【東京国際映画祭】世界が注目した名場面を厳選|レオナルド・ディカプリオも来場
第38回東京国際映画祭がいよいよ10月27日(月)からスタートする。1985年に創設された日本最大の映画祭であり、アジアを代表する国際映画祭のひとつだ。
世界中から多彩な映画人が集まり、東京を舞台に“映画の今”を紹介してきた。過去にはハリソン・フォード、トム・クルーズ、リュック・ベッソン、チェン・カイコーほか多数の豪華ゲストが来場している。
この記事では、第38回東京国際映画祭の開幕を記念して、世界が注目した受賞作品、俳優、監督をご紹介していく。
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【受賞・話題作品】
第13回グランプリ受賞作品『アモーレス・ペロス』(2000年)

2000年。メキシコから届いた一本の衝撃作がスクリーンを震わせた。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の長編映画デビュー作『アモーレス・ペロス』だ。本作は、2000年度のカンヌ国際映画祭批評家週間と第13回東京国際映画祭でグランプリを獲得し、新しい才能の登場に世界中が熱狂する。
後にイニャリトゥ監督は、『バベル』(2006年)『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)など話題作を発表し、メキシコ映画界を代表する巨匠へと歩んでいく。
本作はメキシコ・シティを舞台に3つの愛の悲劇をオムニバス形式で描いた作品だ。
▼アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品
『バベル』(2006年)
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子など

『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソンなど
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第24回グランプリ受賞作品『最強のふたり』(2011年)

「信じよう。映画の力。」をスローガンにした第24回東京国際映画祭で、フランス映画『最強のふたり』が最高賞となる東京サクラグランプリ、主演のフランソワ・クリュゼとオマール・シーが主演男優賞に輝いた。その後、日本でロングランヒットし、第36回日本アカデミー賞で最優秀外国作品賞を受賞した。
全身麻痺で車いす生活を送る大富豪と、介護役として雇われたスラム出身の黒人青年との交流をユーモア交えて描いた実話ドラマだ。

第28回グランプリ受賞作品『ニーゼと光のアトリエ』(2015年)

過去1年の新作を紹介する「Japan Now」、デジタル復元された旧作を上映する「日本映画クラシックス」の2部門を新設した第28回東京国際映画祭。
この年の最高賞となる東京グランプリ・東京都知事賞に輝いたのはブラジル映画『ニーゼと光のアトリエ』だ。主人公ニーゼを演じたブラジルの女優グロリア・ピレスは最優秀女優賞を受賞した。
精神疾患と医療といったユニークなテーマを扱った本作が選ばれたことは、“テーマ性の強い国際作品”を重視したことがうかがえる。

第37回グランプリ受賞作品『敵』(2024年)

吉田大八監督の『敵』が東京グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞(長塚京三)の3部門を受賞した。日本映画のグランプリ獲得は根岸吉太郎監督の『雪に願うこと』以来19年ぶり、主要3冠制覇は第35回東京国際映画祭でロドリゴ・ソロゴイェン監督作品『理想郷』以来の快挙となった。
原作は筒井康隆氏の同名小説で、仏文学の大学教授の職を辞しストイックな生活を送る77歳の主人公を長塚京三が演じた。河合優実、瀧内公美、松尾諭らが脇を固める。

・東京国際映画祭『敵』が日本映画19年ぶりグランプリ、監督賞、男優賞と合わせ3冠
・『敵』で東京国際映画祭最優秀男優賞の長塚京三「自分の姿を見て初めて感動した」
【伝説の俳優たち】
グレゴリー・ペック(第2回・1987年)

「インターナショナル・コンペティション」部門が新たに新設された第2回東京国際映画祭では、ハリウッドの名優グレゴリー・ペックが審査委員長を務めた。1985年からスタートした東京国際映画祭は、日本国内外での知名度を確立しつつあった。グレゴリー・ペックというハリウッドの大物を審査委員長に据えたことは、東京国際映画祭の国際的な信頼性・注目度を高める上で重要な基盤となった。
ペックをはじめ、第2回の審査員にはアラン・パーカー監督、 ムリナール・セーン監督、クロード・ベリ監督ほか国際的な映画人が名を連ねた。
▼グレゴリー・ペック出演作品
『ローマの休日』(1953年)

『アラバマ物語』(1962年)

『オーメン』(1976年)

レオナルド・ディカプリオ(第10回・1997年)

第10回東京国際映画祭では『タイタニック』がオープニングを飾り、ジェームズ・キャメロン監督と主演のレオナルド・ディカプリオが来日を果たした。『タイタニック』は、1997年11月1日に東京国際映画祭で世界初公開(プレミア上映)された。
当時のレオナルド・ディカプリオは『ギルバート・グレイプ』(1993年)『ロミオ+ジュリエット』(1996年)の活躍で“レオ様ブーム”を巻き起こしていたが、まだ世界的な“超大スター”という位置づけではなかった。しかし、来日がきっかけで日本でも一気にファンが急増。
そして、東京でのプレミア上映から1か月後の12月に『タイタニック』は全米公開され、ディカプリオは瞬く間に“世界のレオ様”としてスターダムを駆け上がっていく。
まさに、世界的ブレイクの前夜に来日するというディカプリオにとっても意義深い映画祭となった。
・レオナルド・ディカプリオ最新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』公開直前|名監督と共演を重ねた秘訣を語る
・『ヒート2』が始動──マイケル・マン監督×レオナルド・ディカプリオ主演候補で伝説の続編が現実に
▼レオナルド・ディカプリオ出演作品
『ギルバート・グレイプ』(1993年)

