マーベル・コミックが大改革へ!本社をNYからLAへ移転、編集長交代――日本戦略も強化
『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』を生み出したマーベル・コミックが、約90年間拠点としてきたニューヨークを離れ、ロサンゼルス近郊のバーバンクへ本社を移すことが明らかになった。
バーバンクは、親会社であるディズニーやマーベル・スタジオが拠点を置く土地だ。今回の移転によってグループの連携を強化し、近年存在感が薄れていたコミック事業の立て直しを図る大規模な組織改革となる。
さらに、今回の移転にあわせて編集長も交代する。現編集長のC.B.セブルスキー氏は退任後、日本へ赴任する予定だ。
マーベル・コミック本社移転――来年夏までにディズニー本社付近へ
マーベル・コミックの本社移転は、現地時間7月16日(木)にニューヨーク・ミッドタウンの本社で開かれた全社集会で社員に正式発表された。
この全社集会には、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギ氏のほか、テレビ・アニメ・コミック・フランチャイズ部門責任者ブラッド・ウィンダーバウム氏、新たにコミック&フランチャイズ部門ゼネラルマネージャーに就任したデヴィッド・アブド氏が出席した。
同社は2027年7月までに、マーベル・スタジオと親会社ウォルト・ディズニー・カンパニーが拠点を置く、カリフォルニア州バーバンクに移転する。来週からは社員と家族を対象にした説明会も始まる予定だ。
新編集長も発表!現編集長は日本へ赴任
この全社集会では、マーベル・コミック編集長の交代も発表された。2017年から編集長を務めてきたC.B.セブルスキー氏が退任し、後任にはベテラン編集者のスティーヴン・ワッカー氏が就任する。
ワッカー氏は15年以上にわたりマーベルで活躍し、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』、『スーペリア・スパイダーマン』などの人気作品を担当。『デアデビル』や『ホークアイ』などのアイズナー賞受賞作を手がけた。

現在MCUでも人気を誇る「カマラ・カーン/ミズ・マーベル」の誕生にも深く関わった。また、アニメ『マーベル ロケットとグルート』(2017年)では共同プロデューサーを務め、エミー賞にノミネートされた実績も持つ。
一方、セブルスキー氏はマーベル史上3番目に長い在任期間を誇る編集長として、「アルティメット・ユニバース」の再始動やX-MEN「クラコア時代」など、数々の大型企画を指揮してきた。
今後は日本へ赴任し、アジア太平洋地域発のマンガ作品を統括する新ポストに就任。これまでにも集英社と提携し、「週刊少年ジャンプ+」上で『デッドプール:SAMURAI』や『スパイダーマン:オクトパスガール』などを送り出している。
マーベル・コミック、約90年続いたNY時代に幕――LA移転の理由とは
マーベルの前身であるタイムリー・コミックスやアトラス・コミックスもニューヨークに本拠を置き、スタン・リーやジャック・カービー、スティーヴ・ディッコといった伝説的クリエイターたちも、ニューヨークを拠点に活動していた。
そしてマーベル作品の中では、「スパイダーマン」や「ファンタスティック・フォー」、「アベンジャーズ」など、多くの人気ヒーローもニューヨークを舞台に活躍している。

そんな縁の深いニューヨークからマーベルが本社を移転する理由は、いくつかある。一点は、ニューヨーク本社のリース契約が来年で満了を迎えるため。
そしてもう一点が、映画、テレビ、コミックなどの全部門を一つの拠点に集約し、クリエイティブ面での連携を強化するためだ。これは2009年にディズニーがマーベルを買収する前から、同社が模索してきた道だった。
さらに、コミック制作に携わるクリエイターの動向も、この移転に大きく関係している。かつて、クリエイターたちの活動拠点はニューヨーク州周辺に集中していたが、現在は世界各国へ広がり、アメリカ国内でもカリフォルニア州在住者はニューヨークを上回っているという。
なお、競合のDCコミックスは2015年にニューヨークからバーバンクへ移転済み。今回のマーベル移転により、ニューヨークから大手コミック出版社は姿を消すことになる。
ウィンダーバウム氏とアブド氏は、社員向けの書簡で次のように説明している。
「ニューヨークという土地やそこにいる仲間たちは、マーベルという会社、そして私たちの作品にとって欠かせない存在だった。その精神は、今後も私たちのDNAとして受け継がれていく」
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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