俳優のジョディ・フォスターが、映画『F1®︎/エフワン』を「AIが作った映画のようだ」と表現し、話題を集めている。これは作品そのものを批判したのではなく、AI時代の映画制作について語る中で、高度に洗練された構成や演出を例に挙げた発言だ。
ジョディ・フォスター、『F1®︎/エフワン』を「AIが作ったよう」と語った理由

アスペン・アイデアズ・フェスティバルでは、パンデミックやハリウッドのストライキ、観客の鑑賞スタイルの変化など、映画業界を取り巻く課題が議論された。その中心テーマの一つがAIだった。
フォスターは、「私たちが長期的にAIをコントロールできるなら、人間らしさを反映した、より良い作品を生み出せるでしょう。でも、その技術を数年以上にわたって主導し続けられるかどうかは分かりません」と語る。
さらに元ソニー会長のマイケル・リントンから「AIは脚本家や俳優の代わりになれるのか」と問われると、「俳優については、もう始まっています」と回答。フェイススワップなどの技術を例に挙げ、映像制作の現場では、フェイススワップをはじめとするAI技術がすでに活用され始めているとの認識を示した。
『F1®︎/エフワン』は本当にAIで作られた?フォスター発言の真意

その流れでフォスターが例として挙げたのが、ブラッド・ピット主演、ジョセフ・コシンスキー監督の『F1®︎/エフワン』だった。
彼女は、「批判として言っているわけではありません。この作品は何百万ドルもの興行収入を上げています。でも『F1®︎/エフワン』を見ると、『これはAIが作ったような映画だ』と思うんです」とコメント。
さらに、「物語の構成は映画学校で学ぶ教科書どおり。俳優たちのセリフも、その場面で最も適切な言葉が並んでいるように感じました」と続け、完成度の高いストーリー構成やセリフ回しを、AIが導き出す“最適解”になぞらえて説明した。
米『ハリウッド・リポーター』は、この発言について、フォスターは『F1®︎/エフワン』をAIが実際に制作したと主張したのではなく、AI時代の映画づくりを語るうえで例として挙げたものだと伝えている。
『F1®︎/エフワン』は実写撮影を重視した作品だった

一方で、『F1®︎/エフワン』はAIで制作された作品ではない。
監督は『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー。脚本はエーレン・クルーガーとの共同執筆で、プロデューサーにはジェリー・ブラッカイマー、ブラッド・ピット、F1ドライバーのルイス・ハミルトンらが名を連ねた。
作品はアカデミー賞4部門にノミネートされ、音響賞を受賞。制作では実際のサーキットや実車を使った撮影を重視し、VFXはレースシーンの補完など必要最小限に活用されたという。
VFXスーパーバイザーのライアン・タドホープも、「可能な限り実写撮影を優先した」とメイキング映像で語っている。
AI時代の映画制作を巡る議論は今後も続く
フォスターの発言は、『F1®︎/エフワン』を批判したというよりも、AI時代における映画制作のあり方を考える文脈で語られたものだ。
映画の構成や演出が高度に最適化される現在、AIと人間の創造性をどう両立させるのか――。ジョディ・フォスターの発言は、『F1®︎/エフワン』そのものへの評価というよりも、AIと人間の創造性が共存する時代の映画制作をどう捉えるかという問いを投げかけたものといえそうだ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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