『ターミネーター』リンダ・ハミルトン、引退撤回の理由は“あの作品”だった

リンダ・ハミルトン 写真: HAN MYUNG-GU/WIREIMAGE
リンダ・ハミルトン 写真: HAN MYUNG-GU/WIREIMAGE
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映画『ターミネーター』シリーズのサラ・コナー役として知られるリンダ・ハミルトンが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。

現在、ドラマ『レジデント・エイリアン 〜宇宙からの訪問者〜』に出演中のハミルトンは、Netflix『ストレンジャー・シングス 未知の世界』ファイナルシーズンへの出演も決定しており、多忙な日々を送っている。

数十年にわたり業界に身を置いてきたハミルトンが、自身の輝かしいキャリア、そして今後の展望について語ってくれた。

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ー最近のインタビューで、『ストレンジャー・シングス』への出演が決まり、この作品をもう観られなくなったとおっしゃっていました。『レジデント・エイリアン』も同様ですか?

『レジデント・エイリアン』も観ていません。もう自分の姿を見るのは耐えられないんです。ただ、自分を見るのがそれほど好きじゃなくて。

ー『ターミネーター2』を最後に観たのはいつですか?

何年も前です。私は読書家で、テレビにはあまり頼りません。

私は、作品を何度も見返したりはしません。栄光の日々というのは、一切ないですね。

リンダ・ハミルトン、『ターミネーター2』
リンダ・ハミルトン、『ターミネーター2』

ー あなたのキャリアには、本当に素晴らしい作品がたくさんありますね。今の世界は、全く違う風景に思えるでしょう。

長い波に乗ってきたのは、喜ばしいことです。様々な物事を見てきたし、映画・テレビ、特にテレビの変化については間違いなく言及できます。

ストリーミングや、インティマシー・コーディネーターなど多くの新しい仕事が生み出されたという点で、ハリウッドの歴史の中で物事が今ほど速いスピードで変化したことはないでしょう。

ー AIが業界に与える影響をめぐる議論は、新しい局面を迎えています。『ターミネーター』の世界から来たあなたの見解をぜひ伺いたいです。

「しょうがない」としか言いようがないですね。システムというものにはアップグレードが付き物で、そのボタンを押し続けなければならない。さもなくば、機器が全く動かなくなってしまうから。

だから、私は学ぶのが好きなんです。AIに関しては、どう展開していくのかを見守るだけですね。

変化しているのは映画製作者やツールだけではなく、取り組み方全体です。企業がスタジオを運営しているというのは、何かが失われているように感じます。

一方で今は、私の全盛期のネットワークテレビよりも、ずっと良い脚本がある。誰かが素晴らしい番組を作っているのを見るのは喜ばしいですよ。

リンダ・ハミルトン
リンダ・ハミルトン

ー 決め手は、脚本なんですか?

そう、小さな役でもね。脚本に良い文章があれば、私はその一員になりたい。スターである必要はなくて、演じるための良い台詞があればそれで十分。私は、ただの役者なんです。

監督になりたいとも、プロデューサーになって管理したいとも思ったことはない。本当に演技が大好きで、私の夢は実現されてきました。

ー そして『ストレンジャー・シングス』で、また夢が叶いますね。

初めて、意味のある役をもらった気分です。存在が忘れ去られたとは思っていないけれど、実は引退にも言及していました。やることがないからではなく、ただタフでいることに疲れてしまったから。

ここ数年は腰が痛くて、『レジデント・エイリアン』シーズン3の準備中にエージェントに文句を漏らしていました。

彼は引退を本気にしていなくて、それから約2週間後、私に聞きもしないで『ストレンジャー・シングス』の仕事を受けたんです。

ー『ストレンジャー・シングス』からの依頼は、断れませんね。

この作品に出るためなら、引退から復帰します。出演すれば、新しい観客との時間が得られると思うので。

でも『ターミネーター』は、最大の切り札であり続けます。ファンの方々は素晴らしくて、まるで私が世界を救ったかのように扱ってくれます。

ー現在は、リブートや続編の時代です。2024年の今が、それほどクールではないからでしょうか?

私自身は、80年代を「素晴らしい時代」だとは思っていません。人々は、50年代を何もかもが始まる前の「無垢な時代」だと見なしていますが、いつかは80年代についても同じような見方がされるかもしれません。

そして、いつかは2024年も「無垢な時代」だったと言われるかもしれませんね。

ー 『ターミネーター』の次作を書くのは、AIの可能性が高いですね。

そうですね。AIが『ターミネーター』を作ったら、サラ・コナーは殺されてしまうかもしれません。それが最良のシナリオです。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』写真: SKYDANCE PRODUCTIONS AND PARAMOUNT PICTURES
『ターミネーター:ニュー・フェイト』写真: SKYDANCE PRODUCTIONS AND PARAMOUNT PICTURES

ー『ターミネーター:ニュー・フェイト』に満足していますか?それとも後悔していますか?

私はあまり後悔することはありません。最終的には、やらなかったことを後悔するのが一般的だと思います。

ティム・ミラー監督も、共演者も大好きでした。ただ作品自体は、自分の愛着が強すぎて、あまり好きになれませんでした。一度しか観ていません。

この映画には、私の人生における最高と最悪が詰まっています。63歳だったので、トライアスロンのような過酷な撮影でしたね。撮影中は本を40冊も読んで、横になって体を休めることしかできませんでした。

ー 今後、どのような役柄に挑戦したいですか?

母親を演じられたらいいですね。もっと時代物のドラマにも挑戦したいと思っています。過去40年にわたり、血まみれで髪もボサボサなキャラクターばかり演じていたので。

今は、『ストレンジャー・シングス』や『レジデント・エイリアン』などの作品に出演できることを、とても嬉しく思っています。

軍人役以外の役柄にも挑戦できるようになってきました。とにかく、チャレンジすることと演じることが大好きなんです。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌

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