トム・クルーズ、『DIGGER/ディガー』全米プレミアで映画愛を熱弁!「人々は本物の体験を求めている」
現地時間9月28日(月)、アカデミー映画博物館で行われた映画『DIGGER/ディガー』の全米プレミア上映に、主演のトム・クルーズとアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が登壇。本作の制作裏話や、「映画愛」について率直に語った。
『DIGGER/ディガー』監督が語るトム・クルーズとの舞台裏「危うい綱渡り」
ワーナー・ブラザース配給による『DIGGER/ディガー』は、一風変わったコメディ映画として公開前から注目を集めている。クルーズは大胆な特殊メイクを施し、テキサスの石油王を演じた。環境問題を引き起こしたこの石油王は、世界中から責任を問われることになる。
現在、クルーズは64歳、イニャリトゥは63歳。ほぼ同世代の2人は、本作で大きな“賭け”に挑んだが、その結果、批評家の間では評価が大きく割れている。米『ハリウッド・リポーター』の批評家は批判への理解を示しつつ、「これほどの才能と資金が、これほど風変わりな映画に注ぎ込まれたことに、心を奮い立たせるものがある」と綴った。
本作の製作費は1億2,500万ドル(約198億円)と報じられているが、イニャリトゥ監督はその内情を赤裸々に語った。この“トリックアート”のような映画を撮るには、その演劇性をカメラに収めるため、常に調整が必要だった。
撮影現場では「すばらしい映像が撮れた」と思っても、翌朝にチェックするとまったく違って見えることもあったという。演技を調整すると、今度は「自然すぎるて、面白くない映像」になってしまう。「私たちは一日中笑っていた」と、イニャリトゥ監督は語った。
イニャリトゥ監督によれば、本作の撮影は常に「危うい綱渡り」だった。絶妙な演技のトーンを見つけるためには、俳優たち自身が試行錯誤しなければならなかった。「演技のトーンは文字では伝えられない」と、イニャリトゥ監督は説明する。

トム・クルーズの映画愛が炸裂!「この映画は手作りだ」
そんなイニャリトゥ監督は、クルーズの精密な演技を絶賛。クルーズ得意のスタントになぞらえ、「1秒の差が生死を分ける」と語った。撮影現場でのクルーズは、手をどこに置くか、いつウインクし、いつ黙るかなどの演技の細かい流れを「自然に観察していた」という。クルーズ本人は、役作りの方法として「長い間、人間を観察してきた」と詳細に説明した。
一方のクルーズは、共演者たちとの時間を心から楽しんでいる様子だ。何度も会話に割って入り、共演者を称賛した。ジョン・グッドマンについては、「彼の前では笑いをこらえるのが大変だった」と振り返った。ザンドラ・ヒュラーについては「すばらしい俳優だ」と何度も称えた。
対談の終盤には、「映画界のあり方」についての話題が展開された。クルーズは「この映画は手作りだ」と語る。そして、「人々は本物を見たいはずだ。人々は本物を求めているし、本物の体験を求めている」と語った。
クルーズはAIに一度も言及しなかったが、「本物」や「手作り」の姿勢を繰り返し強調していたことは、AIへの暗黙の反論とも受け取れる。映画を撮るスタッフたちや、彼らが身につけた技術、そして共に作品を作り上げる喜びは、「誰かから与えられたものではない」と、クルーズは口にした。
一方で、こうした映画づくりを続けられるかどうかは、「観客がチケットを買うかどうかにかかっている」という意見も発した。クルーズは、「私は常に、作品が十分な成果を上げ、また制作する機会を得られるよう願っている」と語った。
そして、クルーズは「私は若い頃から大成功を収めてきた」と自身のキャリアを回想。その名声が、より大きな挑戦へと自身を駆り立て、新たな技術を学び続ける原動力になってきたという。
その言葉の通り、クルーズはこれまで何本もの“型破り”な作品に出演してきた。ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』(1999年)では第72回アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされている。ベン・スティラー監督のコメディ『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008年)では特殊メイクを施し、強烈な印象を残した。
さらに、クルーズの代表作である『ミッション:インポッシブル』シリーズは、回を追うごとにスタントやロケが大掛かりになり、注目を集めていった。
そんなクルーズにとって、『DIGGER/ディガー』はこれまでとは一味違う経験になったようだ。長年彼の演技を観てきたファンからも、特殊メイクを施したクルーズの姿と演技に驚きの声が上がっている。
イベント終了後、ファンへのサービス精神が旺盛なクルーズはステージに駆け寄ったファンたちと15分間にわたって交流し、自撮りにも応じた。
映画『DIGGER/ディガー』は10月9日(金)に全国で公開される。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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