宮崎駿監督10年ぶり新作「君たちはどう生きるか」、公開4日間で興収21億円超えの絶好スタート

©スタジオジブリ

宮崎駿監督の10年ぶりとなる長編アニメーション映画「君たちはどう生きるか」が、14日の公開から4日間で観客動員135万人、興行収入21億4000万円を記録した。

これは同監督の2001年「千と千尋の神隠し」(興収316億8000万円、リバイバル上映含む)の19億4000万円を上回るスタート。当時とは入場料金やIMAXやドルビーシネマなど高額のフォーマットでの上映がないなどの違いはあるが、驚異的な出足だ。

初速では04年「ハウルの動く城」(同196億円)には及ばなかったものの、13年「風立ちぬ」(同120億2000万円)との対比では150%超え。興収200億円も十分に狙える数字で、宮崎アニメの強さを証明した。

宮崎監督は「風立ちぬ」の公開後、高齢を理由に長編映画の制作からの引退を表明。だが、17年に今作の制作に着手していることが明らかになり、事実上の撤回となっていた。タイトルは宮崎監督が子供の頃に読んで感銘を受けた児童小説家の児童文学者の吉野源三郎の小説から引用。昨年12月に宮崎監督が描き下ろしたアオサギのキャラクターのポスターが披露された。

だがその後、鈴木敏夫プロデューサーが「今の時代、情報がないことがエンタテインメントになる」と、一切の宣伝をしない意向を表明。実際にストーリーの詳細やキャストはもちろん、映画館での予告編やテレビCM、広告なども打たなかった。結果、サントラ盤の発売情報から音楽を久石譲氏が手掛けていることのみが分かった状態で、今月14日に全国441館で封切られた。

舞台は戦時下、母親を亡くした少年・牧眞人が疎開先の地方でアオサギに導かれて迷い込んだ異世界での冒険を描くファンタジー。眞人の声には若手俳優の山時聡真が抜てきされ、ほかに木村拓哉、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、大竹しのぶ、國村隼、小林薫、風吹ジュン、竹下景子、火野正平という豪華な声優陣が出演していることが判明。主題歌「地球儀」を米津玄師が書き下ろしたことが、本人のSNSで明かされた。

今後、公開館数は増える見込みで、どこまで数字を伸ばせるかが注目される。今年後半には、北米での公開も決まっている。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元

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