エイザ・ゴンザレス、『三体』シーズン2に期待「凄く楽しみ」― 今後はガイ・リッチーの新作2本に出演
ガイ・リッチー監督最新作『The Ministry of Ungentlemanly Warfare(原題)』(全米公開中)のエイザ・ゴンザレスが、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに登場。
新作『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』は、第二次世界大戦中にウィンストン・チャーチルの特殊作戦執行部(SOE)がナチス・ドイツのUボートを無力化するために行った秘密任務“ポストマスター作戦”(※)を描くアクションスリラー。
※ポストマスター作戦は、最近になって機密解除された。これらの非公式の特殊部隊とスパイの活躍は戦争の流れを変え、その結果、アメリカは1942年にヨーロッパ作戦戦域に参加することができた。
本作でゴンザレスが演じるのは、戦闘員でありスパイでもあるマージョリー・スチュワート。彼女は、ナチスが頻繁に訪れるフェルナンド・ポー島に拠点を置き、ガス・マーチ=フィリップス(ヘンリー・カヴィル)らSOEの仲間たちに、ナチスの動向を伝えている。
実際のスチュワートはポストマスター作戦に参加していないが、計画に重要な役割を果たしたため、ゴンザレスは自身のキャラクターがSOEの勇敢な女性たちを反映し、称えることを目指したという。
ゴンザレスは本作に加え、今後リッチーの新作2本(『In the Grey』と『Fountain of Youth』)に出演予定だ。
現在引っ張りだこの彼女が、多言語を操るマージョリー役への挑戦、Netflix『三体』シーズン2への期待、友人ロザムンド・パイクとの不思議な縁、そして仕事でミスした時の対処法などについて語ってくれた。
ー『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』は、ガイ・リッチー監督とのコラボレーション第1弾なのですね?
3本のうちの1本目です!1年半前、私はこの映画に出たいとお願いしていたのですが、今こうして話している最中にも、彼と3本目の現場にいるんです。皆さんがこのことを話題にし続けているのは、本当にクレイジーな感じがします。
ーリッチー監督は、過去5年間で6本の映画とドラマをリリースしています。どうしてそんなに働いているのか聞いたことはありますか?彼は、三体星人(※)がもうすぐ到着すると心配しているのでしょうか?
※ 三体星人は、『三体』に登場する地球に向かっている宇宙人
(笑)彼は、三体星人が来ると思っているのでしょう。
実は3日前、このことについてガイと話したんです。彼は、「僕は止まるのが嫌いなんだ」と言っていました。現場にいる時は、ただゾーンに入っているんです。そして、スタッフの方々は本当に家族のようです。
3本続けて一緒に仕事をしていますが、現場の雰囲気は最高です。ガイは私に挑戦させてくれるので、そういうところが大好きなんです。自分にはできないと思っていたことにチャレンジさせてくれる人たちと一緒にいたい、と凄く感じています。
ーあなたが演じるマージョリーは、多言語を操る知的な英国人スパイであり、戦闘員でもあります。常に一歩先を行っているように見えますが、その印象を作り出すための究極の鍵は、自信なのでしょうか?
自信があるように見えるかもしれませんが、特にガイ・リッチーの渦に放り込まれた時は、そうは感じません。彼からは、「このセリフをフランス語で言えますか?これをイタリア語で言えますか?」といった風に土壇場で指示が飛んできます。
私は、準備がすべてだと信じています。空き時間を使って、アクセントを勉強したりして自分を磨くのです。結局のところ、それが自信につながり、違ったエネルギーで現場に立てるのです。
本作の役柄に関しては、長い間アクセントの練習に取り組みました。メキシコ人女性として、私が演技を始めたのは、あらゆるものに変身したかったからです。もし一生メキシコ人女性を演じるつもりなら、おそらく母国にいたままだったでしょう。
この仕事で私が好きなのは、何にでもなれるということです。ずっと前からイギリス人を演じたいと思っていましたが、それは試行錯誤の連続です。誰もが完璧主義者で、自分の仕事について誰もが意見を持つ世界にいるのは本当に大変ですが、信じて飛び込むしかない。やることすべてが成功するとは思っていませんが、自分を駆り立てるようにしています。
だからこそ、マージョリーのような役柄は凄くワクワクしました。これから、あらゆることを臨機応変にこなし、課題に本気で取り組む必要なければならないと分かっていました。ガイは、私の情熱と欲求を見抜いてくれたと思います。
ーブリティッシュアクセントに関しては、『三体』の撮影で約1年間イギリスに滞在していたことが役に立ちましたか?
そうですね、かなり役に立ちました。個人的に、もともと言語に情熱を持っているので、いつもアクセントや発音などに特別な注意を払っているんです。なので、1年間も滞在すると、聞こえてくるものに慣れてきます。また、発音コーチが撮影現場にいたので、ひたすら挑戦でしたね。
スウェーデンやオーストラリアの俳優がどんな役もこなしている姿を見ていますが、それこそが自分のキャリアの鑑なんです。何にも制限されず、すべてをこなせるようになりたいと考えています。
一般的にキャスティングの基準は、あなたがそれをできるかどうかだけです。もしできるなら、人々はあなたと一緒に馬に乗ってくれるでしょう。だから、とにかく取り組むしかありません。
ー現在、世界は複雑な時期にあります。本作がきっかけで、まだ光が当たっていない今日の英雄的な人々について思いを馳せましたか?
