【訃報】『ザ・ソプラノズ』の名優ヴィンセント・パストーレ死去 “ビッグ・プッシー”役で世界的に知られる
米ドラマ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』で、サルヴァトーレ・“ビッグ・プッシー”・ボンペンシエロ役を演じた俳優ヴィンセント・パストーレが死去した。80歳だった。長年、ニューヨークでバーやナイトクラブを経営した後、42歳で俳優に転身。映画やテレビ、ブロードウェイで幅広く活躍した。
『ザ・ソプラノズ』で演じた“ビッグ・プッシー”
ヴィンセント・パストーレは、米ニューヨーク市ブロンクス区の自宅で亡くなっているところを発見された。長年の友人で、本人の「右腕」を務めていたスティーヴ・ヴィラーノによると、睡眠中に亡くなったとみられる。
パストーレを世界的に知られる存在へと押し上げたのは、HBOの人気ドラマ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』だった。デヴィッド・チェイスが手がけた同作で、パストーレは、主人公トニー・ソプラノ(演:ジェームズ・ガンドルフィーニ)の長年の友人であり、信頼する仲間でもあるサルヴァトーレ・“ビッグ・プッシー”・ボンペンシエロを演じた。
サルヴァトーレはFBIに逮捕された後、終身刑を免れるため情報提供者となる。しかし、その事実を仲間たちに疑われ、シーズン2の最終話「Funhouse(原題)」で、トニーらによって船上で射殺されるという衝撃的な最期を迎えた。
パストーレはシリーズ初期の主要キャストとして出演し、降板後も回想や夢の場面などで再登場した。
チェイスは声明で、パストーレについて「ヴィニーには信じられないほどの優しさがあった」と追悼。「主要キャストの中で、キャラクターが次の人生へ進むことを最初に伝えなければならなかったのが彼だったが、彼は穏やかに受け止めた。その品格を、すべてのシーンに持ち込んでいた」と振り返った。
42歳で俳優へ転身、約200本の作品に出演
1946年7月14日にブロンクスで生まれたパストーレは、高校卒業後に米海軍へ入隊し、3年間勤務。その後、ペイス大学でビジネスを学んだが、専攻を演劇へ変更した。
しかし、すぐに俳優として仕事を得ることはできず、1967年からニューヨークのクラブ業界で働くようになった。ナイトクラブやバーを経営する一方、リムジン運転手も務めたという。
俳優のマット・ディロンとケヴィン・ディロンの兄弟との交流をきっかけに、俳優の道へ進むことを決意。42歳で本格的に演技を始め、映画『True Love』(1989年)でプロ俳優としてデビューした。
その後はマーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』(1990年)、ブライアン・デ・パルマ監督の『カリートの道』(1993年)をはじめ、『レナードの朝』(1990年)、『マンハッタン殺人ミステリー』(1993年)、『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995年)、『ザ・ハリケーン』(1999年)、ガイ・リッチー監督の『スナッチ』(2000年)や『リボルバー』(2005年)、ジョン・ファヴロー監督の『メイド』(2001年)、、リュック・ベッソン監督の『マラヴィータ』(2013年)などに出演した。
イタリア系アメリカ人のマフィアや犯罪者を演じる機会が多かったが、映画とテレビを合わせて約200本の作品に出演。近年も活動を続け、2023年公開のニール・ボガートの伝記映画『スピニング・ゴールド(原題)』にも出演していた。
ブロードウェイやリアリティー番組でも活躍
パストーレは舞台俳優としても活動し、ブロードウェイではミュージカル『シカゴ』でエイモス・ハート役を演じたほか、2014年には『ブロードウェイと銃弾』の舞台版で、マフィアのボス、ニック・ヴァレンティ役を務めた。
テレビでは『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』シリーズや『ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル』、『ブルーブラッド ~NYPD家族の絆~』などに出演。2007年には『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』に参加し、翌年には『セレブリティ・アプレンティス』にも出演した。
自身のトマトソースブランドを立ち上げたほか、ロックバンドで活動し、ポッドキャストも配信。晩年には『ザ・ソプラノズ』でクリストファー・モルティサンティ役を演じたマイケル・インペリオリ、ボビー・“バカラ”・バッカリエリ役のスティーヴ・シリッパとともに、世界各地でイベントにも参加していた。
シリッパは声明で、「ヴィニーは親愛なる友人で、とても寛大で楽しい人だった」と追悼。「長年にわたり、一緒にたくさん笑った。心から寂しく思う」とコメントした。
パストーレの遺族には、娘のレネー、孫娘のマイア、きょうだいのサリーとジョニーがいる。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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