ベネディクト・カンバーバッチらが英政府へ異例の訴え パラマウント・ワーナー合併が映画界に及ぼす影響とは
映画業界を揺るがすパラマウント・ワーナー合併をめぐり、俳優のベネディクト・カンバーバッチ、アラン・カミング、ベネディクト・ウォンが英国政府に介入を求めた。英『ガーディアン』への寄稿で、英国の映画・テレビ産業や報道の多様性に深刻な影響を及ぼす恐れがあるとして、合併阻止を訴えている。
▼パラマウント・ワーナー合併にB・カンバーバッチらが反対声明

3人は、英国の映画・テレビ制作を支えるクルーの雇用や独立系映画への投資環境の悪化を懸念。「私たちは英国の現場で働き、作品づくりを支えてきた者として、この芸術を愛する人々に対する責任がある」と訴えた。約18兆円規模とされる今回の合併は、実現すれば世界のエンターテインメント業界を大きく再編する可能性がある。
米国では今月、カリフォルニア州など12州が、合併によって価格上昇や制作本数の減少、作品の質の低下が起こるとして連邦裁判所に提訴した。一方でパラマウント側は、裁判所の判断が出るまで買収手続きを完了しない方針を示し、この取引は競争や消費者、クリエイターに利益をもたらすと主張している。
これに対し3人は、米国での法廷闘争だけでは英国の問題は解決しないと指摘。EUがすでに条件付きで承認している中、「英国の判断は一世代に一度と言えるほど重要な意味を持つ可能性がある」として、政府に介入を促した。
▼独立映画や報道の多様性にも懸念

3人は、英国の映画・テレビ産業が約18万人の雇用を支える重要な産業だと強調。そのうえで、サンダンス映画祭で独立作品の買い付け件数が2019年から2025年にかけて半減した現状を挙げ、「大型合併のたびに、観客へ作品が届く機会は狭まっていく」と警鐘を鳴らした。
さらに、人員削減や制作中止、企画本数の縮小につながる可能性を指摘し、「私たちは英国の現場で長年働き、優れた作品が世に出られない現実を見てきた。だからこそ、これは私たち自身の問題でもある」と締めくくっている。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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