草薙剛『碁盤斬り』の決めゼリフをド忘れも「今だからこそ見る意味のある作品」

『基盤切り』初日舞台挨拶の様子
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白石和彌監督初の時代劇で、俳優の草彅剛が主演する映画『碁盤斬り』の初日舞台挨拶が17日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。

古典落語「柳田格之進」をベースにした物語。えん罪の濡れ衣を着せられて彦根藩を追われ妻も失った格之進が、娘のお絹とともに江戸でその真相に迫っていく姿を描く。草彅は「今だからこそ見る意味のある作品。時代劇から若い人の足が遠のいているという話を小耳に挟んだ。得意ではない人にも届けたくて、テクノロジーが発達している現代でも言葉一つ一つに重みのある、しっかりした作品ができて幸せに思う」と満足げに話した。

『碁盤斬り』主演の草薙剛

格之進は、囲碁に精通しその腕前で周囲との交流を深めていく。だが、「囲碁を通して距離が近くなるのが面白い。ルールは分からないんですけれどね。置くところだけ分かっていた」と突然のカミングアウト。撮影中に囲碁を習っていた清原果耶と中川大志が驚く中、「教えてくれる先生に大丈夫ですって言っちゃったんです。しょぼんとしていたので申し訳ないなと思っていたら、若い2人が食いついてくれて助かった。ありがとう」とさらりと言ってのけ、周囲をあ然とさせた。

さらに、宿敵に「忘れてはおらぬな」と啖呵(たんか)を切るクライマックスのシーンについて問われると、「僕、言いましたっけ?」と、まさかのド忘れ。予告編にも使用されているシーンで、白石監督が「一番気合を入れて撮ったのに」とこぼしたが、「基本的に全部気合が入っていたので」とあくまでマイペース。撮影から1年以上たっていることを踏まえ、「多分、最後の方のやつですよね。僕も、もう1回見ます」と苦笑交じりに語った。

草薙剛(左)と清原果耶(右)

それでも、作品の出来には自信たっぷり。「映画に映し出されている僕たちは、もう帰ってきません。その瞬間瞬間に生まれた思いを込めて届けたい一心で作りました。古き良き時代の、今は忘れている魂をご覧になって、心が穏やかになり感じるものがあったらうれしく思う」と力強く語った。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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