はい、もちろん。(ポストマスター作戦の)情報は、2016年になってようやく機密解除されたばかりです。特に今世界で起きていることを考えると、思いを馳せずにはいられません。SOE(特殊作戦執行部)の女性たちの尽力について学び、これらの物語の一つを掘り下げることができて光栄です。
私はずっと、第一次世界大戦と第二次世界大戦の物語を伝えたいと思っていましたし、この時代の人々の粘り強さに感銘を受けてきました。当時の女性たちの信じられないような物語を読むと、自分が無力に感じるんです。彼女たちが生き延びるためにやらなければならなかったことは本当に驚異的で、純粋な賞賛の念しか持てません。
現在、世界は混沌としています。この映画の狙いは、希望を感じてもらうことなんです。この任務はチャーチルが独断的に行ったものでしたが、それが上手くいきました。第二次世界大戦の軌道を大きく変えた一方で、人々には知られていません。なので、私は希望を持っています。
ー実際のマージョリーは、ガス・マーチ=フィリップスと任務後に結婚しています。劇中のシーンで、あなたとヘンリー(ガス役)はそのことを示唆しましたか?
当初、私たちはいくつかのアイデアを検討しました。でも私は、恋愛面を掘り下げるより、この着地点の方が遥かに強力だと感じました。本作は、彼女たちがスパイとして成し遂げたことと、個性を尊重することに重きを置いています。
女性としては、男性のお飾りや恋愛関係の相手といった役がたくさん来ます。必ずしもそういった役柄が悪いわけではありませんが、恋愛から離れて、個々の女性の能力を称えることができるのは素晴らしいですね。
ー『三体』であなたが演じたオギーは、罪悪感や友人たちから距離を置こうとしていましたね。
その通りです。オギーの物語は、シーズン1で本当にハードなものになっています。
彼女は必ずしも好感が持てるようには描かれていません。シーズン1のオギーは、非常に興味深い崩壊寸前の状態にあるのです。
ショーランナーの3人は、キャラクターたちをどうするべきかを知っていて、私たちが現在彼らについて考えていることが全てではありません。なので私は、シーズン2が実現する可能性と、オギーの可能性について本当にワクワクしているんです。
厳密に言えば、シーズン1の最後でオギーは置き去りにされています。だからこそ、彼女が肉体的、感情的に次にどんな場所にいるのか、役者としては凄く楽しみにしています。
ーガイ・リッチー監督の次作『In The Grey』では、マイケル・ベイ監督『アンビュランス』で共演されたジェイク・ギレンホールと再会を果たしますね。
『In the Grey』では、ヘンリー(・カヴィル)とジェイクだけでなく、ロザムンド・パイクとも再会しました。かねてより、彼女との再共演を熱望していたんです。
私はロザムンドに電話をかけて、「一緒にこの映画に出てくれない?本当にあなたに会いたい」と頼みました。すると、彼女は「いいよ。休みが何日かあるから、行った方がいいかかな?」と言ってくれたんです。
そして、彼女をガイに紹介しました。ロザムンド・パイクを『In the Grey』にキャスティングしたのは私ということになりますね。
ー映画『パーフェクト・ケア』で親交を深めたロザムンド・パイクは、『三体』への出演を説得してくれたのですね。彼女とパートナーのロビー・ウニアックは偶然原作の権利を所有していたので、ドラマの製作総指揮を務めました。
それは本当に偶然だったんです。実は、出演を考えていることを伝えるために彼女に電話をかけると、「ちょっと待って、あなたがオファーを受けているの?」と言うので、私は「そうだよ!」と答えました。
すると彼女が、「それって物凄くクレイジーだよ」と言うので、私は「どうして知らないの?あなたはプロデューサーじゃないの?」と聞いたんです。そしたら彼女は、「そうだけど、(クリエイターの)ダンとデイヴは誰を起用したいかについてすごく秘密主義だから」って。
なので、彼女にとっても驚きだったのですが、すべての道はロザムンド・パイクに通じているんだと思います。
ーあなたは普段仕事でミスした時、どのように対処していますか?自分を責めますか、それとも次のテイクや次の日には繰り返さないと言い聞かせますか?
状況によりますね。それはこの業界の面白いところでもあって、ある恐怖を克服したと思った矢先に、実はそうではないことがあります。その瞬間は思いがけずやって来ますが、それもこの仕事の美しさであり、常にオープンでなければいけません。
私はかなりの完璧主義者で、それを手放す方法を学ぼうとしていますが、間違いについては何ヶ月も考え続けてしまいます。時には、個人的な事柄や人生の瞬間がパフォーマンスの糧になることもあります。上手くいくこともあれば、そうでないこともありますが、結局は自分に優しくしなければならないのです。
できる限り自分自身に優しくするようにしています。一方で、大胆な仕事を引き受けるのが好きなので、矛盾したことを言っているとも感じますね。
できる限り自分を追い込むのが好きなんですが、それは時に間違いや手放すことに対して有害になることもあります。私は、自分をそう簡単には許せません。
映画『The Ministry of Ungentlemanly Warfare(原題)』は現在、全米公開中。
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※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