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【訃報】『スター・トレック』チェコフ役ウォルター・ケーニッヒ死去、90歳──『バビロン5』のアルフレッド・ベスター役でも活躍

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【訃報】『スター・トレック』チェコフ役ウォルター・ケーニッヒ死去、90歳──『バビロン5』のアルフレッド・ベスター役でも活躍
ウォルター・ケーニッヒ 写真:Getty Images
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『スター・トレック』シリーズでロシア人乗組員パヴェル・チェコフを演じた俳優のウォルター・ケーニッヒが死去した。90歳だった。『バビロン5』で演じたアルフレッド・ベスター役でも知られるケーニッヒは、現地時間10月25日、米カリフォルニア州ノースハリウッドの自宅で亡くなった。代理人によると、死因は老衰とされている。

『スター・トレック』でチェコフ役を演じ、シリーズを支えた

ケーニッヒは、ジーン・ロッデンベリーが手がけたSFドラマ『スター・トレック』のシーズン2から出演。1967年から1969年にかけて放送された全50話のうち36話に登場した。また、同作を原点とする劇場映画シリーズでも、1979年公開の第1作から1994年公開の第7作『スター・トレック ジェネレーションズ』まで、パヴェル・アンドレイエヴィチ・チェコフを演じた。

2013年にテレビ・アカデミー財団のインタビューに応じた際、ケーニッヒは出演が決まる前に『スター・トレック』を見たことがなかったと明かしている。チャンネルを変えているときに番組を目にしたものの、セットに使われていた発泡スチロールの岩があまりにも人工的に見えたため、作品を真剣に見る気にならなかったという。

ケーニッヒが初めてロシア人役を演じたのは、1963年のNBCドラマ『ミスター・ノパック』だった。米国に亡命した学生を演じたほか、翌1964年にはロッデンベリーが手がけたドラマ『ルテナント』にもゲスト出演。共産主義者の母親を持つ若い軍曹を演じ、士官への昇進を目指す人物を表現した。

『スター・トレック』のオーディションを受けた後、採用の連絡を待っていたケーニッヒは、衣装部屋に案内されて初めて出演が決まったことを知ったという。

ケーニッヒは、衣装担当者がズボンの股下を採寸し始めたことで、自分の出演が決まったと悟ったという。正式な採用の知らせを受ける前に、人生を変える役を得たことを知ったエピソードだ。

俳優を志し、テレビドラマでキャリアを築く

1936年9月14日、シカゴに生まれたケーニッヒは、リトアニアから移住した両親のもと、ニューヨークのマンハッタンで育った。父親はRCAビクターで翻訳者として働いた後、事業を営んだ人物だった。ケーニッヒによれば、父親は熱心な共産主義者で、FBI捜査官が一家のアパートを捜索したこともあったという。

高校時代には舞台作品『ペール・ギュント』や『悪魔の弟子』に出演。卒業後はアイオワ州のグリネル大学で医学進学課程を学んだが、2年次を終えた後にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)へ転校し、心理学を専攻した。

転機となったのは、大学で受講した演技の授業だった。担当教員の推薦を受けたケーニッヒは、1958年、ニューヨークの演劇学校ネイバーフッド・プレイハウスで演技を学び始めた。同校ではジェームズ・カーン、クリストファー・ロイド、ダブニー・コールマンらとともに演技を学んだ。

その後、ロサンゼルスに戻り、バート・ランカスター主演映画『明日なき十代』(1961)への出演が決まりかけたものの、企画は実現しなかった。代わりにテレビ番組『デイ・イン・コート(原題:Day in Court)』で映像作品への出演を果たし、1963年には医療ドラマ『ジェネラル・ホスピタル』のパイロット版と初期の2エピソードに登場した。

当時のケーニッヒは、さまざまなアクセントを使い分ける演技を得意としていた。フランス人、アルメニア人、スウェーデン人、ドイツ人など幅広い人物を演じ、非行少年役にも取り組んだ。1964年には『ジ・アルフレッド・ヒッチコック・アワー(原題:The Alfred Hitchcock Hour)』に出演。このエピソードを監督したジョセフ・ペブニーと脚本を担当したハーラン・エリスンは、後に『スター・トレック』にも関わることになる。

ペブニーはチェコフ役のオーディションにも関わっており、ケーニッヒの演技を高く評価していたという。ケーニッヒは、ペブニーから将来の活躍を期待する言葉をかけられたことが、役を得る後押しになったと振り返っている。

