ホーム » NEWS » Spotify、AI生成楽曲5,000万曲を推薦対象から除外

SpotifyがAI音楽の対策を加速──5,000万曲以上を推薦対象から除外、著作権問題も

/ /
SpotifyがAI音楽の対策を加速──5,000万曲以上を推薦対象から除外、著作権問題も
Spotify 写真:Chris McGrath/Getty Images
スポンサーリンク

音楽ストリーミングサービスのSpotifyが、AI生成コンテンツやスパムなどに該当する楽曲5,000万曲以上を、ユーザーへの推薦対象から除外したと発表した。AIによる楽曲制作が広がるなか、同社は推薦機能の改善やAI楽曲の識別に取り組んでいる。

Spotify、AIスロップやスパム楽曲を推薦対象から除外

Spotifyは公式ブログ「For the Record」で、リスナーがスキップしたり、再生を避けたり、推薦しないよう求めたりした楽曲を分析した結果、AI生成コンテンツやスパムと特定された楽曲が目立っていたと説明した。

同社は過去6カ月にわたり、楽曲の推薦システムを繰り返し更新してきた。問題のある楽曲を推薦対象から除外し、人間のアーティストによる音楽をより多くリスナーに届けられるよう、改善を進めてきたという。

Spotifyは、AI生成の粗悪なコンテンツやスパムはユーザーへの推薦にふさわしくないとの方針を示している。こうした変更後、推薦機能を通じて問題のあるコンテンツが表示されることに対するリスナーの懸念も、大幅に減少したとしている。

同社によると、AI生成コンテンツやスパムの判定には、リスナーの反応や楽曲のアップロード状況、メタデータに加え、複数の外部AI検出ツールから得られる情報も活用している。ただし、AI検出技術には限界があり、生成AIの進化に伴って判定はさらに難しくなる可能性があるという。

Spotifyは2025年にも、スパムと判断した楽曲7,500万曲以上をプラットフォームから削除したと発表していた。今回の5,000万曲以上という数字は、サービスから完全に削除された楽曲数ではなく、推薦対象から除外された楽曲数を示している。

AI楽曲の増加に対応、Spotifyは識別機能も導入

AI生成楽曲の急増を受け、Spotifyは対策を相次いで打ち出している。2026年8月には、AIによって生成された可能性のあるアーティストのアイデンティティを示す「AI Persona」バッジの導入を発表した。

このバッジは、アーティストのプロフィール上のアイデンティティがAI生成と考えられる場合に表示される。AIを制作に活用したかどうかを示すものではなく、実在する人物ではないAI生成のアーティスト像である可能性を、リスナーに知らせるための仕組みだ。

AI Personaと判定されたアーティストの楽曲は、原則としてSpotifyのアルゴリズムによる推薦や、編集者が選曲するプレイリストの対象から除外される。ただし、リスナーがそのアーティストをフォローするなど、明確に関心を示した場合は例外となる。

一方、AIによる楽曲生成サービスの普及は、音楽業界で大きな議論を呼んでいる。AI音楽生成サービスのSunoは利用者を増やす一方、既存の音楽作品を無断で利用したとして、レコード会社などから著作権侵害を主張されてきた。

ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)とソニー・ミュージックは、著作権侵害を主張してSunoを提訴している。レコード会社側は、AI生成楽曲が大量に配信されることで、人間のアーティストが正当なロイヤリティを得る機会が損なわれると主張している。

DistroKidにも法的措置、AI楽曲の配信実態が焦点に

AI生成楽曲をめぐる問題は、楽曲の配信を担うサービスにも広がっている。

UMGは、インディペンデント系音楽配信サービスのDistroKidが、ストリーミングサービス上でAI生成の粗悪な楽曲を拡散させているとして提訴した。DistroKid側はこの主張を否定している。

また、UMGとソニー・ミュージックは、DistroKidが配信するAI支援楽曲の数を開示させるため、新たな法的手続きを開始した。両社は、Sunoをめぐる訴訟において、この情報が重要だと主張している。

AI生成楽曲がストリーミングサービスに次々とアップロードされる一方、ロイヤリティの支払い対象となる基準を満たさない楽曲も多いという。Spotifyによれば、AI生成の可能性が高いことを示す特徴が見られる楽曲は、ロイヤリティの支払い対象となる基準の1つである再生回数1,000回に達しない可能性が、ほかの楽曲に比べて10倍高いという。

Spotifyは、この基準がAI生成コンテンツの大量配信によって人間のアーティストの収益が損なわれることを防ぐための対策の1つになるとしている。

AI技術の進歩によって音楽制作の選択肢が広がるなか、Spotifyをはじめとする配信プラットフォームやレコード会社にとって、AI生成楽曲の管理と、人間のアーティストの権利・収益をどう守るかが重要な課題となっている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