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カンヌ映画祭で日本人監督3作がコンペ入り 是枝裕和・濱口竜介・深田晃司が25年ぶり快挙

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カンヌ映画祭、日本人監督3作がコンペ入り 是枝裕和・濱口竜介らコメント到着
(左から)是枝裕和監督、濱口竜介監督、深田晃司監督 写真:COURTESY OF TOKYO INTERNATIONAL FILM FESTIVAL, © 2023 NEOPA / Fictive, ⓒKazuko Wakayama
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第79回カンヌ国際映画祭で、日本人監督3作がコンペティション部門に選出されるという歴史的快挙が実現した。是枝裕和濱口竜介、深田晃司の3人が同時に名を連ねるのは、2001年以来25年ぶり。

世界最高峰の映画祭におけるこの異例の選出を受け、監督陣に加え、綾瀬はるか、松たか子らキャストからも喜びのコメントが到着した。日本映画の存在感が改めて示された今回のラインナップを詳報する。

■カンヌ国際映画祭 日本人監督 コンペ入り、25年ぶりの快挙

第79回カンヌ国際映画祭(5月12日〜23日)の公式ラインナップが発表され、是枝裕和監督『箱の中の羊』濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』深田晃司監督『ナギダイアリー』の3作品がコンペティション部門に選出された。

日本人監督の作品が3本同時にコンペ入りするのは、2001年以来25年ぶり。世界的にも稀有なケースであり、日本映画界にとって歴史的な瞬間となった。

■是枝裕和『箱の中の羊』|綾瀬はるか&大悟が喜び

日本人監督3作がカンヌ国際映画祭同時コンペ入り
『箱の中の羊』 ©2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro.

是枝裕和監督にとっては、『ベイビー・ブローカー』以来のオリジナル脚本作品となる『箱の中の羊』。息子を失った夫婦が、同じ姿をしたヒューマノイドを迎え入れることで揺れ動く心情を描くヒューマンドラマだ。

主演を務める綾瀬はるかは、「この作品がカンヌという特別な場所で世界中の方々に届くことを光栄に思います」とコメント。

一方、夫役を演じた大悟(千鳥)は、「僕的にはめちゃくちゃラッキー。綾瀬はるかさんとのフランス旅行楽しみです」とユーモアを交えた喜びを語った。

是枝監督自身も、「作品にとって最高のお披露目の場をいただけた」としつつ、「どこにたどり着いたのか見届けたい」と語っている。

■濱口竜介『急に具合が悪くなる』|岡本多緒が感激

日本人監督3作がカンヌ国際映画祭同時コンペ入り
『急に具合が悪くなる』 © 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners

濱口竜介監督は、『ドライブ・マイ・カー』以来3度目のコンペ入り。

本作は、パリ郊外の介護施設を舞台に、がんと闘う舞台演出家と施設長との交流を通して命の尊さを描く。

主演の岡本多緒は、「憧れだったカンヌの舞台に立てることを不思議な思いで受け止めています」とコメント。

濱口監督も「キャスト、スタッフの成果を多くの観客へ届けたい」と語り、世界への発信に意欲を見せた。

■深田晃司『ナギダイアリー』|松たか子がコンペ初選出

日本人監督3作がカンヌ国際映画祭同時コンペ入り
『ナギダイアリー』 © 2026 ナギダイアリー・パートナーズ / Survivance / Momo Film Co.

深田晃司監督は、4度目のカンヌ参加にして初のコンペ入り。

岡山県奈義町を舞台に、彫刻家と建築家の関係性を描く『ナギダイアリー』で新境地を示す。

主演の松たか子は、「カンヌのスクリーンにかかることにまだ実感がないが、うれしい」とコメント。

深田監督も「俳優たちの生き生きとした姿を世界に届けられることにワクワクしている」と語り、作品への手応えをにじませた。

■「ある視点」「カンヌ・プレミア」でも日本勢が躍進

今回のラインナップでは、コンペ以外の部門でも日本作品が存在感を示している。

「ある視点」部門には岨手由貴子監督『すべて真夜中の恋人たち』、「カンヌ・プレミア」部門には黒沢清監督『黒牢城』が選出された。

黒沢監督は「国境も時間も超えたカンヌで上映されることに驚いている」とコメント。

主演の本木雅弘も「新たな人間ドラマとしての魅力が伝わることを期待している」と語っている。

■日本映画“第二の黄金期”へ|カンヌが示す存在感

今回のカンヌ国際映画祭における日本人監督3作のコンペ入りは、単なる記録更新ではない。

近年、是枝裕和や濱口竜介を中心に、日本映画は国際映画祭での評価を着実に高めてきた。そこに深田晃司ら新たな世代が加わり、層の厚さが可視化された形だ。

25年ぶりの快挙は、日本映画が再び世界の中心へと回帰しつつあることを示す象徴的な出来事と言えるだろう。

取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元

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