若い視聴者から人気を集めたチェコフ役

ケーニッヒによると、チェコフ役は当初「ジョーンズ」という名前で構想されていた。制作側は、当時人気を集めていたバンド、ザ・モンキーズのデイビー・ジョーンズのように、8歳から14歳の子どもたちに親しまれる俳優を求めていたという。

実際、ケーニッヒのもとには若いファンから大量の手紙が届いた。髪型を褒める内容も多かったが、本人がかぶっていたのはウィッグだった。ファンレターの数は、ウィリアム・シャトナーとレナード・ニモイに次ぐ多さだったと語っている。

一方、ケーニッヒはチェコフの人気が次第に落ち着いた理由についても、ユーモアを交えて説明していた。髪が本物ではなかったこと、自身が実際にはロシア人ではなかったこと、そして結婚していたことが、若いファンの憧れに影響したのではないかと振り返っている。

ドラマ本編では、チェコフに与えられる役割は決して多くなかった。ケーニッヒ自身も、物語の骨格を提示し、その展開をジェームズ・T・カーク、スポック、レナード・マッコイら主要人物が担う構成だったと理解していた。

しかし、映画シリーズでは役柄の存在感を発揮し、『スター・トレックII カーンの逆襲』(1982)や『スター・トレックIV 故郷への長い道』(1986)にも出演した。

1976年には、シャトナーとともに刑事ドラマ『刑事コロンボ』のエピソードに出演した。ただし、撮影中に2人が会話を交わすことはなく、共演シーンもなかったという。ケーニッヒは、テレビシリーズの終了から映画版の時期にあたり、シャトナーは自分の名前を覚えていなかったのではないかと語っていた。

また、出演料などの制作上の事情から、アニメシリーズ『まんが宇宙大作戦』でチェコフ役を演じられなかったことに不満を抱いていたという。一方で、1973年から1974年に放送された同作のエピソードの脚本を手がけている。

2017年には、クラウドファンディングによって制作されたウェブシリーズ『レネゲイズ(原題:Renegades)』に再びチェコフ役で登場。143歳になった提督として、キャラクターのその後を演じた。

『バビロン5』で新たな代表的役柄を獲得

『スター・トレック』の放送終了後、仕事が途絶えることを心配したケーニッヒは、脚本家としての活動にも力を入れた。『超能力プリンス マシュー・スター』『ファミリー(原題:Family)』『恐竜王国』『超人ハルク』などのテレビシリーズで脚本を執筆。SF映画『パラサイト 地球外生命体』(2007)では脚本・製作・主演を務めた。

もう1つの重要な代表作となったのが、SFドラマ『バビロン5』だ。

ケーニッヒは1993年に心臓発作を起こし、冠動脈バイパス手術を受けた。その後、体調が回復すると、シリーズのクリエイターであるJ・マイケル・ストラジンスキーが彼にアルフレッド・ベスター役を用意した。

チェコフとは対照的に、ベスターは複雑な背景を持ち、複数のストーリー展開に深く関わる重要人物だった。ケーニッヒはこの役を通じて、長年親しまれてきた『スター・トレック』とは異なる一面を見せた。

俳優業に加えて執筆活動にも取り組み、1998年には回顧録『Warped Factors: A Neurotic’s Guide to the Universe』を出版。2020年には、自身の人生と『スター・トレック』出演以前・以後の経験を振り返る著書『Beaming Up and Getting Off: Life Before and Beyond Star Trek』を発表した。

私生活では、1965年7月に女優のジュディ・レヴィットと結婚。レヴィットは『スター・トレック』の映画3作品や『バビロン5』にも出演しており、2人は2022年12月に彼女が83歳で亡くなるまで連れ添った。

息子のアンドリュー・ケーニッヒは、ABCのシットコム『愉快なシーバー家』でリチャード・“ボナー”・スタボーン役を演じた俳優だったが、2010年に41歳で自ら命を絶った。

遺族には、女優・脚本家として活動する娘のダニエル・ケーニッヒがいる。彼女はアニメシリーズ『悪魔バスター★スター・バタフライ』などに携わった。

ケーニッヒは、『スター・トレック』のチェコフ役で長年にわたりファンに親しまれたほか、脚本家としても活動。『バビロン5』ではアルフレッド・ベスター役を演じるなど、SF作品を中心に幅広いキャリアを築いた。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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