AIによって製作された作品の著作権は存在するのか? ハリウッドに問題提起

イラストレーション: ©GRAPHICAARTIS/GETTY IMAGES
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アメリカ合衆国著作権局は、AIが制作した大半の作品の著作権を認めない一方で、一部をAIの手を借りて製作したものについては、著作権保護の適用を明らかにしている。

木曜日、当局は声明で「著作権は“人間の創造物”にのみ与えられ、著作者に“人間以外は除外する”ということは、確立されたことだ」と発表。しかしながら、「AIを一部用いたアプリなどは、人間が“創造的なやり方で”AIを管理した上で、完成形が著作者のオリジナル作品を構成するならば著作権の主張が可能」としている。

AIブームの高まりで、当局にはAI技術が著作者または共同著作者とされるアプリが提出され続けている。却下が相次ぐ中、コミック本の『Zarya of the Dawn(原題)』は例外だった。AIの力を借りて製作された今作は、著作権の保護を与えられた。一方で、AIが生成したイメージは著作権保護の対象外となった。

各裁判所も、人間が創造した作品にのみ著作権を認める旨の判決を下している。最高裁判所は“著作者の知的な概念の表現物である限り、写真にも保護が及ぶことは疑いようがない”と判決した。また、著作者とはつまり人間を指し、著作権は“人間の知的創造物を保護する権利”と述べた。

当局は、AIが生成したマテリアルを含んだ作品の著作権保護を認めないわけではない。決め手となるのは、人間が“どのくらい作品の表現に創造的に噛んでいるか”そして“著作者としての伝統的な要素を形成しているか”ということだ。例えば、保護対象の基準に合わせるため、AIが生成したマテリアルに編集を加えることも可能。このような場合、やはり人間が関わった部分のみに著作権が与えられる。

弁護士のライアン・マイヤーは「AIを一部利用した作品の申請者は、著作権がAI以外の部分にのみ適用されうる可能性を知っておくべき」と語った。そして「いかにAIではなく人間の著作者が、表現や取捨選択において、著作者としての伝統的な要素を実行しているかを説明する必要がある」と付け加えた。

4~5月の間に著作権局は、アーティスト、AI開発者、弁護士らを招いた意見交換会を開催。今後、広範なAI関連の問題について人々の意見を求めていく予定だ。

オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌

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