ニコール・キッドマンがキャリアを赤裸々に語る――プロデューサー転身と女性支援のきっかけ、「看取り士」を目指した理由とは?
現地時間4月18日(土)にフィラデルフィアで開催されたイベント「HISTORYTalks」に、俳優のニコール・キッドマンが登壇した。キッドマンはこのトークショーで、デス・ドゥーラ(看取り士)の訓練を受けていることやプロデューサーに転身した経緯、ハリウッドにおける女性の立ち位置について語った。
ニコール・キッドマンが“看取り士”を目指した理由──きっかけは母親の死
先日、キッドマンはデス・ドゥーラを目指していることを公表し、話題を呼んだ。これについて、キッドマンは「これを公表したことで、戸惑われたり、興味を持ってもらえたりしました」と語る。彼女はデス・ドゥーラを目指した理由を明かした。
「患者と家族が寄り添えるよう、支えたいと思いました。これはとても魅力的で、美しい仕事です。死は避けられない苦しみを伴いますが、その苦しみを和らげてくれる人がいれば、最期の時間をより穏やかに過ごせるかもしれません。向き・不向きがあると思いますが、私は非常に向いていると感じました」
そのきっかけとなった出来事は、2024年9月の第81回ヴェネツィア国際映画祭だった。同映画祭において、キッドマンは『ベイビーガール』で最優秀女優賞を受賞したが、その開催中に母親の訃報を知った。

「私にはこういうことがよく起こるのですが、まさに授賞式でステージに上がる瞬間に、母が亡くなったことを知ったのです。そのままヴェネツィアのホテルに戻り、ベッドに横たわって、完全に打ちのめされました。母は私の人生にとって大きな存在だったので、最期を看取れなかったことがつらかったです」
映画祭の開催中、キッドマンは帰国も検討していたという。
「夜中に運河をボートで進み、空港へ向かおうとしました。でもそれはできないと思い、途中で引き返してホテルに戻りました。夫も子どもたちもおらず、ベッドで一人きりで過ごしました。授賞式ですばらしい時間を過ごすはずが、まったく違うものになってしまいました。しかし、人生にはそういう“コントラスト”もあります。このような瞬間があるからこそ、自分はどんなことでも乗り越えられるという“立ち直る力”を実感できるのです」
ニコール・キッドマン、アメリカ各地の思い出を語る
キッドマンは、同イベントの恒例シリーズとなっている対談にも登場した。この対談は、アメリカ建国250周年を記念する行事の一環として開催され、「政治やエンタメ、スポーツとアメリカの関係」がテーマに上った。その中で、キッドマンは自身とアメリカの関係について語った。
「仕事の関係で移動も多かったため、アメリカのさまざまな場所に住んできました。出身はハワイで、幼少期にはワシントンD.C.で数年間を過ごし、その後カリフォルニアでも暮らしました。ナッシュビルでは、夫とともに子どもたちを育ててきました」
キッドマンはこう続けた。「さまざまな州で撮影したり、暮らしたりする中で、自分なりの視点から、アメリカの多くの側面を見てきました。それらはとても特別な経験になっています。この国で生まれただけでなく、実際に過ごしてきたことで、この国の一員だと強く感じています」
プロデューサー転身の契機は“出産”――『ラビット・ホール』に込めた覚悟と挑戦
新作ドラマ『スカーペッタ』や『ナイン・パーフェクト・ストレンジャー』で主演兼プロデューサーを務めるなど、活躍の場を広げるキッドマンは、芸術と向き合う姿勢についても語った。
「私は、平穏を求めてきたことは一度もありません。人間の本質を探求し続けてきました。自分自身のことは、“有名人”というより“働き蜂”のように捉えています。仕事が大好きですし、誰かのために仕事を生み出すことも好きなんです」

対談の中でキッドマンは、プロデューサーへ転身した経緯についても明かした。彼女は妊娠中にナッシュビルへ移った後、俳優業の引退を考えたことがあるという。その際、彼女を引き止めたのは母親だった。母親は、「14歳から続けてきたことを諦めないで」とキッドマンを励ました。
そこでキッドマンは、「子どもと過ごす時間を確保しながら、体力的な負担が少ない仕事」としてプロデューサー業を選んだという。そして彼女は映画『ラビット・ホール』(2010年)でプロデューサーデビューを果たす。
「舞台版『ラビット・ホール』のレビューを読みました。子どもを失うストーリーで、『子どもが生まれたばかりの今、この作品に取り組む意味は大きい』と考えました。ある意味、最も恐れているテーマにあえて向き合い、観客の共感や理解を得て、つながりたいと思ったのです」
しかし、その道のりは決して穏やかではなかった。「資金を提供してくれる人は誰もいませんでした。350万ドルの製作費のうち、1ドルずつ必死の思いで資金を確保し、なんとか完成させることができました。苦労の連続でしたが、私の情熱をつぎ込んだ作品です」
ハリウッドで女性支援を続けるキッドマン
『ラビット・ホール』におけるキッドマンの経験は、映画やテレビにおいて、女性の地位を押し上げる第一歩にもなった。
キッドマンは次のように語った。「女性のチャンスは確実に増えています。現在私が手がけている『スカーペッタ』と『マーゴのマネートラブル』は、どちらも女性の監督や脚本家、ショーランナーが率いる、女性を中心に据えた物語です。これは大きな変化で、20年前には考えられないことでした」
一方で、現在の男女格差についても率直に指摘する。「それでも、女性監督の割合はまだ14%程度で、非常に低いです。こうした数字を口にすることは重要です。『もう格差は十分解消された』と思われがちですが、実際にはまだ大きな格差があります」
そしてキッドマンは、今後も映画・ドラマ業界において女性支援を続ける意向を明らかにした。
「だからこそ、私は変化を起こしたいのです。今は影響力のある女性たちとともに、女性たちを率いた作品を作り、女性を描いた作品にゴーサインを出し、変化を起こしている最中です。それこそが私の望みであり、“草の根”レベルの変化が必要だと思います」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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