『キャシアン・アンドー』シーズン2第3話のある描写に波紋 『スター・ウォーズ』ファンに衝撃を与える

Disney+で高評価を得ている『キャシアン・アンドー』は、『スター・ウォーズ』シリーズの中でも異彩を放つ作品であり、大人向けの視点から物語を描く点で話題となっている。そんな中、シーズン2のあるシーンが大きな波紋を呼んでいる。
※以下は、『キャシアン・アンドー』シーズン2のネタバレを含みます。
議論の的となっているのは、シーズン2第3話に登場するある場面。逃亡中の反乱者ビックス・カリーン(アドリア・アルホナ)が農村地帯に身を潜めていた際、帝国軍の将校が彼女に対して性的な暴力をほのめかすような行動に出る。
将校は当初、穏やかな態度でビックスに接近するものの、次第に不穏な行動へとエスカレート。やがてビックスは身の危険を感じ、激しいもみ合いの末に将校を殺害するに至る。この一連の描写は、性的暴力の脅威を強く示唆するものであり、『スター・ウォーズ』シリーズの中でも極めて異例の内容となっている。
本作のクリエイターであるトニー・ギルロイは、米『ハリウッド・リポーター』の取材に対し、「戦争を描く以上、性的暴行という現実を避けて通るのは誠実ではない」と語っている。
この描写に関してディズニーからの反対はなかったという。ギルロイは「ガイドラインはあるが、今回のシーンに関して誰からも否定的な意見は受けていない」と説明している。
このシーンをめぐるファンの意見は大きく分かれている。
ある大手ファンアカウントは「『スター・ウォーズ』にレイプのような描写は不要」と強く批判。帝国の残虐さは他の方法でも表現できると主張した。
また、別のファンは「大人向けの『スター・ウォーズ』には賛成だが、性暴力未遂や“レイプ”という言葉を使うまで踏み込むのは受け入れられない」とし、『キャシアン・アンドー』に失望を示す声を上げた。
一方で、肯定的な意見も少なくない。あるファンは「帝国軍による権力の乱用と、ビックスが“登録されていない移民”として狙われる描写は、現実社会の政治や差別構造を反映している」と高く評価。「ファシズムと真正面から向き合う姿勢を感じる」として作品を称賛した。
また、旧三部作『ジェダイの帰還』でのレイア姫の“奴隷ビキニ”など、シリーズ過去作にも性的支配のニュアンスは存在していたとの指摘もある。今回との違いは、それが明確に“性暴力未遂”として描写された点にある。
『キャシアン・アンドー』は、Disney+で配信中の『スター・ウォーズ』ドラマの中でも群を抜いて高い評価を受けており、米批評サイト『ロッテン・トマト』ではシリーズ中最高スコアを記録している。
本作は、映画『ローグ・ワン』の前日譚として、キャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)の反乱同盟参加までの過程を描いている。現在配信中のシーズン2は全12話構成で、4週間にわたり3話ずつ公開される予定である。
※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。
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