オリジナル版『アメリカン・サイコ』出演者たちが明かすリメイクへの率直な想い

クリスチャン・ベール主演のカルト的ヒット作『アメリカン・サイコ』(2000)がもうすぐ公開25周年を迎える。そんな中で同作の製作陣たちが米『ハリウッドリポーター』の取材に応じ、その中で彼らは最近になって制作が決まった同作のリメイクに対する率直な意見を明かしてくれた。
『アメリカン・サイコ』は、1980年代のニューヨークを舞台における「ヤッピー(yuppie、20〜30代の高学歴で都市部に住む高収入な職業に就く人々のこと)」文化を皮肉まじりに描いたブレット・イーストン・エリスによる同名のベストセラー小説を原作としている。同作では若きベールが妄想にとりつかれたシリアルキラーという裏の顔を持った若手銀行役員、パトリック・ベイトマンを怪演したことでも大きな話題を集めた。
そんな『アメリカン・サイコ』は最近になってリメイクが制作されることとなった。リメイクの監督を務めるのは『クィア/Queer』(2024)や『君の名前で僕を呼んで』(2017)でお馴染みのルカ・グァダニーノ、脚本はスコット・Z・バーンズが担当し、配給はオリジナル版と同じライオンズゲートとなるそう。同社によるとリメイク版は、単純な焼き直しではなく、イーストン・エリスの名作を新たな視点から捉え直す試みになるようだ。
今月ラスベガスにて開催されたシネマコン(CinemaCon)に登場したグァダニーノはイーストン・エリスの原作を「こよなく愛していて、私に大きな影響を与えた」としつつ、脚本は「魅力的な出来」になったと期待感を語っている。なお、リメイク版でベイトマンを演じるのはオースティン・バトラーとの噂だ。
そんな中、オリジナル版でベイトマンの同僚役として出演した俳優・映画監督のマット・ロスはリメイクに対して複雑な胸中を打ち明けてくれた。
「まず、私はいつも『リメイク』と聞くと悲しい気持ちになりますね。実は過去にもある映画のリメイクを監督してほしいとオファーされたことが何度かありますが、そういう話を引き受けるのは気が引けるんです。そういうのはただのがめつい金儲けみたいな感じがしますからね」
その一方で、ロスはグァダニーノのことを「素晴らしい映画監督」と評価しつつ、リメイクに対する期待も口にした。
「ただの金儲けみたいな気はしてしまいますが、その一方であの映画は小説が原作なわけですから、色んな解釈があっていい訳です。だから是非ともみてみたいですね。クリスチャン(・ベール)の演技が唯一無二のものだったからこそ、(オリジナル版は)彼らの作品となったわけです」
一方で『アメリカン・サイコ』のプロデューサーを務めたクリス・ハンリーはヒット作のリメイクや続編を制作するというのが今やハリウッドにおける定石となっていることを指摘しつつ、同作のリメイクは理に適っているとしながら次のように述べた。
「みんな(『アメリカン・サイコ』を)リメイクするなんて馬鹿げてるって言いますが、私はそうは思いません。ルカ(・グァダニーノ)は素晴らしい監督ですからね。彼のつくる映画にハズレはありません」
昨今のいわゆる「リメイクブーム」に対してはファンの間のみならず、制作側の間でも意見が分かれるようだ。果たしてグァダニーノはどんな『アメリカン・サイコ』をファンに届けてくれるのだろうか。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル版(英語)はこちら
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