『バック・トゥ・ザ・フューチャー4』の可能性は?「是非やりたい」続編に前向きなキャストも

今年、公開40周年を迎えたSF映画の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)。ロバート・ゼメキスが監督・共同脚本を手がけた本作は、タイムトラベルをテーマにした画期的なストーリーや個性豊かなキャラクターが絶大な人気を集め、80年代を代表する作品の1つとなっている。
世界興収2億2000万ドル以上の大ヒットを記録した1作目を皮切りに、これまで『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)と『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990)の続編2本が製作。主人公マーティ・マクフライ役のマイケル・J・フォックス(63)とドク役のクリストファー・ロイド(86)はシリーズ3作品で主演を務め、2本の続編はいずれも3億3200万ドル、2億4500万ドル超えのヒットを飛ばしている。
ゼメキス監督による3部作は1990年をもって完結したが、近年のハリウッドでは過去の作品をリメイク・リブートといった形で復活させる動きや、続編の製作も活発だ。90年代に同じくポップカルチャーを席巻したスティーヴン・スピルバーグ監督のSF映画『ジュラシック・パーク』も、2015年より新たな3部作『ジュラシック・ワールド』シリーズが製作され、完結編『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)ではサム・ニールらオリジナルキャストが再集結している。
では、現在もなお世界中で愛され続けている『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の第4弾が製作される可能性はあるのだろうか?
『バック・トゥ・ザ・フューチャー4』の可能性は?
3部作を手がけたゼメキス監督は昨年10月、米ポッドキャスト番組『Happy Sad Confused』に登場した際に、ユニバーサルから第4弾の製作を頻繁に持ちかけられていたことを告白。スタジオ側には、「何か他の形なら復活の可能性があるかもしれないが、リメイクや『バック・トゥ・ザ・フューチャー4』はあり得ない」と伝えたという。
さらに、主演のマイケル・J・フォックスも2023年の『Variety』のインタビューで、「要らないと思います。(ゼメキス監督は)賢明な態度を取っていますね」と第4弾やリブートの必要性を否定し、マーティ役の再演については「誰かが提案したことがあるはずです。でも、僕はその時点でパーキンソン病を発症していたので、もう1度やりたかったかどうかは分かりません。3作目が成功したときに続編の話があったかもしれませんが、僕は関わっていません」と明かした。
また、ゼメキス監督と共同脚本を手がけたボブ・ゲイルは今年2月、「みんなにいつも聞かれるんです。『バック・トゥ・ザ・フューチャー4はいつやるの?』ってね。でも僕たちは、『ふざけるな』と答えます」と語っている。
一方、フォックスや製作陣が可能性を否定するなか、ドク役のクリストファー・ロイドは続編に前向きな姿勢を示した。「是非やりたいですね。でも、製作者側は3部作で物語を伝え切ったと感じているようです。誰かが第4弾の実現に値する素晴らしいアイデアを持っていれば、可能性はあるかもしれません」
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』キャストの現在は?
第4弾は実現しないかもしれないが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のキャスト陣の絆は現在もなお固く結ばれている。
フォックスは29歳の時にパーキンソン病の診断を受け、記憶力の困難を公表した2020年からは俳優業を休止。一方で、昨年には「僕の現実や困難を反映できるような役が来たら」復帰の可能性もあると語っている。
シリーズ1~2作目でフォックス演じるマーティの母ロレイン、3作目では祖先のマギーに扮したリー・トンプソン(63)は俳優として映画・ドラマに出演するかたわら、近年は監督としても活躍中。『スタートレック:ピカード』や『レジデント・エイリアン 〜宇宙からの訪問者〜』などの人気ドラマでメガホンをとっている。
ドク役のロイドは2015年10月21日、2作目でマーティがタイムトラベルをした日にファンに向けた動画に登場。ドクに扮したロイドはデロリアンに乗り、「どうやら想像していた世界とは違うみたいだ。でも、心配することはない。君の未来はまだ決まっていないというわけだ。未来は君自身が作り出すものなんだ。どうか、素晴らしい未来を築いてくれ」と心温まるメッセージを伝えた。
↓2023年に「FAN EXPO Portland」で再会を果たしたキャスト陣(トンプソンのインスタグラムより)
キャスト陣は、これまでもファンイベントなどを通じてたびたび再会。2023年には『バック・トゥ・ザ・フューチャー:ザ・ミュージカル』のブロードウェイ開幕を祝して、フォックス、ロイド、トンプソン、ヒューイ・ルイス、ゼメキス監督とスティーヴン・スピルバーグ監督が会場に駆けつけた。
また、ロイドとビフ役のトーマス・F・ウィルソン(66)は2024年5月、大阪で開催された「コミコン」で来日を果たしている。
ミュージカル版が大ヒット!日本でも上演
映画シリーズの共同脚本を務めたボブ・ゲイルが再び脚本を執筆し、2022年にロンドンのウエスト・エンドで初演された『バック・トゥ・ザ・フューチャー:ザ・ミュージカル』。ローレンス・オリヴィエ賞の最優秀新作ミュージカル賞を受賞、さらにトニー賞2部門にノミネートされるなど高い評価を受け、製作者によるとブロードウェイでの500回以上の上演で8000万ドル相当のチケット売上を記録したという。
日本でも、2025年4月6日(日)から劇団四季によるミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の東京公演が開幕。細部まで再現されたデロリアンも登場し、大迫力のタイムトラベルシーンが味わえる超大作エンターテインメントに仕上がっている。
不朽の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はオリジナルシリーズのレガシーを守りながら、映画とは異なる形でも人々の心を動かし、今なお輝きを放っている。
記事/和田 萌
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