【FIFAワールドカップ2026】試合の裏で話題沸騰!バズった選手・監督・サポーター7選――SNSで世界を席巻した“もう一つの勝者”たち
FIFAワールドカップ2026が現在、アメリカ・カナダ・メキシコで開催中だ。日本は惜しくもブラジルに敗退し、決勝トーナメント初戦で敗退を喫した。しかし試合の興奮の裏で、世界各地で新たなムーブメントが起こっている。
それは、TikTokやInstagramで拡散される“ミーム”や“バイラル動画”だ。これらのSNSの投稿は、時に試合の勝敗より注目されることもある。
そこで本記事では、ワールドカップの裏側で生まれた“ネット上の勝者たち”を紹介する。
▼選手から監督、サポーターまで……“バズ”が量産されたワールドカップ2026
今年のワールドカップは、試合そのもの以上に「切り抜き動画」として拡散されている傾向にある。例えば、ゴールや祝福の瞬間、観客の反応、監督や選手の仕草……あらゆる瞬間がTikTokやInstagram、XなどのSNSで切り取られ、“ミーム化”されている。
この動きの大きな特徴は、サッカーファンのみならず、その他のSNSユーザーも巻き込んだ一大ムーブメントとなっていることだ。
これは従来のスポーツ大会と比べて、価値基準として「どの瞬間がバズるか」が重視されるようになった結果と言えるだろう。
① 事前の不安が一転!ファストフードでアメリカが再評価
大会開催国の一つであるアメリカでは、政治的な論争とは別に、意外な現象が起きている。それは、タコベル、ガソリンスタンドのスナックなどのファストフードブームだ。
今回のワールドカップでは、外国人サポーターへの渡航制限や、スタジアム内外でICE(移民税関執行局)による強制捜査が行われる可能性、さらにはチケット価格の高騰など、否定的な話題も多かった。そのため、アメリカに対する反発が広がることも予想されていた。
しかし、実際には意外にもまったく逆の現象が起きた。そのきっかけが、アメリカのファストフードだったのだ。

ワールドカップを訪れた海外サポーターたちは、タコベルやランチドレッシング、さらにはガソリンスタンドで売られているスナックを食べ、その美味しさを絶賛する動画を次々と投稿。今大会を象徴するミームとして広く拡散された。
これらの動画は単なる食レポではなく、「アメリカ文化を再解釈するコンテンツ」としての役割を果たしている。結果としてアメリカは、政治イメージとは一線を画す“親しみやすいホスト国”として評価されることになった。
② SNSが生んだスターたち──カナダ監督と“最もフォロワーの少ない選手”が脚光を浴びる
今大会では、SNSをきっかけに数々の新たなスターが誕生した。その代表的な存在が、カナダ代表を率いるアメリカ人監督のジェシー・マーシュと、ニュージーランド代表DFのティム・ペイン選手だ。
マーシュ監督は、ジョナサン・デイビッド選手がカタール戦でハットトリックとなる1点目を決めた際、ベンチサイドで披露したユニークなダンスが瞬く間に拡散された。SNSでの再生回数は数百万回を記録している。
また、試合後のパフォーマンスも大きな話題となった。マイケル・ジョーダンがNBAで6度目の優勝を果たした際の有名なポーズを再現し、チームが挙げたゴール数にちなみ、6本の指を掲げてカナダのファンにアピールした。
さらに、マーシュ監督の話題は尽きない。南アフリカを破り、カナダ代表をワールドカップ史上初のベスト16進出へ導くと、選手たちに向かって「君たちはカナダの英雄だ」と熱く語りかけるスピーチを披露。その情熱あふれる言葉は、ゴールパフォーマンス以上に大きな反響を呼んだ。
こうしてマーシュ監督は、サッカー界では珍しい「監督がミームの主役になる」現象を巻き起こした。

一方のティム・ペイン選手は、今大会で「最もフォロワーが少ない選手」として、思いがけずネット上で話題を集めた。大会前のペイン選手のInstagramのフォロワー数は、全出場選手の中で最も少ない5,000人未満だった。しかし、これに注目したアルゼンチンのインフルエンサーが、フォロワーに向けて「ペインを有名にしよう」と呼びかけた。
これをきっかけに、ペイン選手は一躍注目の的となる。ニュージーランドの初戦を迎える頃には、フォロワー数は約600万人にまで急増した。「#NoPayneNoGain」というハッシュタグも瞬く間に拡散し、大会を象徴するミームの一つとなった。