『ロミオ+ジュリエット』(1997年)

『タイタニック』(1997年)

カトリーヌ・ドヌーヴ(第23回・2010年&第37回・2024年)

“未来への持続”をテーマに掲げた第23回東京国際映画祭。特別招待作品『しあわせの雨傘』の上映に合わせて来日したのは、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴだ。海外の名優が日本の映画祭に公式出席することは、作品の宣伝のみならず、映画祭自体の国際的な注目度の向上にも寄与する。
第37回東京国際映画祭では、カトリーヌ・ドヌーブ主演作『SPIRIT WORLD(スピリットワールド)』が上映され、竹野内豊、堺正章らが共演した。またカトリーヌ・ドヌーブとマルチェロ・マストロヤンニの実娘キアラ・マストロヤンニ主演の『マルチェロ・ミオ』がクロージング作品に選出され、キアラはコンペティション部門で審査委員を務めた。
▼カトリーヌ・ドヌーヴ出演作品
『シェルブールの雨傘』(1964年)

『しあわせの雨傘』(2011年)

マルチェロ・マストロヤンニ(第10回・1997年&第37回・2024年)

イタリアを代表する名俳優マルチェロ・マストロヤンニ。1997年の第10回東京国際映画祭では、前年にこの世を去った「マルチェロ・マストロヤンニ特集」が開催された。
また2024年開催の第37回東京国際映画祭では、生誕100年を迎えるマストロヤンニの作品を再び特集。彼の代表作であるフェデリコ・フェリーニ監督作品『甘い生活』(1960年)、『ひまわり』(1970年)を始めとする傑作が上映された。同年にはマルチェロ・マストロヤンニのオマージュである実娘キアラ・マストロヤンニ主演『マルチェロ・ミオ』(2024年)がクロージング作品として選出されている。
特集を通して、マストロヤンニを映画史において重要な俳優として再評価し、また若い世代が映画史に残る作品に触れる貴重な場となっている。
▼マルチェロ・マストロヤンニ出演作品
『甘い生活』(1960年)

『ひまわり』(1970年)

【注目監督】
黒澤明

第1回東京国際映画祭は1985年に開催された。オープニング作品に選ばれたのは、海外にも大きな影響を与えた巨匠・黒澤明監督の『乱』であった。
1998年の第11回東京国際映画祭では、同年に黒澤明監督が亡くなったことを受け、「黒澤明監督作品特別追悼上映」が行われた。
また2004年には、黒澤明監督の業績を後世に伝え、広く世界の映画文化の発展に貢献することを目的とした“黒澤明賞”が設立。スティーヴン・スピルバーグ(2004年)、山田洋次(2004年)、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(2022年)らが受賞している。
2025年10月27日から開催される第38回東京国際映画祭では、『国宝』の李相日監督と『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督が黒澤明賞を授与される。
・黒澤明『天国と地獄』、スパイク・リー×デンゼル・ワシントンでハリウッド映画化へ
・李相日&クロエ・ジャオ両監督が東京国際映画祭・黒澤明賞を受賞
▼黒澤明監督作品
『羅生門』(1950年)

『七人の侍』(1954年)

『乱』(1985年)

チャン・イーモウ(第18回・2005年&第36回・2023年)

中国のチャン・イーモウ監督が、第36回東京国際映画祭にて永年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人物を顕彰する特別功労賞を受賞した。
2005年には高倉健を主演に迎えた『単騎、千里を走る。』を監督し、第18回東京国際映画祭のオープニングを飾っている。なお同年には審査委員長を務めた。
過去には『紅いコーリャン』(1987年)がベルリン国際映画祭で金熊賞、『秋菊の物語』(1992年)『あの子を探して』(1999年)がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、さらに北京夏季五輪の開閉会式、2022年の北京冬季五輪開閉会式の総監督を務めた中国を代表する巨匠である。
▼チャン・イーモウ監督作品
『紅いコーリャン』(1987年)

『初恋がきた道』(2001年)

『単騎、千里を走る。』(2005年)

ジュリー・テイモア(第35回・2022年)

第35回東京国際映画祭(2022年)でコンペティション部門の審査委員長に就任したのは、ブロードウェイ・ミュージカル『ライオン・キング』、映画『フリーダ』(2002年)や『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020年)を手がけた舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモアだ。前年のイザベル・ユペールに続き、審査委員長を女性が務めた。
大学卒業後には日本で人形浄瑠璃を学んだ経歴を持つ。日本に関わりを持つテイモアは、同年のAmazon Prime Videoテイクワン賞審査委員・行定勲とトークセッションを行った。
▼ジュリー・テイモア監督作品
『フリーダ』(2002年)

『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020年)

是枝裕和

10周年を迎えた第8回東京国際映画祭(1995年)では、新人監督を対象とした製作活動の助成プログラムがスタートする。記念すべき初年度に、是枝裕和監督の『幻の光』が対象作品として選ばれている。
近年では検討会議メンバーの是枝裕和監督が中心となり、国境を越えた映画人が語り合う交流ラウンジを企画。2025年の東京国際映画祭では、是枝監督と、黒澤明賞受賞者で『ノマドランド』『ハムネット』の監督であるクロエ・ジャオ監督が対談を行う予定だ。
▼是枝裕和監督作品
『幻の光』(1995年)

『誰も知らない』(2004年)

『怪物』(2023年)

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