ここから分かることは、今年のワールドカップでは選手のパフォーマンス以上に、「選手の持つストーリー性」が注目されやすいということだ。
③ カーボベルデが“世界一応援されるチーム”になった理由
今大会の最大のシンデレラストーリーを生み出したのは、西アフリカ沖に浮かぶ人口約50万人の島国、カーボベルデだろう。同チームは、サッカー大国スペインを相手に0-0の引き分けに持ち込み、一気に注目を集めた。SNSでその“物語性”が拡散され、「世界で最も応援されるチーム」になったのだ。
その中心にいるのは、40歳の守護神ジョシマール・ディアス選手、通称「ヴォジーニャ」だ。大会前まで彼のInstagramのフォロワー数は約5万人に過ぎなかったが、スペイン戦が終わると一躍世界的な注目を集め、フォロワー数は1,700万人を突破した。
カーボベルデは2次予選を突破し、前回王者のアルゼンチンとの対戦を控えている。快進撃を続けるこの小国は、今や世界中のサッカーファンが応援する“ダークホース”となっている。
④ メッシ VS. ロナウド――SNS対決の勝者は?
40歳となったアルゼンチンのスーパースターであるリオネル・メッシ選手と、長年のライバルで41歳のポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウド選手は、依然としてワールドカップの中心にいる。
今大会は、メッシ選手にとって最後のワールドカップになると見られていた。しかしその予想を覆すかのように、彼は今なお世界最高峰の実力を持つ選手であることを証明している。
開幕から3試合で6ゴールを挙げ、ミロスラフ・クローゼが保持していたワールドカップ通算最多得点記録を更新。6度目のワールドカップ出場とは思えない圧巻のパフォーマンスで、衰えを感じさせない姿を見せつけた。
一方のロナウド選手の成績は、やや停滞気味だ。ウズベキスタン戦で2ゴールを挙げ、史上初となるワールドカップ6大会連続ゴールの偉業を達成したものの、それ以外の2試合では期待を下回る成績に終わっている。

そしてこの2人は現在、SNSにおける影響力でも比較されている。ロナウド選手のInstagramのフォロワー数は約6億7,000万人と世界最多を誇り、SNSでは依然として圧倒的な存在感を放っている。一方のメッシ選手のフォロワーは約5億1,100万人で、世界2位につけている。
令和の今、サッカー界ではゴール数や優勝回数にとどまらず、フォロワー数や動画再生数といった、SNS上の競争が激化しているのだ。
⑤ ノルウェーの応援パフォーマンス「バイキング・ロー」が世界を席巻!

ノルウェーのサポーターによる動画は、今大会でもっとも拡散された現象の一つだ。スタジアム内外で行われる応援パフォーマンス「バイキング・ロー」は今、世界中で話題を呼んでいる。これは、大勢のファンがバイキング船のオールを漕ぐ仕草を行いながら、チャントを歌う応援パフォーマンスだ。
ノルウェーがセネガルとの激闘を3-2で制し、初出場にして決勝トーナメント進出を決めると、ニューヨークのタイムズスクエアに集まった数千人のサポーターが歓喜に沸いた。その熱狂の様子を収めた映像は瞬く間にSNSで拡散され、今大会を象徴するバイラルコンテンツの一つとなっている。
今回のワールドカップでは、選手や監督たちのSNSや動画のみならず、サポーターらの応援パフォーマンスまでもが、大きな拡散力を持つコンテンツとして機能しているのだ。
⑥ 強すぎて……“逆に”拡散されない!?孤高のフランス代表にも注目
ワールドカップでは毎大会、まるで別格の強さを見せつけるチームが現れる。今大会でその存在感を放っているのが、ディディエ・デシャン監督率いるフランス代表だ。グループリーグを3戦全勝で軽々と突破し、優勝候補の筆頭に挙げられている。
キリアン・エムバペ選手、ウスマン・デンベレ選手、マイケル・オリーセ選手、デジレ・ドゥエ選手という世界屈指の攻撃陣が実力を存分に発揮し、冷静かつ圧倒的なプレーで相手をねじ伏せたその試合には、劇的な逆転劇も、土壇場での勝ち越しゴールもない。

だからこそ、今大会のフランス戦は「バズっていない」と言われている。安定した強さゆえに、試合のドラマ性が弱く、SNSで拡散されにくいのだ。SNSにおける勝敗は、試合での強さに左右されない――これも、現代スポーツの一種の面白みなのかもしれない。
⑦ FIFAが直面する新課題──“給水タイム”に観客からブーイング
今大会では、新たに試合中の「給水タイム」が導入された。これは選手の健康を守るという目的の一方で、試合のテンポを分断しているとして、視聴者からは不満が寄せられている。
前後半45分ずつ、ほぼノンストップで進行することがサッカーの魅力の一つとされてきた中で、試合を実質的に4つのクォーターに分けるようなルールに、多くの人が違和感を抱いている。スタジアムのサポーターからブーイングを浴びせられるだけでなく、選手や監督からも批判の声が相次いでいるのだ。
さらに、広告枠との関係も指摘されている。試合を中断する本当の目的は、「前半・後半それぞれに3分間の広告枠を確保し、テレビ放送の収益を高めたいのではないか」と囁かれている。ファンの間では不評だが、この制度は今後も継続される可能性が高そうだ。
▼ワールドカップは“スポーツ大会”から“巨大な文化装置”へ
ワールドカップ2026は、令和のスポーツ業界における新たな一つの答えを提示した。それは、ワールドカップはもはや単なるスポーツ大会ではなく、「巨大な文化装置」であるということだ。
ここには、ネットミームや、選手・チーム・試合の物語性、各チームの国家イメージなどが交差している。
こうした時代において、ネット上の勝者は必ずしも、フランス代表のような「試合に勝った者」ではない。むしろ現代のスポーツ大会では、「ネット上で愛される選手・チーム」こそが、裏側の勝者と言えるだろう。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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